ページトップへ戻る

Volume 07, No.2 Pages 74 - 77

1. SPring-8の現状/PRESENT STATUS OF SPring-8

SPring-8運転・利用状況
SPring-8 Operational News

(財)高輝度光科学研究センター 所長室 計画調整グループ JASRI Planning and Coordination Section, Director's Office

Download PDF (239.12 KB)


◎平成13年11~12月の運転・利用実績

 SPring-8は11月27日から第10サイクル運転を通常より1日長い3週間連続運転モードで実施した。第10サイクルでは総放射光利用運転時間(ユーザータイム)内での故障等による停止時間(down time)が無く、順調な運転であった。

 放射光利用実績については、実験された共同利用研究の課題は合計132件、利用研究者は632名で、専用施設利用研究の課題は合計34件、利用研究者は170名にのぼった。


1.装置運転関係

(1)運転期間

 第10サイクル(11/27(火)~12/14(金))

(2)運転時間の内訳

 運転時間総計         約406.5時間

 ①装置の調整及びスタディ等  約95.5時間

 ②放射光利用運転時間     約311時間

 ③故障等によるdown time     約0時間

 総放射光利用運転時間(ユーザータイム=②+③)に対するdown timeの割合 約0.0%

(3)運転スペック等

 ①第10サイクル(セベラルバンチ運転)

 ・11 bunch train×29

 ・1 bunch+multi bunch

 ・定時入射 1日1回(10時)

 ・蓄積電流 1~99mA

(4)トピックス

 ①12月2日の22時頃に発生した地震の影響により、ビームが水平方向にずれたが、ビームは落ちなかった。

 ②12月15日から冬期長期運転停止期間に入るため、12月12日から14日までパラメータ取得(バンプのタイミング調整、水平ビームサイズの測定、ビシビリティの測定等)を行った。


2.利用関係

(1)放射光利用実験期間

 第10サイクル(11/28(水)~12/5(水))(12/6(木)~12/12(水))

(2)ビームライン利用状況

 稼働ビームライン

    共用ビームライン    21本

    R&Dビームライン    3本

    理研ビームライン    3本

    原研ビームライン    3本

    専用ビームライン    7本

    加速器診断ビームライン 1本

 共同利用研究課題   132件

 共同利用研究者数   632名

 専用施設利用研究課題 34件

 専用施設利用研究者数 170名

(3)トピックス

 ①11月26日にBL12XUの試験運転前自主検査を行い無事に合格した。第10サイクルよりコミッショニングを開始する。

 ②12月4日の午前中にBL08WのFE部で真空異常がありMBSが閉じた。処置として中央制御室から制限を掛け、50mm以下にギャップが閉まらないようにして運転を再開した。冬期の長期運転停止期間に修理を行う予定である。


3.ニュースバル関係

 ニュースバルは第10サイクルから蓄積電流・入射電荷量等について新しい規制値を用いることになった。また入射電荷量・パルス数の集計方法も変更となった。第10サイクルは、入射効率低減等があったが、順調に利用運転(焼き出し運転含む)及びマシンスタディ等を行った。

 

(1)運転期間

 第10サイクル(11/28(水)~12/14(金)


◎平成13年12月~平成14年1月の実績
1.SPring-8関係

 SPring-8は12月15日から平成14年1月14日まで冬期の長期運転停止期間として以下の作業・点検等を実施し予定通り終了した。

(1)線型加速器関係

 ①電子銃ビームディフレクタ設置作業

 ②電子銃点検・交換作業

 ③イオンポンプ交換作業

④その他作業及び点検

(2)シンクロトロン関係

 ①光ケーブル敷設作業

 ②その他作業及び点検

(3)蓄積リング関係

 ①ビームラインの増設

 ②挿入光源の新規据付作業

 ③FEの新規据付・既設改造作業

 ④収納部内振動測定作業

 ⑤電磁石電源改造作業

 ⑥真空チェンバ交換作業

 ⑦制御用データベース交換作業

 ⑧その他作業及び点検

(4)ユーティリティ関係

 ①直流電源装置点検作業

 ②SR冷却塔砂沈殿槽設置作業

 ③Sy冷却塔インバータ制御化作業

 ④L3BT電磁石電源室整備工事

 ⑤消防設備点検作業

 ⑥その他作業及び点検

(5)安全管理関係

 ①入退出管理システム定期点検

 ②放射線監視システム定期点検

 ③放射線モニタ点検

 ④インターロック点検・総合動作試験

 ⑤その他作業及び点検


2.ニュースバル関係

 ニュースバルは12月15日から平成14年1月19日まで冬期の長期運転停止期間として以下の作業・点検等を実施し予定通り終了した。

(1)主な作業・点検

 ①トンネル内鉛遮蔽設置作業

 ②BL調整作業

 ③その他作業及び点検


◎平成14年1月の運転・利用実績

 SPring-8は1月15日から2月8日まで第1サイクルを4週間連続運転モードで実施している。運転・利用の実績については次号にて掲載する。


◎今後の予定

(1)1月15日から2月8日までの4週間連続運転モードでの第1サイクル以降は、2月13日から3月29日まで4週間連続運転モード(第2サイクル)と3週間連続運転モード(第3サイクル)の運転を行う予定である。

 運転条件については決定しだい、SPring-8ホームページ等でお知らせする。


◎平成14年度のSPring-8運転計画

 SPring-8では平成14年度(平成14年4月~平成15年3月)の運転を以下のように計画している。但し、本計画は現在のところ確定されたものではなく、今後の検討により修正される(特に夏期の長期運転停止期間以降の運転計画)。

 正式に運転計画が決定され次第、SPring-8ホームページや利用者情報誌等でお知らせする。

(1)運転予定表

 別図1に平成14年度(2002年度)の運転計画を示す。

(2)運転計画の内訳

 ①サイクル数

 平成14年度は合計8サイクル(平成14年;第4~第9、平成15年;第1~第2)の運転を予定している。

 ②1サイクル当たりの期間

 1サイクル当たりの期間は、原則4週連続転モードで行う予定であるが、試行的に第5サイクルを5週間連続運転モードで行う。

 ③運転停止期間

 サイクル間の運転停止以外の主な長期運転停止期間は、以下の通りである。

 ・中間点検 4月26日~5月14日

 ・中間点検 11月9日~11月19日

 ・夏期停止 7月13日~9月13日

 (マシン及びビームライン調整期間も含む)

 ・冬期停止 12月21日~平成15年1月19日

(3)運転スペック等

 各サイクルの詳細な運転スペック(蓄積電流値やバンチ運転、フィリング等)については、利用者の要望等を踏まえ、各サイクル開始前に開催される「スケジュール調整会議」で、検討・調整をする。

 会議で決定された運転スペックについては、すみやかにSPring-8ホームページ等でお知らせする。

(4)注意事項

 中間点検期間・長期運転停止期間及び夏期の運転停止期間以降の運転計画ついては、今後の検討により変更される可能性がある。また、停止期間中に設置、増設されるビームラインや挿入装置についても変更される可能性がある。



Print ISSN 1341-9668
[ - Vol.15 No.4(2010)]
Online ISSN 2187-4794