Volume 16, No.2 Pages 107 - 110
4.SPring-8 通信/SPring-8 Communications
2011B 重点ナノテクノロジー支援課題およびナノネット支援課題の募集について
Call for 2011B Nanotechnology Support Proposals and Nanonet Support Proposals
2011B期(平成23年10月〜平成24年2月)における利用につきましては、以下の要領でご応募ください。
1.重点ナノテクノロジー支援課題およびナノネット支援課題について
財団法人高輝度光科学研究センター(JASRI)および独立行政法人日本原子力研究開発機構(JAEA)、独立行政法人物質・材料研究機構(NIMS)は、JASRIが実施する「重点ナノテクノロジー支援」とJAEA、NIMSが文部科学省の委託を受け実施する「先端研究施設共用イノベーション-ナノテクノロジーネットワーク(ナノネット支援)」による研究支援を連携して実施します。募集対象は、5〜10年後のイノベーション創出を目的としたナノテクノロジー・材料分野の研究で、SPring-8放射光を利用した研究となっております。本課題は、特定の対象・目的のもとで実施されるため、成果非専有課題のみの受付となります
なお、重点ナノテクノロジー支援課題およびナノネット支援課題は、平成23年度(2011B期)で募集を終了する予定です。
2.公募の分類
2-1 重点ナノテクノロジー支援(共用ビームライン、理研ビームラインを利用)
重点ナノテクノロジー支援を実施しているJASRIは、平成21年3月に外部委員による中間評価を受けました。その提言を受け、2010B期から重点ナノテクノロジー支援で募集する課題を「重点領域」のみとし、新規重点テーマとして新たにNF4〜NF6の3テーマを追加して、以下の6テーマで課題を募集することとしました。
なお、評価委員会の提言についてはSPring-8ホームページの「重点ナノテクノロジー支援評価報告書」(http://www.spring8.or.jp/ja/about_us/committees/reports/nanotech_review_report/publicfolder_view)
(トップページ>SPring-8について>各種委員会>委員会報告書>重点ナノテクノロジー支援評価報告書)を参照してください。
「重点領域」とは、活発な利用研究が展開されており、今後の重点化により一層の成果拡大が見込まれる以下の領域となっております。
〔NF1〕次世代磁気記録材料
次世代磁気記録媒体、次世代磁気ヘッド、磁性ナノ粒子、磁性ナノワイヤーなどの次世代磁気記録材料に関わる研究
〔NF2〕エネルギー変換・貯蔵材料
各種二次電池、燃料電池、太陽電池、熱電変換材料、ガス吸着材料などのエネルギー変換・貯蔵に関わる研究
〔NF3〕ナノエレクトロニクス材料
シリコンLSI材料、グラフェン・エレクトロニクス材料、化合物半導体ナノ構造、スピントロニクス材料、酸化物エレクトロニクス材料などのナノエレクトロニクス材料研究
〔NF4〕ナノ医療・ナノバイオ技術
ドラッグデリバリーシステム、医療用ナノ材料、生体 分子イメージング、ナノバイオセンシングなどのナノテクノロジーを利用した医療・バイオ研究
〔NF5〕ナノ環境技術
有害物質除去技術、環境浄化技術、生分解性材料、環境触媒、環境評価技術などのナノテクノロジーを活用した環境技術研究
〔NF6〕先端ナノ計測技術
新規なナノ領域計測技術の開発に関わる研究
2-2 ナノネット支援(専用ビームラインを利用)
「ナノネット支援」で募集する課題は従来通り「重点領域」と「先進新領域」で課題を募集します。「重点領域」とは、活発な利用研究が展開されており、今後の重点化により一層の成果拡大が見込まれる以下の領域となっております。
[NF1]次世代磁気記録材料
次世代磁気記録媒体、次世代磁気ヘッド、磁性ナノ粒子、磁性ナノワイヤーなどの次世代磁気記録材料に関わる研究
[NF2]エネルギー変換・貯蔵材料
各種二次電池、燃料電池、太陽電池、熱電変換材料、ガス吸着材料などのエネルギー変換・貯蔵に関わる研究
[NF3]ナノエレクトロニクス材料
シリコンLSI材料、グラフェン・エレクトロニクス材料、化合物半導体ナノ構造、スピントロニクス材料、酸化物エレクトロニクス材料などのナノエレクトロニクス材料研究
「先進新領域」とは、全く新しい概念に基づく新規機能性材料研究開発やナノテクノロジー・材料分野の研究を強力に推進する新規利用技術に関する以下の領域となっております。
[NA1]新規ナノ粒子機能材料
高機能触媒開発などのナノ粒子化により発現する新規な機能を活用する材料研究
[NA2]新規ナノ薄膜機能材料
有機エレクトロニクス材料研究などのナノスケールで制御された薄膜機能性材料に関する研究
[NA3]新規ナノ融合領域研究
ナノ材料分野と他分野(生物、医療、環境分野等)との融合よりにより実現する新機能、新現象の開拓に関する研究
[NA4]新規ナノ領域計測技術
新規なナノ領域計測技術の開発に関わる研究
3.利用時期、対象ビームライン
利用の時期、募集の対象となるビームライン、シフト数(1シフト=8時間)を以下に示します。
なお、運転モードは本誌91ページ「2011B SPring-8利用研究課題募集要項」の「1.(7)2011Bのセベラルバンチ運転モード」またはSPring-8ホームページの「セベラルバンチ運転モード対応表」(http://www.spring8.or.jp/ja/users/operation_status/schedule/bunch_mode)を参照してください。
(1)利用時期
利用時期は2011B期(平成23年10月〜平成24年2月)です。
(2)対象ビームライン
ビームライン | 供給ビームタイム [1シフト=8時間] |
|
BL02B2 | 粉末結晶構造解析 | 33シフト程度 |
BL13XU | 表面界面構造解析 | 33シフト程度 |
BL25SU | 軟X線固体分光 | 33シフト程度 |
BL27SU | 軟X線光化学 | 33シフト程度 |
BL37XU | 分光分析 | 51シフト程度 |
BL39XU | 磁性材料 | 51シフト程度 |
BL40B2 | 構造生物学 II | 33シフト程度 |
BL47XU | 光電子分光・マイクロCT | 33シフト程度 |
BL17SU | 理研 物理科学 III | 9シフト程度 |
ビームライン | 供給ビームタイム | |
BL11XU | JAEA 量子ダイナミクス | 51シフト程度 |
BL14B1 | JAEA 物質科学 | 18シフト程度 |
BL15XU | NIMS 広エネルギー帯域先端材料解析 | 21シフト程度 |
BL22XU | JAEA 量子構造物性 | 12シフト程度 |
BL23SU | JAEA 重元素科学 | 42シフト程度 |
ビームラインの概要は本誌91ページの「2011B SPring-8利用研究課題募集要項」をご参照ください。また、ビームラインの整備状況はSPring-8ホームページの「ビームライン一覧」(http://www.spring8.or.jp/ja/facilities/bl/list/)(トップページ>クイックリンク>ビームライン情報>ビームライン一覧)でも提供していますので、不明な点はそれぞれのビームライン担当者にお問い合わせください。
なお、JAEAのビームラインの利用を希望される場合は、申請前にJAEAの担当者(BL11XU、BL14B1、BL22XU、BL23SU)にお問い合わせください。
NIMSのビームラインの利用を希望される場合は、申請前にNIMSの担当者(BL15XU)にお問い合わせください。
4.申請方法
Webサイトを利用した電子申請となります。本誌91ページの「2011B SPring-8利用研究課題募集要項」をご一読いただき、以下のUser Information Webサイトから申請してください。
User Information Webサイト(UIサイト):http://user.spring8.or.jp/
トップページ>ログイン>課題申請/利用計画書>新規作成
[重点ナノテクノロジー支援課題]に申請される場合は、
ナノテクノロジー課題→重点ナノテクノロジー支援課題から申請してください。
[ナノネット支援課題]に申請される場合は、
ナノテクノロジー課題→ナノネット支援課題から申請してください。
入力項目は一般課題の申請に必要な項目に加えて、「テーマ名」を選択、「申請課題のナノテクノロジー分野における位置づけ・重要性」、「申請課題の実施により発展が期待されるナノメーター領域の技術、科学または産業分野等」を記述してください。ご応募の前に、ビームライン・ステーションの整備状況をSPring-8ホームページの「ビームライン一覧」(トップページ>ご利用の皆様へ>ご利用経験のある方へ>ビームライン情報>ビームライン一覧と検索)でご確認ください。不明な点はそれぞれのビームライン担当者にお問い合わせください。また、利用ビームラインがわからない場合は「12.(2)SPring-8相談窓口」にご相談ください。
● 申請書作成上のお願い
[重複申請について]
一般課題に同じ内容で申請することは可能です。この場合、どちらか一方で採択された場合には、もう一方の申請は無条件で不採択となります。申請にあたっては、「提案理由など」の『本申請に関わる準備状況、これまでに採択された課題との関係、他に申請課題がある場合はその課題との関係、同種実験の経験』欄に重複申請をしている旨を必ず記入してください。なお、他の重点領域課題との重複申請は認められません。他の重点領域課題との重複申請が判明した場合には、両方の課題が不採択となります。
5.応募締切
平成23年6月30日(木)
午前10時JST(提出完了時刻)
電子申請システムの動作確認はしておりますが、予期せぬ動作不良等の発生も考えられます。申請書の作成(入力)は時間的余裕をもって行っていただきますようお願いいたします。Web入力に問題がある場合は「12.(1)課題Web申請について」へ連絡してください。応募締切時刻までに連絡を受けた場合のみ別途送信方法のご相談に応じます。
6.申請受理通知
申請が完了すれば、受理通知と申請者控え用の誓約事項のPDFファイルがメールで送られます。
メールが届かない場合は申請が受理されていない可能性がありますので、以下の通り確認してください。
1)申請課題が UIサイト(トップページ>ログイン>課題申請/利用計画書)の「提出済」に表示されていない場合
→受理されていません。もう一度申請課題の「提出」操作を行ってください。
2)申請課題が UIサイト(トップページ>ログイン>課題申請/利用計画書)の「提出済」に表示されている場合
→受理されています。ユーザー登録内容が正しいにもかかわらずメールが不着となっている場合は、利用業務部にお問い合わせください。
7.審査について
一般課題と同様、科学技術的妥当性、研究手段としてのSPring-8の必要性、実験の実施可能性および実験の安全性についての総合的かつ専門的な審査に加え、ナノテク課題としての科学技術的重要性や研究戦略について審査を行います。また、過去に利用実績のある申請者に対し、成果の公表状況を評価し、論文登録数が少ない申請者に対しては減点することで課題選定に取り入れます。なお、論文登録はUIサイトhttp://user.spring8.or.jp/(マイページにログイン>申請/報告>論文発表等登録)からお願いします。
8.審査結果の通知
審査結果は、申請者に対して、平成23年8月下旬に文書にて通知します。
9.報告書について
利用研究課題終了後60日以内に、所定の利用課題実験報告書をJASRIに提出していただきます。JASRIでは、2011B期終了後60日目から2週間後に当該報告書をWeb公開します。利用課題実験報告書の詳細につきましては、本誌91ページの「2011B SPring-8利用研究課題募集要項」の「1.(2)利用課題実験報告書について(2011Bより)」をご参照ください。
10.成果公開について
課題実施期終了後3年以内に課題番号が明記されている査読付き論文(査読付きプロシーディングス、博士学位論文を含む)をJASRIに登録してください。論文登録先:http://user.spring8.or.jp(トップページ>マイページにログイン>申請/報告>論文発表等登録)
成果の公開に関する詳細につきましては、本誌91ページの「2011B SPring-8利用研究課題募集要項」の「1.(3)成果の公開方法の改正について」をご参照ください。
また、当支援を受けた課題については、上記に加え、別途A4用紙2ページ程度の「ナノテク課題研究成果報告書」を提出していただきます。
11.その他
(1)消耗品の実費負担については、本誌94ページの「2011B SPring-8利用研究課題募集要項」の「4.(2)消耗品の実費負担について」をご参照ください。
(2)備考
JASRIが実施する「重点ナノテクノロジー支援」とJAEA、NIMSが実施する「ナノネット支援」は原則、同じルールで運用を行いますが、実施機関が異なるため、消耗品の実費負担の徴収方法など手続きに若干の違いがでる場合があることをご承知おきください。
12.問い合わせ先
(1)課題Web申請について
〒679-5198 兵庫県佐用郡佐用町光都1-1-1
財団法人 高輝度光科学研究センター
利用業務部
TEL:0791-58-0961 FAX:0791-58-0965
e-mail:sp8jasri@spring8.or.jp
(2)SPring-8相談窓口
JASRIナノテクノロジー利用研究推進グループでは、ナノテクノロジー分野の放射光利用実験に関するあらゆる相談をお受けします。ご相談・ご質問は、
〒679-5198 兵庫県佐用郡佐用町光都1-1-1
財団法人 高輝度光科学研究センター
ナノテクノロジー利用研究推進グループ
グループリーダー 木村 滋
TEL:0791-58-0919 FAX:0791-58-0830
e-mail:nano_tech@spring8.or.jp
にて随時受け付けております。