Volume 06, No.1 Pages 25 - 26
2. SPring-8の現状/PRESENT STATUS OF SPring-8
SPring-8運転・利用状況
SPring-8 Operational News
◎平成12年10~11月の運転・利用実績
SPring-8は10月4日から第9サイクル、10月25日から第10サイクル、11月15日から第11サイクルの運転を、それぞれ3週間連続運転モードで実施した。
第9~11サイクルでは地震による停止、電磁石電源の異常による停止、冷却水流量低下による停止、データーベースの不調による停止等があり、総放射光利用運転時間(ユーザータイム)内での故障等による停止時間(down time)は約3.0%であった。
放射光利用実績については、実験された共同利用研究の課題は合計291件、利用研究者は1356名。専用施設利用研究の課題は合計88件、利用研究者は344名にのぼった。
1.装置運転関係
(1)運転期間
第9サイクル(10/4(水)~10/20(金))
第10サイクル(10/25(水)~11/10(金))
第11サイクル(11/15(水)~11/30(木))
(2)運転時間の内訳運転時間総計 約1139時間
①装置の調整、およびマシンスタディ 約228時間
②放射光利用運転時間 約884時間
③故障等によるdown time 約27時間
総放射光利用運転時間(ユーザータイム=②+③)に対するdown timeの割合 約3.0%
(3)運転スペック等①第9~10サイクル(マルチバンチ運転)
・160bunch train×11
・定時入射 1日1回(15時)
・蓄積電流 1~99mA
②第11サイクル(セベラルバンチ運転)
・1 bunch(1.5mA)+multi-bunch
・374 bunch
・15 bunch train×29
・定時入射 1日1回(15時)
・蓄積電流 1~99mA
(4)主なdown timeの原因①地震時の軌道の変動によるInter lock
②電磁石電源異常によるInter lock
③冷却水の流量低下によるInter lock
④周長補正プログラムのエラーによるInter lock
⑤データーベースの不調によるInter lock
(5)トピックス①第9サイクル(10月6日)での地震後の影響について、全系の加速器の点検、管理区域内の遮蔽の点検・確認を行ったところ、特に問題はなかった。
2.利用関係
(1)放射光利用実験期間
第9サイクル(10/5(木)~10/18(水))
第10サイクル(10/26(木)~11/8(水))
第11サイクル(11/16(木)~11/28(火))
(2)ビームライン利用状況稼働ビームライン
共用ビームライン 17本
R&Dビームライン 3本
理研ビームライン 3本
原研ビームライン 3本
専用ビームライン 5本
加速器診断ビームライン 1本
共同利用研究課題 291件
共同利用研究者数 1356名
専用施設利用研究課題 88件
専用施設利用研究者数 344名
(3)トピックス①第9サイクル(10月6日)での地震後の影響について、全ビームラインのハッチ扉等の点検を行ったところ、特に異常はなかったが、一部の光学機器に若干のずれがあった。
②第9サイクルから第6回共同利用(2000B)が開始された。
③第11サイクルにてBL45XUの挿入光源の真空リークのため応急処置を行ったが、利用が制限されている。冬期長期停止期間中に修理を行い第1サイクルから通常利用を再開予定。
④第11サイクルは12月1日のJASRIの創立記念日の関係で、通常の3週間連続運転モードより、1日短い運転期間となった。
3.ニュースバル関係
ニュースバルは第9~11サイクルについては、順調に利用運転(焼き出し運転含む)及びマシンスタディ等を行った。
(1)運転期間(土日は基本的に運転停止)第9サイクル(10/5(木)~10/18(水))
第10サイクル(10/26(木)~11/8(水))
第11サイクル(11/16(木)~11/28(火))
◎今後の予定
(1)第12サイクルは12月1日のJASRIの創立記念日の関係で、12月5日から12月22日まで通常の3週間連続運転モードより、1日長い期間をセベラルバンチ運転で実施する。
(2)第12サイクル以降は、12月23日から平成13年1月14日まで冬期の長期運転停止期間に入り、各設備及び機器の点検作業等を実施する。
(3)冬期長期運転停止期間後の運転再開(第1サイクル)は、平成13年1月15日から2月2日までの3週間連続運転モードの予定。その後は、2月7日から6月29日までサイクル間の運転停止期間・中間運転停止期間をはさみ、4週間連続運転モードの運転を5サイクル(第2~6サイクル)行う予定である。
運転条件については決定しだい、ユーザーに報告する。