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Volume 06, No.6 Pages 441 - 442

1. SPring-8の現状/PRESENT STATUS OF SPring-8

SPring-8運転・利用状況
SPring-8 Operational News

(財)高輝度光科学研究センター 所長室 計画調整グループ JASRI Planning and Coordination Section, Director's Office

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◎平成13年8~9月の運転・利用実績

 SPring-8は6月28日から8月19日まで夏期の長期運転停止期間、8月20日から9月7日までマシン及びビームライン調整期間の運転を実施した。

 マシン及びビームライン調整期間は夏期の運転停止期間に新規に設置された機器や既設の改造等を行った機器の調整と第7サイクル以降のユーザー運転に向けての調整及び第6サイクルで中止となったパラメータ取得を行った。また、9月3日から6日までの安全法定検査対応の運転期間としてユーザーへの放射光の提供は行わなかった。


1.SPring-8の長期停止期間中に実施した主な作業

(1)線型加速器関係

 ①モジュレーターメンテナンス

 ②H0モジュレーターのブースター化

 ③立体回路系ダミーロードの交換

 ④モジュレーター制御系改造

 ⑤その他点検・整備作業

(2)シンクロトロン関係

 ①タイミングシステム改造作業

 ②OTRモニタ設置作業

 ③クライストロン本体及び電源点検作業

 ④電磁石電源点検作業

 ⑤その他点検・整備作業

(3)蓄積リング関係

 ①ビームラインの増設

 ②挿入光源の既設改造作業

 ③FEの新規据付・既設改造調整作業

 ④RFの点検及びアブソーバ交換作業

 ⑤NEG活性化作業

 ⑥電磁石水平面測量及びレベル測量

 ⑦BPM信号処理回路改造作業

 ⑧収納部監視システム作業

 ⑨制御系交換・改造作業

 ⑩その他点検・整備作業

(4)ユーティリティ関係

 ①電気設備保守点検作業

 ②冷却水設備保守点検作業

 ③空調設備保守点検作業

 ④防災設備保守点検作業

 ⑤その他定期点検・整備作業

(5)安全管理関係

 ①入退出管理システム定期点検

 ②放射線監視システム定期点検

 ③放射線モニタ定期点検

 ④鍵管理盤移設作業

 ⑤その他点検・整備作業


2.装置運転関係

(1)運転期間

 マシン及びビームライン調整期間

 (8/20(月)~9/7(金))

(2)運転時間の内訳

 運転時間総計  約337.5時間

 装置の調整   約337.5時間

(3)主な調整内容

 ①Sy-SRタイミング調整、機器動作チェック

 ②入射電磁石チューニング

 ③軌道調整、ディスパージョン補正

 ④BPM再現性の確認

 ⑤長直線部調整

 ⑥主要パラメータの測定

 ⑦挿入光源ステアリング及びキッカー電磁石調整

 ⑧FE調整

 ⑨各ビームライン調整

 ⑩ユーザー運転時のフィリングの安定性確認

(4)トピックス

 ①9月3日から6日までの原子力安全技術センターによる安全法定検査を行い、特に問題なく検査を終了した。


◎平成13年9~10月の運転・利用実績

 SPring-8は9月12日から第7サイクル(4週間連続運転モード)の運転を実施した。第7サイクルでは冷却水洩れの対応のための停止やRFの加速空洞の反射異常による停止等があり、総放射光利用運転時間(ユーザータイム)内での故障等による停止時間(down time)は約1.4%であった。

 放射光利用実績については、実験された共同利用研究の課題は合計151件、利用研究者は760名で、専用施設利用研究の課題は合計47件、利用研究者は206名にのぼった。


1.装置運転関係

(1)運転期間

 第7サイクル(9/12(水)~10/5(金))

(2)運転時間の内訳

 運転時間総計           約553.5時間

 ①装置の調整及びマシンスタディ等 約92時間

 ②放射光利用運転時間       約455時間

 ③故障等によるdown time       約6.5時間

 総放射光利用運転時間(ユーザータイム=②+③)に対するdown timeの割合 約1.4%

(3)運転スペック等

 ①第7サイクル(マルチバンチ運転)

 ・160 bunch train×12

 ・定時入射 1日1回(10時)

 ・蓄積電流 1~99mA

(4)主なdown timeの原因

 ①冷却水洩れ対応のためのビーム廃棄

 ②RF加速空洞の反射異常

 ③RF立ち上げのためのビーム廃棄

(5)トピックス

 ①第7サイクルより、各サイクルにビームラインスタディの枠を新たに設け、新規ビームライン及び改造後においての立ち上げ時期に実施される各種機器調整等を行う事となった。


2.利用関係

(1)放射光利用実験期間

 第7サイクル(9/13(木)~9/19(水))(9/20(木)~9/24(月))(9/26(水)~10/5(金))

(2)ビームライン利用状況

 稼働ビームライン

   共用ビームライン    19本

   R&Dビームライン    3本

   理研ビームライン    3本

   原研ビームライン    3本

   専用ビームライン    7本

   加速器診断ビームライン 1本

 共同利用研究課題   151件

 共同利用研究者数   760名

 専用施設利用研究課題  47件

 専用施設利用研究者数 206名

(3)トピックス

 ①第7サイクルよりユーザータイムの開始時刻が10時に変更となった。変更に伴い定時入射時刻が1日1回入射の際は10時に、1日2回入射の際は10時及び22時にそれぞれ変更となった。


3.ニュースバル関係

(1)長期停止期間中に実施した主な作業

 ニュースバルは第7サイクルも引き続き夏期の長期運転停止期間として、10月12日まで以下の作業を実施し予定通り終了した。

 ①ビームラインの増設・改造作業

 ②リング真空改造及び局所遮蔽工事

 ③その他点検・整備作業


◎今後の予定

(1)10月11日から12月14日までサイクル間の運転停止期間をはさみ、4週間連続運転モードで1サイクル(第8サイクル)と3週間連続運転モードで2サイクル(第9、10サイクル)の運転を行う予定である。運転条件については決定しだい、ユーザーに報告する。

(2)第10サイクル以降は、12月15日より冬期の長期運転停止期間に入り(来年1月中旬まで)、挿入光源の据付や各設備及び機器の点検作業等を行う予定である。



Print ISSN 1341-9668
[ - Vol.15 No.4(2010)]
Online ISSN 2187-4794