Volume 04, No.4 Pages 5 - 6
2. SPring-8の現状/PRESENT STATUS OF SPring-8
SPring-8運転・利用状況
SPring-8 Operational News
◎平成11年4~5月の運転・利用実績
SPring-8は3月31日から第4サイクル(3週間連続運転モード)、4月21日から第5サイクル(2週間連続運転モード)、5月初旬の中間点検作業による運転停止期間を挟んで、5月12日から第6サイクル(3週間連続運転モード)の運転を実施した。
第4~第6サイクルではRFの反射異常や冷却水の流量の低下による停止、また地震の影響による停止等があったが、順調な運転であった。
放射光利用運転時間(ビームタイム)内での故障等による停止時間(down time)は約1%であった。放射光利用実績については、実験された共同研究課題は合計110件、利用研究者数は413名にのぼった。
1.装置運転関係
(1)運転期間
第4サイクル(3/31(水)~ 4/16(金))
第5サイクル(4/21(水)~ 4/30(金))
第6サイクル(5/12(水)~ 5/28(金))
(2)運転時間の内訳運転時間総計 約991時間
①装置の調整、およびマシンスタディ 約178時間
②放射光利用運転(ビームタイム)時間 約803時間
③ビームタイム内の故障等によるdown time 約10時間
総利用運転時間(②+③)に対するdown timeの割合 約1%
(3)運転スペック等①マルチバンチ運転
◎第6サイクル
・2/3フィリング運転
・蓄積電流 1~70mA
②セベラルバンチ運転
◎第4サイクル
・2 bunch×116
・14 bunch train×20+single bunch
・蓄積電流 1~70mA
◎第5サイクル
・14 bunch train×21
・蓄積電流 1~70mA
◎第6サイクル
・等間隔116 bunch
・蓄積電流 1~70mA
(4)主なdown timeの原因①蓄積リングRFの反射異常によるInter lock
②電磁石電源の故障によるInter lock
③BL39XUの冷却(冷凍機)系の作業に伴うビーム廃棄
④地震によるビーム軌道変動(rf-BPM)によるInter lock
2.利用関係
(1)放射光利用実験期間
第4サイクル(4/ 1(木)~ 4/14(水))
第5サイクル(4/22(木)~ 4/30(金))
第6サイクル(5/13(木)~ 5/26(水))
(2)ビームライン利用状況稼動ビームライン 共用ビームライン 10本
R&Dビームライン 1本
理研ビームライン 2本
原研ビームライン 3本
専用ビームライン 1本
利用研究課題 110件
利用研究者数 413名
(3)トピックス①第4、第5サイクルのビームタイムのビーム入射は15時の1回/1日の入射とした。第6サイクルについては、セベラルバンチ運転時は8時と20時の2回/1日の入射、マルチバンチ運転時は15時の1回/1日の入射とした。
②5月の中間点検期間中にBL47XUの挿入光源の真空部品の交換を行い、第6サイクルからギャップを操作しての利用が可能となった。
③第6サイクルでは運転スペックとユーザーの調整を行い、サイクル前半(5月13日(木)15時~17日(月)15時まで)をセベラルバンチ運転、後半(5月17日(月)15時~26日(水)15時まで)をマルチバンチ運転で行なった。第6サイクルの前半にて1999A共同利用期間のセベラルバンチでの実験は終了した。
3.ニュースバル関係
第4サイクルは昼間はコミッショニング、夜間は焼き出し運転を継続して行い、入射効率は80%、最大蓄積電流は12mAを確認した。
第5、第6サイクルでは第4サイクルと同様に、昼間はコミッショニング、ビームライン調整、夜間は焼き出し運転を継続して行い、第6サイクルの終了時での最大蓄積電流は14mAを確認した。また、ビームラインでの放射光を確認した。
◎今後の予定
(1)6月2日から7月2日まで第7サイクル(3週間連続運転モード)と第8サイクル(2週間連続運転モード)の運転をマルチバンチ運転、蓄積電流100mAで行う予定。
(2)7月3日から9月5日までマシンの夏期長期運転停止期間とし、ビームラインの増設や各設備及び機器の点検作業等を実施する予定。
(3)夏期長期運転停止期間後の運転再開は9月6日からの予定。但し9月24日まではマシン及びビームラインの調整期間とし、ユーザーへの放射光の提供は行わない。