Volume 05, No.3 Pages 186 - 188
2. SPring-8の現状/PRESENT STATUS OF SPring-8
SPring-8運転・利用状況
SPring-8 Operational News
◎平成12年2~3月の運転・利用実績
SPring-8は2月2日から第2サイクル、2月23日から第3サイクル、3月15日から第4サイクルの運転をそれぞれ3週間連続運転モードで実施した。
第2~4サイクルでは挿入光源のrf-BPMによる停止や冷却水流量低下による停止、RF系による停止等があったが順調な運転で、放射光利用運転時間(ユーザータイム)内での故障等による停止時間(down time)は約1.0%であった。
放射光利用実績については、実験された共同利用研究の課題は合計214件、利用研究者は1001名。専用施設利用研究の課題は合計86件、利用研究者は319名にのぼった。
1.装置運転関係
(1)運転期間
第2サイクル(2/2(水)~2/18(金))
第3サイクル(2/23(水)~3/10(金))
第4サイクル(3/15(水)~3/31(金))
(2)運転時間の内訳運転時間総計 約1154時間
①装置の調整、およびマシンスタディ 約217.5時間
②放射光利用運転(ユーザータイム)時間 約927.5時間
③ユーザータイム内の故障等によるdown time 約9時間
総利用運転時間(②+③)に対するdown timeの割合 約1.0%
(3)運転スペック等①第2サイクル(セベラルバンチ運転)
・5-bunch train×58
・2/29フィリング+26single bunches
・蓄積電流 1~99mA
②第3~4サイクル(マルチバンチ運転)
・24/29フィリング運転
・蓄積電流 1~99mA
(4)主なdown timeの原因①SR-RF電源異常・反射異常によるInter lock
②SR電磁石電源の調査のためビーム廃棄
③SRマシン冷却水の流量低下によるInter lock
④挿入光源のrf-BPM によるInter lock
⑤シンクロトロンSSBT 真空計の交換のためビーム廃棄
(5)トピックス①第3サイクルのビーム調整時間に夏期長期運転停止期間中に行う30m長直線部改造後(第8サイクル以降)からのオプティクスの確認を行った。
②第2~4サイクルにてSR-RF Aステーションの電源の改修を行った。第5サイクルより復帰の予定。
③第4サイクルにてシンクロトロンSSBT真空計の異常のため入射が出来なくなったため、ビーム廃棄して真空計の交換を行った。
2.利用関係
(1)放射光利用実験期間
第2サイクル(2/3(木)~2/16(水))
第3サイクル(2/24(木)~3/8(水))
第4サイクル(3/16(木)~3/29(水))
(2)ビームライン利用状況稼働ビームライン 共用ビームライン 15本
R&Dビームライン 1本
理研ビームライン 2本
原研ビームライン 3本
専用ビームライン 4本
共用利用研究課題 214件
共用利用研究者 1001名
(3)トピックス①第2サイクルにてBL10XUの挿入光源の真空リークのため応急処置を行ったが、ギャップの駆動ができず利用が制限され、第2サイクルでは2件の課題が中止となった。5月の中間点検期間に修理を行い、第6サイクルから通常利用を再開予定。
②第2サイクルにてBL08WのFEフィルタ部の故障で1件の課題が中止となった。第2サイクル終了後に修復工事を行い第3サイクルから利用が再開された。
③第2サイクルはセベラルバンチ運転であったが、ユーザータイムの初日の2月3日(木)に線型加速器の電磁石電源の不調で15時の定時入射が行えず、20時まで24/29フィリングでのユーザー運転を行った。
④第4サイクルよりBL29XUの閉鎖を行った。
(1Km長尺部との接続のため)
3.ニュースバル関係
ニュースバルは第2サイクルより利用運転を開始し、第4サイクルまで順調に利用運転(焼き出し運転含む)及びマシンスタディを行った。
(1)運転期間(土日は基本的に運転停止)第2サイクル(2/3(木)~2/16(水))
第3サイクル(2/24(木)~3/8(水))
第4サイクル(3/16(木)~3/29(水))
◎今後の予定
(1)平成12年4月5日から4月28日まで4週間連続運転モードで1サイクル(第5サイクル)の運転を行う予定である。その後、中間点検作業期間(4月29日~5月9日)を挟んで、5月10日から6月16日まで3週間連続運転モードで2サイクル(第6、7サイクル)の運転を行う予定である。
運転モードについては決定しだいユーザーに報告する。
(2)6月17日から8月27日までマシンの夏期長期運転停止期間とし、30m長直線部改造設置やビームラインの増設・各設備及び機器の点検作業等を実施する予定である。◎平成12年度のSPring-8運転計画
前号でお知らせした平成12年度(12年4月~13年3月)の運転計画の検討・調整を行い別図1のように計画を変更した。
但し、本計画は今後も検討によっては若干修正される可能性がある。
正式に運転計画が決定(変更)され次第、SPring-8ホームページや利用者情報誌でお知らせするとともに、利用者には直接通知する予定である。
(1)運転予定表
別図1に平成12年度(2000年度)の運転計画を示す。
(2)主な変更点①第8サイクルをマシン及びビームライン調整期間に変更しユーザーへの放射光の提供は行わない。この変更に伴い8月28日~9月29日までのマシン調整期間とマシン及びビームライン調整期間の日程の変更を行った。
②JASRI創立記念日に伴い第11~12サイクルの運転期間の日程の変更を行った。
(3)運転計画の内訳①サイクル数
平成12年度は合計12サイクル(平成12年;第5~第12、平成13年;第1~第4)の運転を予定している。
②1サイクル当たりの期間
1サイクル当たりの期間は、原則3週間連続運転モードで行う予定である。
③運転停止期間
サイクル間の運転停止以外の主な長期運転停止期間は、以下の通りである。
・中間点検4月29日~5月9日
・夏期停止6月17日~9月29日
(マシン及びビームライン調整期間も含む)
・冬期停止12月23日~平成13年1月16日
(マシン及びビームライン調整期間も含む)
(4)運転スペック等各サイクルの詳細な運転スペック(蓄積電流値やバンチ運転、フィリング等)については、利用者の要望等を踏まえ、各サイクル開始前に開催される「スケジュール調整会議」で、検討・調整をする。
会議で決定された運転スペックについては、すみやかにSPring-8ホームページなどでお知らせするとともに、利用者には直接通知する。
(5)注意事項長期停止期間については、今後の検討により変更される可能性がある。また、停止期間中に設置、増設されるビームラインや挿入装置についても変更される可能性がある。
平成12年度(2000年度)SPring-8運転計画予定表