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Volume 26, No.4 Pages 415 - 417

3. SPring-8/SACLA通信/SPring-8/SACLA COMMUNICATIONS

SPring-8運転・利用状況
SPring-8 Operational Status

(国)理化学研究所 放射光科学研究センター RIKEN SPring-8 Center

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SPring-8

 

◎2021年5~7月の運転実績
 SPring-8は5月9日から7月9日までセベラルバンチ運転で第2サイクルの運転を行い、7月12日から7月29日までセベラルバンチ運転で第3サイクルの運転を実施した。第2~3サイクルでは四極電磁石補助電源トラッキングエラーによるビームアボート等があったが、全体としては順調な運転であった。総放射光利用運転時間(ユーザータイム)内での故障等による停止時間(down time)は、第2サイクルは約0.2%、第3サイクルは約0.3%であった。

 

 

1. 装置運転関係

(1)運転期間
第2サイクル(5/9(日)~7/9(金))
第3サイクル(7/12(月)~7/29(木))
 
(2)運転時間の内訳
第2サイクル
運転時間総計 約1,465時間
①装置の調整およびマシンスタディ等 約121時間
②放射光利用運転時間 約1,340時間
③故障等によるdown time 約3時間
④フィリング変更時間 約1時間
総放射光利用運転時間(ユーザータイム = ② + ③ + ④)に対するdown timeの割合(*1)
約0.2%
 
第3サイクル
運転時間総計 約481時間
①装置の調整およびマシンスタディ等 約169時間
②放射光利用運転時間 約311時間
③故障等によるdown time 約1時間
④フィリング変更時間 0分
総放射光利用運転時間(ユーザータイム = ② + ③ + ④)に対するdown timeの割合(*1)
約0.3%
 
(3)運転スペック等
第2サイクル(セベラルバンチ運転)
・11 bunch train × 29(C)
・1/7 filling + 5 bunches(D)
・11 bunch train × 29(C)
・203 bunches(A)
・406 × 11/29-bunches + 1 bunch(H)
・11 bunch train × 29(C)
・1/7 filling + 5 bunches(D)
・203 bunches(A)
 
第3サイクル(セベラルバンチ運転)
・203 bunches(A)
 
・入射は電流値優先モード(2~3分毎(マルチバンチ時)もしくは20~40秒毎(セベラルバンチ時))のSACLA入射、Top-Upモードで実施。
・蓄積電流 8 GeV、~100 mA
 
(4)主なdown timeの原因
・四極電磁石補助電源トラッキングエラーによる電源OFF(ビーム軌道変動によるアボート)
・瞬時電圧低下(落雷)によるアボート
 

 

2. 利用関係(JASRI利用推進部 集計)

(1)放射光利用実験期間
第2サイクル(5/10(月)~7/9(金))
第3サイクル(7/15(木)~7/28(水))
 
(2)ビームライン利用状況
稼働ビームライン
共用ビームライン 26本
専用ビームライン 17本
理研ビームライン 13本
 
第2サイクル(暫定値)
共同利用研究実験数 630件
共同利用研究者数 2,587名
専用施設利用研究実験数 357件
専用施設利用研究者数 1,126名
 
第3サイクル(暫定値)
共同利用研究実験数 166件
共同利用研究者数 726名
専用施設利用研究実験数 99件
専用施設利用研究者数 360名

 

 

◎2021年7~9月の運転実績(停止期間)

 SPring-8は7月30日から9月23日まで夏期点検調整期間とし、加速器やビームラインに係わる機器の改造・点検作業、電気・冷却設備等の機器の点検作業を行った。
 7月31日は施設内全域の計画停電を行い、電気設備の点検整備を行った。

 

(夏期点検調整期間中の主な作業(実績))
(1)入射器関係(XSBT等)
 ・XSBT四極電磁石電源外部DCCT入替作業
 ・XSBT永久磁石型偏向磁石交換作業
 ・XSBT偏向電磁石の遠隔通電化
 ・XSBTステアリング電磁石磁気シールドコーティング作業
 ・XSBTスクリーンモニタ動作確認検査
 ・XSBT_BPM関係回路交換
 ・その他作業及び定期点検等
(2)蓄積リング関係
 ・RFエージング
 ・運転前連続通電作業
 ・電磁石、電磁石電源等定期点検
 ・DCセプタム電磁石ホース交換及び点検、調査
 ・SR六極電源制御更新試験
 ・真空系作業及び点検(保守、メンテナンス等)
 ・SR_CRAB交換作業(セル10、11、13、15)
 ・セル48真空関連機器移設作業
 ・機器保護インターロック自主検査
 ・クライストロン電源定期点検(C、D-st)、高電圧試験
 ・クライストロン定期点検等
 ・低電力RF系保守作業
 ・モニター系定期点検、動作確認試験
 ・ID rf-BPMインターロック機器定期検査
 ・Beam based BPM Calibration用六極電磁石ケーブル配線(セル30)
 ・データベース関連作業
 ・MTCA.4ファームウェア更新
 ・加速器安全インターロックメンテナンス
 ・入退管理システムメンテナンス
 ・BLインターロック自主検査
 ・BLインターロックハードウェアメンテナンス
 ・BLインターロックシステム高度化
 ・ID関連作業/ID25関連作業
 ・FE作業及び冷却系/圧空系保守作業
 ・FE定期検査(運転前・MBS検査、駆動系検査)
 ・共用実験/制御ネットワーク関連作業
 ・BL関連作業(実験分電盤増設、ハッチ作業等)
 ・光学系・輸送チャンネル関係作業
 ・DCM・LN2循環装置定期メンテナンス等
 ・その他作業及び定期点検等
(3)ユーティリティ関係
 ・電気設備保守点検及び整備作業
 ・冷却水設備保守定期点検及び整備作業
 ・空調用設備保守点検及び整備作業
 ・天井クレーン月次・年次点検作業
 ・消防設備等点検(防排煙、放送設備等)
(4)安全管理関係
 ・運転停止後の残留サーベイ
 ・安全インターロック自主検査(定期検査)
 ・特例区域設置
 ・放射線監視設備定期点検
 ・放射線モニタ更新工事
(5)その他
 ・線型加速器(Li)エリア切り離しに伴う安全インターロック改修
 ・給水施設棟上水配管改修(上水断水作業)
 ・瞬低保護装置設置作業
 ・空調機等間引き運転(長期停止期間節電対策)
 ・施設建屋関連小工事等

 

 

◎2021年9~12月の運転予定

 SPring-8は9月24日から12月14日までセベラルバンチ運転で第4サイクルの運転を予定している。
 第4サイクルの運転実績については次号にて掲載する

 

 

◎今後の予定

 12月15日から1月13日まで冬期点検調整期間とし、加速器やビームラインに係わる機器の改造・点検作業、電気・冷却設備等の機器の点検作業を行う予定である。
 第5サイクルの運転開始は1月14日からを予定している。

 

 

(*1)down timeの割合に④フィリング変更時間は含まない。

 

 

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[ - Vol.15 No.4(2010)]
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