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Volume 27, No.1 Page 75

5. 談話室・ユーザー便り/USER LOUNGE・LETTERS FROM USERS

SPring-8ユーザー協同体(SPRUC)四季報
SPRUC Communications

木村 昭夫 KIMURA Akio

SPring-8ユーザー協同体(SPRUC)会長/広島大学 大学院先進理工系科学研究科 Graduate School of Advanced Science and Engineering, Hiroshima University

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SPring-8

 

1. はじめに
 先日のSPring-8シンポジウムでは、その将来像を設定した上で、バックキャストするという観点で議論が繰り広げられました。その中で、やはり若手人材育成の重要性が議論の中に随所に現れておりました。一方で、放射光科学の分野にいかにして優秀な若手を引き込むかということを考えることも必要と思います。話は変わりますが、私は現在大学の物理学科におりますが、毎年新入生を迎え自己紹介をしていただくと、おおよそ8割の学生が宇宙や素粒子の分野に憧れて入学したことが分かります。そこに超伝導ましてや放射光という言葉は出てきません。しかし、3年生の終わり頃に研究室配属に向け希望調査をしますと、物性系と素粒子・宇宙系を希望する学生はうまく均等に分かれます。この20年を振り返りますと、3年生の必修になっている実験授業をきっかけに物性物理学分野の面白さを知る学生が相当数いるようです。その実験授業はX線回折、分光、電気抵抗・ホール効果、放射線検出というように物性実験の割合が多くなっています。実験授業では、比較的専門性の高い内容を扱っているため、長い時間をかけて1つのテーマに取り組みますが、その過程で、学生は教員やティーチングアシスタントの大学院生と交流しながら実験・解析を進めます。学生は、実験の内容だけでなく、研究生活について聞いたりする良い機会でもあるようです。このように、学生と教員・大学院生が交流する中で物性物理学への興味を抱き、研究室を選ぶ学生が多くいるようです。昨年12月に「SPring-8秋の学校」が開催されました。一昨年と同様にコロナウイルス感染症拡大防止のため3ヶ月遅れの開催になりましたが、59名の参加がありました。講義の様子を現地で拝見しましたところ、参加者の熱意の高さを肌で感じることができました。また、アンケートによりますと、講習で講師の先生方と交流を持てたことが良かったという回答が多くありました。秋の学校は、SPring-8停止期間中に行われるため、放射光を使って実験することはできませんが、逆に放射線従事者登録をしていない学部3年生でも参加できるという大きなメリットがあります。その意味では、これから研究室を決めるという学生も参加できるのです。これは我々にとっても放射光科学の魅力を伝える絶好の機会と言えるでしょう。これからも継続して進めていきたいと強く思います。秋の学校の詳細は、本誌に松村大樹行事幹事による報告がありますのでぜひご一読いただければと思います。

 

 

2. 第4回BLsアップグレード検討WSのご案内
 さて、今年度も第4回BLsアップグレード検討ワークショップを開催いたします。前回のワークショップでは「回折・散乱」について基盤的な分析装置群の高性能化や産学連携のさらなる促進を目指した再編計画の紹介があり、それに基づいてユーザーと施設との意見交換がありました。その前後に研究会からもいくつか要望を出し、すでに現在再編が始まっております。このように、ユーザーの意見を明確にし、反映させる絶好の機会ですので、今回もたくさんの会員に参加いただきたく思います。

 

 

3. おわりに
 時が経つのは早いもので、私の会長としての任期がこの3月で終わります。次期会長は3月14日の総会で皆様にお知らせいたします。引き続きSPRUCへのご協力をどうぞよろしくお願いいたします。2年間ご協力いただいた会員の皆様、そして幹事の皆様には大変お世話になりありがとうございました。

 

 

 

木村 昭夫 KIMURA Akio
広島大学 大学院先進理工系科学研究科
〒739-8526 広島県東広島市鏡山1-3-1
TEL : 082-424-7400
e-mail : akiok@hiroshima-u.ac.jp

 

 

Print ISSN 1341-9668
[ - Vol.15 No.4(2010)]
Online ISSN 2187-4794