Volume 05, No.5 Pages 334 - 335
2. SPring-8の現状/PRESENT STATUS OF SPring-8
SPring-8運転・利用状況
SPring-8 Operational News
◎平成12年6月の運転・利用実績
SPring-8は5月31日から第7サイクル(3週間連続運転モード)の運転を実施した。
第7サイクルでは挿入光源のrf-BPMによる停止等が数回あり、放射光利用運転時間(ユーザータイム)内での故障等による停止時間(down time)は5.0%であった。
放射光利用実績については、実験された共同利用研究の課題は合計100件、利用研究者は472名。専用施設利用研究の課題は合計30件、利用研究者は150名にのぼった。
1.装置運転関係
(1)運転期間
第7サイクル(5/31(水)~6/16(金))
(2)運転時間の内訳
運転時間総計 約387時間
①装置の調整及びマシンスタディ 約76時間
②放射光利用運転(ユーザータイム)時間 約295.5時間
③ユーザータイム内の故障等によるdown time 約15.5時間
総利用運転時間(②+③)に対するdown timeの割合 約5.0%
(3)運転スペック等
①第7サイクル(セベラルバンチ運転)
・11-bunch train×29
・1/12 fill+10 single bunch
・203 bunch
・蓄積電流 1~99mA
(4)主なdown timeの原因
①SR RF反射異常によるInter lock
②SR電磁石電源異常によるInter lock
③FE冷却水の停止によるInter lock
④挿入光源のrf-BPM によるInter lock
⑤BLメカロック解除のためのビーム廃棄
(5)トピックス
①6月14日から16日まで長期運転停止前の各加速器のパラメーターの取得とマシンスタディを行った。
2.利用関係
(1)放射光利用実験期間
第7サイクル(6/1(木)~6/14(水))
(2)ビームライン利用状況稼働ビームライン 共用ビームライン 17本
R&Dビームライン 1本
理研ビームライン 3本
原研ビームライン 3本
専用ビームライン 5本
共用利用研究課題 100件
共用利用研究者 472名
(3)トピックス①第9次申請の許可が出たことに伴い長尺ビームライン実験施設のX線照射室を管理区域に設定しBL29XUのコミッショニングを開始した。また、BL46XUでは、挿入光源のメカロックの解除を行いコミッショニングを開始した。
②第7サイクルにて第5回共同利用(2000A)が終了した。
3.ニュースバル関係
(1)運転期間
ニュースバルの第7サイクルは利用運転(焼き出し運転含む)及びBL調整・マシンスタディを順調に行った。
第7サイクル(6/1(木)~6/14(水))
(土日は基本的に運転停止)
◎平成12年6~7月の実績
SPring-8は6月17日から8月27日まで夏期長期運転停止期間として以下の作業・点検等を実施している。また、ニュースバルについても各作業・点検を実施している。
1.SPring-8の長期停止期間中の主な作業
(1)線型加速器関係
①アライメント確認作業
②電磁石電源・モジュレーター点検作業
③BPM設置作業
④制御系変更作業
⑤その他点検・整備作業
(2)シンクロトロン関係
①Sy、SSBT定期点検作業
②ビームモニタ設置作業
③RFローパワー系改造作業
④RFローパワー出力試験
⑤その他点検・整備作業
(3)蓄積リング関係
①ビームラインの増設
②挿入光源の新規据付・既設改修作業
③FEの新規据付・既設改造調整作業
④RFクライストロン電源点検作業
⑤長直線部電磁石・真空改造作業
⑥VMEメンテナンス作業
⑦その他点検・整備作業
(4)ユーティリティ関係
①FE専用冷却水循環装置作業
②その他定期点検・整備作業
(5)安全管理関係
①入退出管理システム定期点検
②放射線監視システム定期点検
③放射線モニタ定期点検
④その他点検・整備作業
2.ニュースバルの長期停止期間中の主な作業
(1)主な作業・点検
①ビームラインの増設
②NEG活性化
③挿入光源制御系改造作業
④RF保守点検作業
⑤電磁石電源保守点検作業
⑥その他点検・整備作業
◎今後の予定
(1)引き続き8月27日までマシンの夏期長期運転停止期間とし、30m長直線部改造設置やビームラインの増設・各設備及び機器の点検作等を行う予定である。
(2)夏期長期運転停止期間後の運転再開は8月28日からの予定で、9月8日までマシン調整期間、9月12日から9月29日までマシン及びビームラインの調整期間としユーザーへの放射光の提供は行わない予定である。
(3)10月4日から12月22日まで3週間連続運転モードで3サイクル(第9~11サイクル)と4週間連続運転モードで1サイクル(第12サイクル)の運転を行う予定である。
運転モードについては決定しだいユーザーに報告する。