Volume 24, No.4 Pages 475 - 479
5. 談話室・ユーザー便り/USER LOUNGE・LETTERS FROM USERS
海外放射光施設PETRA IIIを訪問して
Visiting Report on PETRA III
(公財)高輝度光科学研究センター 放射光利用研究基盤センター 分光・イメージング推進室 Spectroscopy and Imaging Division, Center for Synchrotron Radiation Research, JASRI
1. はじめに
海外研修として8月20日から9月25日までの約1ヵ月間、ドイツの放射光施設PETRA IIIに滞在した。PETRA IIIには、2018年から一般共用が開始された硬X線光電子分光法(HAXPES: Hard x-ray photoelectron spectroscopy)の専用ビームライン(P22)がある。今回はそのビームラインの主担当であるChristoph Schlueter博士に受け入れ先になってもらい、P22のビームラインのスタッフとともにHAXPES実験についてビームラインの光学調整などを含めて見学・参加させてもらった。このビームラインP22には、HAXPES、硬X線光電子顕微鏡(HAXPEEM: Hard x-ray photoemission electron microscopy)、硬X線k空間顕微鏡(k-microscope)、大気圧HAXPES(AP-HAXPES: ambient pressure HAXPES)の4つの装置が整備されており、今回の1ヵ月の滞在でAP-HAXPESを除く3つの装置を使った実験を経験することができた。ここではその滞在中に得られた情報について報告したいと思う。
2. PETRA III
PETRA IIIはドイツの北部ハンブルグ市内にある。市の中心地であるハンブルグ中央駅から西に直線距離で10 km弱、電車とバスで30分程度の郊外にドイツ電子シンクロトロン(Deutsches Elektronen Synchrotron: DESY)があり、その中に放射光施設PETRA IIIがある。
DESYは高エネルギー加速器・高エネルギー物理学の研究所であり、元々PETRAは素粒子の実験用に周長2.3 kmの電子・陽電子の円形加速器として1978年に作られた。その後、高エネルギー物理実験の施設の大型化に伴い、1987年にDESYの敷地をはみ出し、近隣の公園や住宅地の下を通った周長6.3 kmの電子・陽子の円形加速器HERAが作られると、PETRAはそのための前段加速器として使用された(PETRA II)。そのHERAも2007年にシャットダウンし、その後のDESYの素粒子実験はスイスにある欧州原子核研究機構(CERN: European Organization for Nuclear Research)で行われるようになった。その一方でPETRAは、第三世代放射光施設PETRA IIIとして再利用され、世界でも有数の高輝度光源として2010年から運用されている。
PETRA IIIの周長は2.3 kmと、SPring-8(周長1.4 km)よりも大きい。しかし、ほとんどが地下もしくは半地下にあるため、放射光施設の象徴的な丸いリング状の建屋はなく、当初はリングの1/8程度の範囲に14本のビームライン(P01~P14)が建設された。その後放射光利用の需要が増えたことを受けて、2014年から、蓄積リングの北側(Paul P. Ewald hall)と東側(Ada Yonath hall)に新たな実験ホールの建設が始まった。2019年9月時点で北ホールに2本(P63、P64)、東ホールで4本(P21~P24)が稼働しており、合計で20本のビームラインがPETRA IIIにはある。
図1 PETRA IIIの東ホール(Ada Yonath hall)。この建物の中にHAXPESビームラインであるP22とスタッフの居室がある。滞在中はこの棟の短期滞在者用の居室に机を用意してもらい、そこで過ごした。
3. HAXPESビームライン(P22)
当初のPETRAにおけるHAXPES実験は、P09において他の実験手法と相乗りで行われており、全マシンタイムの1/3程度がシェアされている程度だった。しかし、近年のHAXPES実験の需要の高まりに応える形で、東ホールの建設とともにHAXPESビームラインが計画された。P22はWolfgang Drube博士が設計したHAXPES実験専用のビームラインであり、2018年秋から共用が開始されている。Drube博士は2018年に第一線から退かれ、後任として今回の滞在を受け入れていただいたSchlueter博士が主担当となりビームラインの管理を行っている。ビームラインについては、PETRA IIIのWebサイトにあるTechnical Design Reportに詳しく記載されているので参照してほしい[1][1] http://photon-science.desy.de/facilities/petra_iii/beamlines/p22_haxpes/beamline_posters_etc/index_eng.html。
P22ビームラインのエネルギー範囲は、データシートには2.4~30 keVと記されているが、実際のHAXPESの実験としては3~10 keVの範囲が使われる。二結晶分光器(double crystal monochromator: DCM)はSi(111)とSi(311)があり、入れ替えができるようになっている。HAXPES測定においてビーム強度が必要な時はSi(311)を使い、高分解能が必要な時はSi(333)などの高次反射を使う。ただし、アナライザーの分解能などを考慮するとエネルギー分解能よりもビーム強度が優先されることが多く、実験では主にSi(311)による6 keVの光を使い、高分解能を必要とする時にSi(333)に変更する運用がなされている。
図2 P22の後方からの写真。ビームラインは地下にあり、写真は居室があるフロアの廊下から撮影した。写真奥中央にあるのがP22の実験ハッチである。
滞在中にAu試料のHAXPES測定により、DCMの各反射を使った場合に得られるエネルギー分解能を見積った。その結果、Si(311)の場合には100 meV弱の分解能が得られ、一方、Si(333)の場合にはアナライザーのパスエネルギーを絞ることによって50 meVまで分解能が上がることが分かった。ただしSi(333)ではビーム強度が弱い上に、パスエネルギーも小さいため信号強度は弱く、長いため込み時間を必要とした。
集光については、垂直方向集光ミラーは円筒形ミラー(M1)でビームの角度補正のための平面ミラー(M2)とともに光学ハッチに入っている。一方、水平方向集光ミラーは長さが1 mある曲率変更可能な平面−楕円形ミラー(M3)であり実験ハッチ内の上流に設置されている。このミラーの入射角と曲率を変えることによって実験ハッチ内の各装置に合わせて焦点位置を変更している。スポットサイズの計算値は実験ハッチの上流にあるHAXPESの位置で8 µm(縦) × 8 µm(横)、下流のHAXPEEMの位置で8 µm(縦) × 20 µm(横)程度となっている。しかし、実際のHAXPES実験では余裕を持たせ20 µm前後のスポットサイズで行っていた。スペックの上限を求めない分、光学調整の時間が短縮できる利点もあった。
図3 3つ装置が並ぶ実験ハッチ。手前にHAXPES装置、中央にk-microscope、奥に隠れているのがHAXPEEMである。滞在期間中はAP-HAXPESはハッチ外に置かれていた。
P22について発表されている論文には、Si(111)とSi(022)を用いた二段チャンネルカット結晶分光器とダイアモンド位相子についても記述されている[2][2] C. Schlueter et al.: Synchrotron Radiation News 31 (2018) 29-35.。これらが1つの真空チャンバーに入っておりDCMの後ろに設置できるようになっている。しかしながら、これらは調整が複雑で難しいため、現状では使っておらず、このチェンバーはハッチ外に出されており、将来的には導入して安定稼働させる予定であるとのことであった。
光学調整において非常に役に立っていたのが、モノクロメーターや各ミラーの間に設置されたビームモニタである[3][3] M. Degenhardt et al.: Journal of Physics: Conference Series 425 (2013) 192022.。これはCVD成長させた100 µmダイアモンド板をスクリーンとして、ビームによる発光の位置、サイズ、強度をCCDカメラで読み取る。各光学素子の前後でのビームの状態が分かる上に、スクリーンをX線が透過するので最終的な測定試料上の照射位置も弱いながらも確認できる。このビームモニタをSPring-8のHAXPESのビームラインでも導入できると便利だろうと感じた。
ビームラインの制御はコントロールハッチ内のPCから行う。ビームラインの装置の制御にはTANGOライブラリを使っており、GUIとしてはQtを用いてpythonでプログラムされた自作のソフトウェアを使っていた。ミラーやモノクロメーターなどの光学系とチェンバーの架台やマニピュレーターが同じようなGUIで操作できるので、ユーザーにとって非常に使いやすい仕様になっていた。
またHAXPESのアナライザーはSPECS製であり、コントロール用のソフトウェアとして同社が提供しているProdigyを用いていた。これを使うとアナライザーをTCP/IPによるリモート制御が可能になる。アナライザーの制御をビームライン制御用のソフトウェアに組み込み、HAXPESに関しては光学系やマニピュレーターと連動させて測定が行えるようになっていた。基本的には1つの端末からpythonを用いてHAXPES装置を含めて、全ての機器が制御できるため、測定の操作の手順のスクリプトなどを作成すれば自動化が容易にできる環境になっていた。
4. 実験装置
P22には現在HAXPESの装置として4つがあるが、私の滞在期間中にはk-microscope、HAXPES、HAXPEEMの3つの装置の実験に参加させていただいた。またAP-HAXPESのマシンタイムは11月末から12月中旬までの予定だったので今回は実験を直接見ることはできなかったが、担当のグループが装置の改良などで来所され作業を行っていたので、いろいろ話を伺うことができた。ここでは実験の内容や結果について詳しいことは記述できないが、この4つの装置について、それぞれ実験に参加させてもらった上で経験したことを報告したいと思う。
HAXPESのアナライザーは実験ハッチの最上流に設置されている。アナライザーはSPECS社製の225HVであり検出器にはdelay line detector(DLD)を使っている。分光可能な光電子のエネルギー範囲は10.5 keVまでであり、また前段に広角取込のプリレンズが付属していて±30°の取込角を持つ。マニピュレーターはxyzθに加えてazimuth回転が可能な5軸のものであり、液体ヘリウムのフローで30 K程度までの試料冷却した測定が可能である。
試料は6つのホルダをストックできるロードロックを経由して、測定槽に導入するようになっている。ホルダ自体も大きめのブロック状であり、小さな試料ならば複数個を一度に取り付けられる。マニピュレーターにはazimuth回転機構が付いているため1つの試料しか設置できないが、複数個の試料を同じホルダに取り付けることで、トランスファーの手間を減らすことが可能である。実際、滞在中の実験では、ホルダに6つの試料をのせて、それぞれの試料位置を記憶させた上でスペクトル測定と測定位置の移動をスクリプト化し、複数試料の連続測定を行っていた。始めにパラメーターをセットしておけば測定終了まで自動で測定するので、ユーザーとしては負担の少ない実験になっていた。
k-microscopeは電子の運動量空間における分布の二次元マッピングが得られる装置であり、軟X線領域であるがUVSORに導入が予定されているなど、光電子分光の分野で注目されている装置である。P22の装置はマインツ大学のSchönhense教授とElmers教授が中心となって開発を進めている。今回は両者のマシンタイムが8月下旬にあった。マシンタイムはそれぞれで割り振られていたが、中一日のシャットダウンを挟んで10日間ほぼ連続して実験を行っていた。k-microscopeは10月にも9日間のマシンタイムが割り振られており、現在このビームラインが力を入れている実験の一つである。
k-microscope装置はtime of flight(TOF)型のアナライザーでHAXPES装置の下流にあり、試料とアナライザーを正対させる必要があるため、アナライザーがビームラインに対して22°傾いて設置されている。k-microscopeの検出器として使っているDLDのカウントレートが5 MHzであり、時間に直すと200 nsになる。一方、PETRAでは40 bunchの運転モードがあり、これのバンチ間隔が192 nsであるのでちょうど良く合うため、この運転モードに合わせてマシンタイムが割り振られている。また、最近、この装置を用いた論文がCommunication Physicsに発表された。より詳しい情報はこちらを参照して欲しい[4][4] S. Babenkov et al.: Communications Physics 2 (2019) 107.。
PETRA IIIを訪れるまではk-microscope装置はまだ開発段階であってセットアップなどの作業に時間がかかるのかと思っていたが、装置が前期の実験からそのまま置いてあったこともあり、今回のマシンタイムの時には大がかりな調整を必要とせずにデータが取れていたことには驚いた。しかしながら、傍から見るとデータは取れているようでも、実験の調子はどうかと聞くと、「うまくいってない」という返事が頻繁に返ってきた。運動量空間の像が得られるだけで満足するような装置の開発段階は終わり、次は物理的に面白い試料をどのようにとるかというところまできているようである。
また、今回滞在中のマシンタイムでは行わなかったが、Elmers教授は10月中旬のマシンタイムでスピン検出器を用いたスピン分解測定を予定しているとのことである。その準備のためk-microscopeのマシンタイム後もシャットダウンの時間を使って、ベークや装置のセットアップなどの作業を行っていた。
HAXPEEMは1 µm以下の空間分解能でXPSスペクトルが得られる装置である。また硬X線を使うことから検出深度も深く、バルク内部の状態の情報を得ることができる[5][5] M. Långberg et al.: Journal of The Electrochemical Society 166 (2019) C3336-C3340.。この装置はP09ビームラインで実験を行っていた頃からユーリヒ総合研究機構のSchneider博士が主導して開発しており、今回のマシンタイムでもそのグループのWiemann博士が来所されて実験を行っていた。
HAXPEEM装置はFocus社のNanoESCAであり、二段の静電半球型アナライザーを備えている。実験ハッチの最下流にあり、ビームに対して斜め上方向に65°傾いて設置されている。ビームパスはk-microscope装置の後方から真空パスをつなぎ、上流からHAXPES、k-microscopeの測定槽内を通ってHAXPEEMまで届いている。今回の実験ではHAXPESからHAXPEEMへの切り替え作業があったが、マシンタイムの初日の朝から始めて、午前中には光学調整が終了し、午後からはHAXPEEMの測定に入ることができた。これは装置が常設されていることで各光学素子や装置のパラメーターが大きく変化しないためにあたりがつけやすいのと、前述した各光学素子の間に設置されているビームモニタが有効に機能している点が挙げられると思う。またPEEMであるため集光サイズについてそれほど気にかけなくてもよいことも効いているだろう。
HAXPEEMのマシンタイムは9月下旬に6日間あり、今回はシリコン基板の上に金のパターンが施されている標準試料に、入射エネルギーを変えて分解能や強度などの変化についての測定を行っていた。金のパターンは最小で1 µmの格子になっており、エネルギー分解したPEEM画像の測定でそれをギリギリ分解できる程度だった。分解能を引き上げるため、また現状では検出エネルギーによって視野が変わったり中心が動いたりするため、それらを修正するためのレンズパラメーター調整用の基礎データをとっているとのことであった。入射エネルギーを3.5 keVから8.5 keVまで1日毎に1 keV単位で変化させて6日間のマシンタイムを終えた。HAXPEEMは測定時間がかかり、特に信号が弱い内殻からの電子を使った場合、明瞭な像を得ようとすると長時間のため込みが必要である。今回の実験は基礎データの取得であったが、それでも潤沢なマシンタイムを配分されていた。これも専用のビームラインならではスケジュールだと思われる。
AP-HAXPESはストックホルム大学のNilsson教授を中心に開発が進められている。滞在期間中にAP-HAXPESのマシンタイムは割り振られていなかったが、ちょうど同グループのAmann博士と学生がAP-HAXPESの装置の改良を行うためにPETRAに来所されたため話を伺う機会ができた。
AP-HAXPESは小径の光電子取り込み口と差動排気部を備えた光電子分光装置である。ベースはScienta-Omicron社のR4000-Hipp2であるが、電子の取り込み口があるフロントコーンに一列に並べた直径10 µm程度のアパーチャーを設置し、その脇からガスを直接吹き付けられるようにしたことにより大気圧以上の環境下での光電子分光測定を可能にした。
アパーチャーの列は入射光と同一の方向に並んでおり、斜入射になった時の試料表面のフットプリントをカバーするように並んでいる。また直径と穴の長さの関係も、アナライザーの電子の取り込み角範囲に収まるようになっており、全体がうまく設計されていると感じた。試料温度も液体窒素での冷却とヒーターでの加熱により–150~950°Cまでの変更が可能であるとしている。実際にCOガス環境下で、表面温度を変更しながらコバルト表面の測定をしており、温度に依存した反応の変化が検出されているデータを見せていただいた。実際にマシンタイムには立ち会えなかったのは残念であるが、Amann博士に直接いろいろと伺えたのは幸運だった。
5. おわりに
今回、PETRA IIIのHAXPES専用のビームラインP22を訪れて実際に実験などに参加させてもらったが、SPring-8におけるHAXPES実験の進め方について参考になる点がたくさんあった。
まずビームラインにおける状況をモニタするものが多く設置されており、それらが光軸や装置の調整に非常に役に立ち、その労力を抑えられることを再認識した。特に各光学素子の間に設置されているビームモニタはユーザーの切り替わりに伴う装置の入れ替え・再設定の手間を大幅に減らしていた。これらはSPring-8のHAXPESのビームラインでもぜひ導入したいと思っている。
また、各装置・光学素子の操作のためのインターフェイスの統一も重要であると思われる。P22ではpythonとQtを使ったソフトウェアにより1つの端末からほとんどの装置に同じような操作感でアクセスできるようになっていた。これは自分を含めて、ビームラインスタッフ以外の慣れていないユーザーにも理解しやすく扱いやすいと思われる。操作方法の見通しが良いと操作を覚えるのも容易になり誤操作も減る。このことはスタッフの負担の軽減にも繋がり利点は大きいと思える。
P22は、最近設計・建設されたビームラインのため、比較的新しい装置が揃っており、PCも新調されているためインターフェイスの統一のための調整が容易だったところはあるだろう。一方で、現状のSPring-8のHAXPESのような時間をかけて装置が導入されてきたビームラインには装置のインターフェイスやPCが旧式のため対応しにくいものがあることは否めないが、それでもそれを吸収してうまくシステムを組むことには手間はかかるが利点が大きいと感じた。他にも様々な点があるが、これらの経験を今後のビームラインの運営に活かしていきたい。
謝辞
今回、1ヵ月以上にわたる滞在を快諾していただき、様々なサポートをしていただいたWolfgang Drube博士、Christoph Schlueter博士、Andrei Gloskovskii博士、また実験や装置について教えていただいたYury Matveyev博士、Patrick Lömker博士に深く感謝いたします。PETRA IIIの他のビームラインの関係者、スタッフ、また自身の実験があるにもかかわらず色々教えていただいたユーザーの皆様にも感謝いたします。そして、今回の長期出張に関する手続きや所内のサポートをして下さったSPring-8関係者の皆様に深くお礼申し上げます。
参考文献
[1] http://photon-science.desy.de/facilities/petra_iii/beamlines/p22_haxpes/beamline_posters_etc/index_eng.html
[2] C. Schlueter et al.: Synchrotron Radiation News 31 (2018) 29-35.
[3] M. Degenhardt et al.: Journal of Physics: Conference Series 425 (2013) 192022.
[4] S. Babenkov et al.: Communications Physics 2 (2019) 107.
[5] M. Långberg et al.: Journal of The Electrochemical Society 166 (2019) C3336-C3340.
(公財)高輝度光科学研究センター
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