Volume 06, No.4 Pages 271 - 272
1. SPring-8の現状/PRESENT STATUS OF SPring-8
SPring-8運転・利用状況
SPring-8 Operational News
◎平成13年4~5月の運転・利用実績
SPring-8は4月4日から第4サイクル(4週間連続運転モード)、中間点検作業による運転停止期間(4月28日~5月9日)を挟んで、5月10日から第5サイクル(4週間連続運転モード)の運転を実施した。第4~5サイクルでは冷却水の流量低下による停止やRFのサーキュレーターアークによる停止等があったが順調な運転で、総放射光利用運転時間(ユーザータイム)内での故障等による停止時間(down time)は約1.5%であった。
放射光利用実績については、実験された共同利用研究の課題は合計271件、利用研究者は1220名で、専用施設利用研究の課題は合計74件、利用研究者は334名にのぼった。
1.装置運転関係
(1)運転期間
第4サイクル(4/ 4(水)~4/27(金))
第5サイクル(5/10(木)~6/ 1(金))
(2)運転時間の内訳
運転時間総計 約1082時間
①装置の調整及びマシンスタディ等 約124.5時間
②放射光利用運転時間 約943時間
③故障等によるdown time 約14.5時間
総放射光利用運転時間(ユーザータイム=②+③)に対するdown timeの割合 約1.5%
(3)運転スペック等
①第4サイクル(セベラルバンチ運転)
・203 bunches
・203 bunch-(4 bunch×7)
・定時入射 1日2回(8時、20時)
・蓄積電流 1~99mA
②第5サイクル(セベラルバンチ運転)
・4 bunch train×84
・1/12 filling+10 single bunches
・10/84 filling+73 single bunches
・1/21 filling+19 single bunches
・406 bunches
・定時入射 1日2回(8時、20時)もしくは1日1回(15時)
・蓄積電流 1~99mA
(4)主なdown timeの原因
①冷却水の流量低下によるInter lock
②挿入光源rf-BPMによるInter lock
③SR-RFサーキュレーターアーク
④機器の誤作動によるInter lock
⑤安全系PLC間の通信異常による全停止
(5)トピックス
①中間点検作業による運転停止期間の5月7~9日に、原子力安全技術センターによる安全法定検査を行い大きな問題なく終了した。
2.利用関係
(1)放射光利用実験期間
第4サイクル(4/ 5(木)~4/16(月))(4/18(水)~4/27(金))
第5サイクル(5/11(金)~5/21(月))(5/22(火)~6/ 1(金))
(2)ビームライン利用状況
稼働ビームライン
共用ビームライン 17本
R&Dビームライン 3本
理研ビームライン 3本
原研ビームライン 3本
専用ビームライン 7本
加速器診断ビームライン 1本
共同利用研究課題 271件
共同利用研究者数 1220名
専用施設利用研究課題 74件
専用施設利用研究者数 334名
(3)トピックス
①第5サイクルは安全法定検査の関係で、通常の4週間連続運転モードより、1日短い運転期間となったが、マシンスタディとの調整により、ユーザータイムを確保した。
②第5サイクルの5月28日にBL24XUの挿入光源の真空リークのため、ユーザータイムの開始時間を延期し、マシン収納部内に入室して処置を行った。
3.ニュースバル関係
ニュースバルの第4~5サイクルは、順調に利用運転(焼き出し運転含む)及びマシンスタディ等を行った。
(1)運転期間(土日は基本的に運転停止)
第4サイクル(4/ 9(月)~4/27(金))
第5サイクル(5/11(金)~6/ 1(金))
◎今後の予定
(1)6月6日から6月29日まで第6サイクル(4週間連続運転モード)運転をセベラルバンチ運転、蓄積電流100mAで行う予定である。
(2)6月30日から8月19日までマシンの夏期長期運転停止期間とし、新規ビームラインの増設・各設備及び機器の点検作業等を行う予定である。
(3)夏期長期運転停止期間後の運転再開は8月20日からの予定で9月7日までマシン及びビームラインの調整期間としユーザーへの放射光の提供は行わない予定である。