Volume 07, No.3 Pages 147 - 166
1. SPring-8の現状/PRESENT STATUS OF SPring-8
2002B SPring-8共用ビームライン利用研究課題の募集について
Call for the Beam Time Application for the Public Beamlines at SPring-8
SPring-8は、平成9年10月の供用開始から既に4年半を経過し、これまで数多くの研究者に利用されてきておりますが、今後更なる有効利用を図ると共に、世界に冠たる成果を輩出していきたいと考えております。
このため、(財)高輝度光科学研究センターでは、充分に研究を行って頂けるように課題選定に工夫を凝らす等、効果的な支援を行って参ります。SPring-8では、赤外線から硬X線までの広い波長範囲の高輝度放射光ビーム及び先端的な測定装置を備えていますが、これらの設備を活用し、最先端の研究開発や社会に貢献する産業利用などを目指した研究課題を募集いたします。
平成14年後期(2002B)からは、このような趣旨を踏まえ、研究分野に応じた特徴ある課題選定を試行的に行うことになりました。今回からは、ビームラインBL02B1で行う研究とXAFS分野の研究について試行します。なお、募集に関する追加情報がある場合は、ホームページに掲載いたしますので、最新情報はSPring-8のホームページでご確認ください。
1.平成14年後期(2002B)利用期間
平成14年9月19日~平成15年2月12日の予定
2.締め切り
平成14年6月1日(土)消印有効
持参および時間指定宅配便は6月3日(月)午前10時利用業務部到着分まで受理。
申請書の受理通知は6月24日(月)までに電子メールで行います。
3.対象となるビームライン
募集の対象となるビームラインを表1に示します。ご応募の前にビームライン・ステーションの整備状況をビームラインハンドブックやホームページでご確認ください。また、初めて利用される場合などビームライン・ステーションに関する不明な点はホームページに記載されているビームライン担当者までお問い合わせください。
2002Bから新たに募集を開始するのは以下の3本のビームラインです。
・BL15XU(広エネルギー帯域先端材料解析ビームライン)
物質・材料研究機構 物質研究所専用ビームラインで、ビームタイムの一部が共同利用に供出されます。予め物質研究所の担当者(福島整FUKUSHIMA.Sei@nims.go.jp)にお問い合わせください。
・BL19LXU(理研 物理科学Ⅱ)
理研ビームラインで、ビームタイムの一部が共同利用に供出されます。長尺アンジュレータの特徴を活かせる課題を募集します。
・BL29XU(理研 物理科学Ⅰ)
理研ビームラインで、ビームタイムの一部が共同利用に供出されます。1kmステーションを利用する課題を募集します。
4.2002Bから試行する分野ごとに特徴ある課題選定について
[1]BL02B1(結晶構造解析ビームライン)
B期から始まる1年課題とします。申請書の特記事項にB期とA期に必要なシフト数を記入してください。採択時にB期とA期の配分シフト数を通知します。利用報告書はB期とA期にそれぞれ提出してください。なお、次回A期には15%程度のシフト数についてA期のみ有効な課題を募集します。
[2]XAFS
長時間のビームタイムを要望される課題で、新しい応用分野ないし挑戦的な研究、あるいは実験・解析技術の習得が必要なため、本格的に長時間の実験を行う前に予備実験が必要であると判断された課題についてはまず予備実験に必要なビームタイムが配分されます。申請者は配分されたビームタイムで実験を行いその実験・解析結果を報告し評価を受けた後要望されている残りのビームタイムが配分されることになります。
5.提供するビームタイム
[1]共用ビームライン:190シフト程度
[2]R&Dビームライン(共用ビームラインBL38B1,BL46XU, BL47XU):
全ユーザービームタイムの30%程度
[3]原研ビームライン(BL11XU, BL14B1, BL23SU):
全ユーザービームタイムの20%程度ただし、BL11XUは、12月以降は工事のため利用できなくなる見込みです。
なお、原研が行っている研究については原研に問い合わせてください。
[4]理研ビームライン(BL19LXU, BL29XU, BL44B2,BL45XU):全ユーザービームタイムの20%程度
なお、理研が行っている研究については理研に問い合わせてください。
[5]物質・材料研究機構 物質研究所専用ビームライン(BL15XU):全ユーザービームタイムの20%程度
物質研究所の担当者(福島整FUKUSHIMA.Sei@nims.go.jp)迄お問い合わせください。
6.2002Bのセベラルバンチ運転モード(申請書の12-2参照)
2002Bに行う運転モードは以下のとおりです。
Aモード:203bunches(蓄積リング全周において等間隔に203個のバンチに電子が入っている。1日2回入射)
Bモード:4-bunch train×84(連続4バンチのかたまりが、全周において等間隔に84ある。1日1回入射)
Cモード:11-bunch train×29(連続11バンチのかたまりが、全周において等間隔に29ある。1日1回入射)
*Dモード:1/12-filling+10bunches(全周を12等分し、1/12には連続して85mA相当の電子が入り、残りの部分は等間隔10カ所に各1.5mA相当のバンチがある。1日2回入射)
*Eモード:6/42-filling+35bunches(全周を42等分し、6/42は連続して約75mA相当の電子が入り、残りの部分に等間隔に35バンチ合計約25mA相当の電子がはいっている。1日2回入射)
*上記のDおよびEモードはB期(2002B, 2003B,…)のみ運転します。A期(2003A,…)のDおよびEモードはそれぞれ2/21-filling+18bunchesおよび10/84-filling+73bunchesの予定です。
7.応募方法
[1]成果非専有課題
SPring-8利用研究課題申請書(成果非専有用)を記入要領に従い作成し、正本1部、副本15部を項目10の提出先までお送り下さい。副本の作成は項目9に示す。
[2]成果専有課題
SPring-8利用研究課題申請書(成果専有用)を記入要領に従い作成し正本1部、副本5部を項目10の提出先までお送り下さい。副本の作成は項目9に示す。
成果専有課題を申請される場合は、別途料金支払い等に関する契約を結んでいただく必要がありますので、利用業務部にお問い合わせ下さい。
8.申請書
成果非専有用、成果専有用の申請書の別があり、各申請書は蛋白質結晶構造解析用申請書とそれ以外(散乱・回折、XAFS、分光、実験技術、産業利用)用があります。様式が一部変更されています。以下の、SPring-8のWWWホームページにPDF形式ファイルと一部Wordで供給しています。また、成果非専有用申請書は本誌の158ページからのコピーも利用いただけます。
[利用研究課題募集案内のホームページアドレス]
http://www.spring8.or.jp/JAPANESE/user_info/(日本語)
http://www.spring8.or.jp/ENGLISH/user_info/(英語)
9.副本について
作成された申請書A4版の原本(正本)の1,2頁を表面に、また3,4頁を裏面としてA4版1枚に左綴じで読めるようにした縮小両面コピー。
(蛋白質結晶構造解析の課題で原本が5枚になった場合は5頁目を同様に縮小コピーし副本の2枚目として下さい。)
10.申請書提出・問い合わせ先
〒679-5198 兵庫県佐用郡三日月町光都1-1-1
(財)高輝度光科学研究センター 利用業務部
「共用ビームライン利用研究課題募集係」
平野有紀、坂尻佐和子、牧田知子
TEL:0791-58-0961 FAX:0791-58-0965
e-mail:sp8jasri@spring8.or.jp
成果専有課題を郵送される場合は封筒に「専有」と朱書して下さい。
11.申請書作成上のお願い
[1]審査希望分野について
分野の区分を細分化しました。「医学イメージング」が「医学利用」に変わりました。磁気XAFSはS2(蛍光X線、XMCD)に申請してください。
なお、BL04B2を希望される場合は「6. 希望ビームラインと優先順位」の項目に希望ステーション名も必ずご記入下さい。
[2]課題の種類(新規/継続)について
SPring-8の課題は6カ月の間に実行できる範囲の具体的な内容で申請してください。SPring-8の継続課題は、前回申請した課題が、なんらかの理由により終了しなかった時に申請していただくものです。研究そのものが何年も続いていくことと、SPring-8の継続課題とは別に考えてください。前回採択された課題のビームタイムを終了されて、研究が続く場合は新規課題の申請を行ってください。
[3]実験責任者について
実験の実施全体に対してSPring-8の現場で責任をもつ人が実験責任者となってください。
[4]特殊な運転モード、フィリングについて
特殊な運転モードの希望(マルチバンチを含む)は申請書の特記事項および12-2. セベラルバンチ運転メニューから選んでください。2002Bに運転を予定しているセベラルバンチモードは前述項目6に示してあります。
[5]本申請に関わるこれまでの成果について
特に、これまでにSPring-8の課題が採択されている場合は公表論文(または論文のJASRIへの登録番号)を記入してください。
[6]特記事項「旅費の自主財源あり」
来所に必要な旅費について、自主財源をお持ちのかたはチェックしてください。この項目は課題審査の対象とはなりません。
12.審査について
[1]成果非専有課題:科学技術的妥当性、研究手段としてのSPring-8の必要性、実験の実施可能性、実験の安全性について総合的かつ専門的に審査を行う。
[2]成果専有課題:実験の実施可能性、実験の安全性のみ審査する。
13.審査結果の通知
平成14年7月下旬の予定
なお、採択の通知を受けた申請者(実験責任者)は2週間以内に利用研究課題実行者名簿をインターネットで登録していただくことになります。また、そのときに新規のユーザーはユーザー登録が必要になります。
14.ビーム使用料
平成14年4月現在の使用料は以下のとおりです。
成果非専有課題(成果を公開された場合*)):無料
成果専有課題:
通常利用 :472,000円/1シフト(8時間)
時期指定利用:708,000円(ビーム使用料+割増料金)/1シフト(8時間)
*)課題終了後60日以内に利用報告書を提出していただくことで、成果が公開されたとみなします。
15.旅費支援について
旅費の支給基準が変更されます。予めご了承願います。
16.次回(2003A)の応募締切
次回利用期間(平成15年2月~平成15年7月)分の募集は平成14年10月に締め切る予定です。