Volume 28, No.2 Pages 193 - 194
3. SPring-8/SACLA通信/SPring-8/SACLA COMMUNICATIONS
SPring-8運転・利用状況
SPring-8 Operational Status
◎2023年1~2月の運転実績
SPring-8は1月13日から2月17日までセベラルバンチ運転で第5サイクルの運転を実施した。
第5サイクルでは、火災報知器鳴動(積雪の影響による誤作動)により、非常停止ボタン押下による加速器緊急停止等があったが、全体としては順調な運転であった。総放射光利用運転時間(ユーザータイム)内での故障等による停止時間(down time)は、第5サイクルは約0.6%であった。
1. 装置運転関係
(1)運転期間 | |
第5サイクル(1/13(金)~2/17(金)) | |
(2)運転時間の内訳 | |
第5サイクル | |
運転時間総計 | 約841時間 |
①装置の調整及びマシンスタディ等 | 約121時間 |
②放射光利用運転時間 | 約715時間 |
③故障等によるdown time | 約4時間 |
④フィリング変更時間 | 約1時間 |
総放射光利用運転時間(ユーザータイム = ② + ③ + ④)に対するdown timeの割合(*1) |
約0.6% |
(3)運転スペック等 | |
第5サイクル(セベラルバンチ運転) | |
・406 × 11/29-bunches + 1 bunch(H) | |
・203 bunches(A) | |
・203 bunches(A) | |
・406 × 11/29-bunches + 1 bunch(H) | |
・203 bunches(A) | |
・入射は電流値優先モード(2~3分毎(マルチバンチ時)もしくは20~40秒毎(セベラルバンチ時))のSACLA入射、Top-Upモードで実施。 |
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・蓄積電流 8 GeV、~100 mA | |
(4)主なdown timeの原因 | |
・火災報知器鳴動(誤報)による加速器停止 |
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・バンプ電磁石4の誤爆によるアボート |
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・SR RF Bst.KlyドライバーアンプOFFによるRF Down(ビーム軌道変動によるアボート) |
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2. 利用関係(JASRI利用推進部 集計)
(1)放射光利用実験期間 | |
第5サイクル(1/16(月)~2/16(木)) | |
(2)ビームライン利用状況 | |
稼働ビームライン | |
共用ビームライン | 26本 |
専用ビームライン | 15本 |
理研ビームライン | 13本 |
第5サイクル(暫定値) | |
共同利用研究実験数 | 442件 |
共同利用研究者数 | 1,627名 |
専用施設利用研究実験数 | 242件 |
専用施設利用研究者数 | 874名 |
◎2023年2~3月の運転実績(停止期間)
SPring-8は2月18日から4月4日まで年度末点検調整期間とし、加速器やビームラインに係わる機器の改造・点検作業、電気・冷却設備等の機器の点検作業を行った。
(年度末点検調整期間中の主な作業(計画及び実績))
(1)蓄積リング関係
・電磁石運転前連続通電作業(3/30~)
・電磁石、電磁石電源等定期点検
・ヘッダーホース交換絶縁改良(Q2、Q9)
・入射用バンプ電源1~3 SHコンデンサ交換
・真空系作業及び点検、交換作業
・クロッチアブソーバ交換(C14、16、17)
・真空制御系ケーブル補修工事
・RFコンディショニング運転(運転開始前)
・クライストロン出力窓冷却水配管付け替え
・クライストロン電源冷却水(熱交換器)改修
・ドライバーアンプファン交換
・トリガーモジュール改修
・RF基準周波数カウンタ更新
・テストスタンド用冷却塔増強
・テストスタンド直流高圧盤 碍子交換
・モニター系定期点検及び保守作業
・MTCA.4トリガーモジュール改修
・光ケーブル敷設(保守通路-中央制御室間)
・DCCT1-DCCT2配線入替(校正作業)
・バンチ純度モニターGUI改修
・制御計算機、データベース関連作業
・無線LAN基地局増設
・入退カードリーダー取替(組立搬入室)
・MTCA.4ファームウェア更新
・BH4電磁石監視削除に伴う安全ILK改修
・ID関連作業/スパイラル管交換(ID12、44)
・ID搬出入及び移動作業
・FE関連作業(定期検査、保守作業)
・FE運転前検査(全周)及び駆動系検査
・XBPM暗電流対策(BL39XU、46XU)
・BM-BL/ABSシリンダー交換
・BLインターロック改修(BL08W、40XU、46XU)
・BLインターロック検査(後期)
・BL再編工事関係(BL08W、15XU、39XU、40XU、46XU)
・光学系・輸送チャンネル関係作業
・CEタンク設置(蓄積リング棟内周)
・液体窒素断熱配管設置(保守通路)
・その他作業及び定期点検等
(2)ユーティリティ関係
・電気設備保守点検及び整備作業
・冷却水設備保守定期点検及び整備作業
・空調用設備保守点検及び整備作業
・天井クレーン月次点検作業
(3)安全管理関係
・運転停止後の残留サーベイ(2/17)
・特例区域設置(2/18~3/31)
・SPring-8/XSBT_ILK自主検査(後期)
・放射線モニタ更新工事
(4)その他
・空調機等間引き運転(長期停止期間節電対策)
・装置冷却水の停止(長期停止期間節電対策)
・施設建屋、外構関連小工事等
・施設建屋及び外周道路LED化工事
・長尺ビームライン実験施設非常用発電機更新
・Sy棟マシン系200V動力盤修繕工事
・パッケージエアコン更新(基盤機器、上坪記念講堂)
・空冷ヒートポンプエアコン更新工事(II期)
・中央設備監視システム等の更新
◎2023年4~5月の運転予定
(1)SPring-8は4月5日から4月28日までセベラルバンチ運転で第1サイクルの運転を予定している。
(2)4月29日から5月9日まで春の点検調整期間とし、加速器やビームラインに係わる機器の改造・点検作業、電気・冷却設備等の機器の点検作業等を予定している。
(3)春の停止期間後の運転再開は5月10日からの予定で7月7日まで第2サイクルの運転を予定している。第1~2サイクルの運転実績については次号にて掲載する。
◎2023年度SPring-8運転計画
SPring-8では2023年度の運転計画を以下のように計画している。
(1)運転計画予定表
SPring-8のWWWにて公開している。
(2)運転計画の内訳
①運転時間(統計/加速器の運転時間)
約5,184時間の運転を予定している。
②運転時間(総放射光利用運転時間)
約4,464時間の運転を予定している。
③サイクル数
合計5サイクルの運転を予定している。
(3)その他
運転計画は、電力事情等により変更する場合がある。
(*1)down timeの割合に④フィリング変更時間は含まない。