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Volume 03, No.3 Page 55

8. 告知板/ANNOUNCEMENTS

安全管理室からのお知らせ
From SPring-8 Safty Management Office

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こんなことがありました…


 ハッチの中の退出制御盤には、① EXITボタン、② CANCELボタン、および③非常停止ボタンがあります。ハッチに放射光を導き入れようとするときは、EXITボタンを押し、ハッチを「正常閉」にするための「退出手続き」を始めます。このEXITボタンの操作には、これを押す人が実験ハッチ内に残留者のないことを確認したという意味があり、そのためボタンの下に「退出確認ボタン」という説明のラベルがついています。


 昨年、あるユーザーが、ハッチを暗室として利用する目的で、ハッチ内に1名を残したまま、EXITボタンの操作に始まる退出手続きでドアを閉鎖しました。そして、暗室操作を終えたユーザーが内側からドアを開けたとき、安全系のインターロックが働いて、加速器が全停止してしまいました。「正常閉」が成立していると、ビームシャッターを開けさえすればハッチ内に放射光を導けます。その状態でドアが開いたので、インターロックはビーム照射が可能な状態でハッチの遮蔽が不完全になったと判断し、最も強力な措置を発動したわけです。

 安全系のインターロックによる加速器の全停止は、人の安全に関わるかも知れない緊急の事態が生じたことを意味しますから、原因の調査が完全に終了し安全の確認がなされるまでは、加速器の運転を再開することはできません。SPring-8は、多数のビームラインで様々なユーザーが同時に放射光実験をする施設であり、加速器の全停止は、他のユーザーから貴重な利用時間を奪うことになります。実験の中には、長時間の中断が致命的なものもあるかも知れません。そうした事態を防止するため、安全管理室では、「正常閉」でない場合も含めて、ユーザーがハッチ内に人を残留させたままドアを閉じることを、一切禁止する措置をとりました。また、ハッチ内で作業をする場合、必ず「シャッター操作キー」を携行し、そのキーを持つ人がハッチ内の退出完了を確認した後、EXITボタンを押し「正常退出」の手続きを開始するという手順を定めました。ユーザー各位は、この手順を厳守するようお願いいたします。



Print ISSN 1341-9668
[ - Vol.15 No.4(2010)]
Online ISSN 2187-4794