Volume 24, No.2 Pages 112 - 116
1. 最近の研究から/FROM LATEST RESEARCH
長期利用課題報告2
普遍元素を用いる高機能触媒の創製:先端放射光技術の包括的利用に立脚した触媒元素戦略の実現
Innovation of Mechanistic Study on Homogeneous Iron-Complex-Catalyzed Organic Reactions Based on XAS
京都大学化学研究所 附属元素科学国際研究センター Institute for Chemical Research, Kyoto University
- Abstract
- 我々の研究グループでは触媒元素戦略にのっとり、現在の物質創製プロセスで多用されている貴金属触媒(Pd、Ru、Rh、Pt)を、地殻含有量が大きく資源性に優れたFeを始めとする普遍性の高い3d遷移金属元素(Mn、Co、Ni、Cu)等へ置き換える触媒科学における元素代替の実現を目的とした研究を行ってきた。3d遷移金属は一般に常磁性を示し、従来まで均一系触媒研究に用いられてきた溶液NMRにおいて、ピークの異常シフトや広幅化のため触媒中間体の同定分析や構造決定ができないという問題があり、触媒研究の遂行上大きな問題となっている。そこで本長期利用課題では、BL14B2およびBL27SUでのXASを用いた反応溶液中での常磁性触媒種の酸化数、電子状態および分子構造決定およびXASによって同定された触媒中間体の精密な分子構造の決定を、BL02B1およびBL40XUでの微小単結晶X線結晶解析によって行うという放射光の包括的利用に立脚した方法論の開拓に取組んだ。
1. はじめに
現行の有機工業化学(ワッカー法、酢酸合成、オキソ法)や自動車排ガス処理あるいは燃料電池等では、Pd、Pt、Rh、Ru等が多用されているが、いずれも地殻含有量が10-9オーダーの高価な貴金属元素であるだけでなく、地域遍在性が高く政治的な要因による供給困難、価格高騰等の問題を避けられない高リスク元素である。我が国の産業の持続的な安定成長のためには、地殻含有量が高く経済的、地政学的なリスクのない普遍元素(Fe、Mg、Al等)や生元素あるいは卑金属と言われる3d金属元素(Mn、Co、Ni、Cu等)を用いて、従来までの貴金属触媒システムを代替・置換できる新しい触媒システムの開発が急務であり、触媒元素戦略の要として最重要視されている。ところが、Feを始めとする上記の3d遷移金属錯体触媒は一般に常磁性を示し、従来まで均一系触媒研究に用いられてきた溶液NMRにおいて、ピークの異常シフトや広幅化のため、触媒中間体の同定分析や構造決定ができないという問題がある。また、スピン状態の複雑さがDFT等の理論計算を利用した立体・電子構造解析や反応機構解析を著しく困難にするため、高度触媒開発に関する研究が遅れている。実際に、1980年代からの研究成果が結実したノーベル化学賞の受賞対象の触媒反応が、2001年Ti(IV)、Ru(II)、Rh(I)、2005年Ru(II)、Mo(VI)、W(VI)、2010年Pd(0)、Pd(II)というように偶数個のd電子を有し、磁性を示さず、NMRを用いた反応機構研究が容易な金属を中心として発展したことは、Fe触媒研究の難しさを如実に表すものと我々は考えている。
このような背景のもと、我々は、下記の1)~3)に示した先端放射光測定技術の多角利用に基づく触媒元素戦略の実現に取組んだ。具体的には、反応溶液中の触媒活性種や触媒中間体の酸化数、電子状態および分子構造を、1)BL14B2での溶液X線吸収分光(硬X線XAS)によって同定、構造決定する。さらに、これらによって決定された触媒中間体を、反応溶液から単離・精製、結晶化して、2)BL02B1およびBL40XUでの微小単結晶X線結晶解析を利用して精密分子構造決定を行う。また、3)反応機構研究に重要な3d軌道の電子状態の解析のためのBL27SUにおける溶液軟X線吸収分光(軟X線XAS)である。尚、3d金属の軟X線XASで得られるL端スペクトルは基質や配位子との結合に用いられる3d軌道への遷移に由来するため、触媒の設計指針を確立するのに重要な情報が得られる。以上、我々は様々な放射光分析の包括利用に基づく均一系触媒開発に取組んだので、本稿においてその概要を紹介したい。
2. 溶液XASによる鉄触媒クロスカップリング反応の機構研究
我々は、測定試料の状態を選ばず(溶液、固体、気体)、複雑なスピン状態、常磁性体を示す錯体触媒の構造解析に優れた手法であるXASに着目し、溶液XASを基盤とするFeクロスカップリング反応の反応機構研究に取組んだ[1-5][1] H. Takaya, S. Nakajima, N. Nakagawa, K. Isozaki, T. Iwamoto, R. Imayoshi, N. Gower, L. Adak, T. Hatakeyama, T. Honma, M. Takagaki, Y. Sunada, H. Nagashima, D. Hashizume, O. Takahashi, M. Nakamura: Bull. Chem. Soc. Jpn. 88 (2015) 410-418.
[2] S. Nakajima, H. Takaya, M. Nakamura: Chem. Lett. 46 (2017) 711-714.
[3] R. Agata, H. Takaya, H. Matsuda, N. Nakatani, K. Takeuchi, T. Iwamoto, T. Hatakeyama, M. Nakamura: Bull. Chem. Soc. Jpn. 92 (2019) 381-390.
[4] R. Agata, T. Iwamoto, N. Nakagawa, K. Isozaki, T. Hatakeyama, H. Takaya, M. Nakamura: Synthesis 47 (2015) 1733-1740.
[5] Y. Aoki, R. Imayoshi, T. Hatakeyama, H. Takaya, M. Nakamura: Heterocycles 90 (2015) 893-900.。本研究では、Fe触媒中心金属に関する情報を硬X線XAS(BL14B2)で、触媒活性発現に必須の有機配位子に関する情報を軟X線XAS(BL27SU)で取得し、さらに微小単結晶X線構造解析およびDFT計算を活用した解析法によって定量的かつ高精度に溶液中分子構造の決定を行う手法を確立した。
Feクロスカップリング機構研究の代表的な成果として、二座のリン配位子を有する鉄錯体触媒FeX2SciOPP(X = aryl or halogen)のTHF溶液中の分子構造の決定に基づく鉄クロスカップリング反応の機構決定が挙げられる。本研究では、溶液XAFSを用いて45年以上議論が続いていた鉄クロスカップリング反応について、図1に示すように溶液中分子構造のXAFS分析による触媒中間体の構造決定に成功し、国内外で高い評価を得た[1-4][1] H. Takaya, S. Nakajima, N. Nakagawa, K. Isozaki, T. Iwamoto, R. Imayoshi, N. Gower, L. Adak, T. Hatakeyama, T. Honma, M. Takagaki, Y. Sunada, H. Nagashima, D. Hashizume, O. Takahashi, M. Nakamura: Bull. Chem. Soc. Jpn. 88 (2015) 410-418.
[2] S. Nakajima, H. Takaya, M. Nakamura: Chem. Lett. 46 (2017) 711-714.
[3] R. Agata, H. Takaya, H. Matsuda, N. Nakatani, K. Takeuchi, T. Iwamoto, T. Hatakeyama, M. Nakamura: Bull. Chem. Soc. Jpn. 92 (2019) 381-390.
[4] R. Agata, T. Iwamoto, N. Nakagawa, K. Isozaki, T. Hatakeyama, H. Takaya, M. Nakamura: Synthesis 47 (2015) 1733-1740.。上記の成果により、申請者らの放射光多角利用に基づく触媒研究の優位性が明らかとなり、鉄触媒のみならず様々な均一系錯体触媒のXAFSに基づく機構研究が行われるなど、大きな波及効果があったと考えている[6-11][6] K. Nomura, T. Mitsudome, A. Igarashi, G. Nagai, K. Tsutsumi, T. Ina, T. Omiya, H. Takaya, S. Yamazoe: Organometallics 36 (2017) 530-542.
[7] K. Nomura, M. Oshima, T. Mitsudome, H. Harakawa, P. Hao, K. Tsutsumi, G. Nagai, T. Ina, H. Takaya, W.-H. Sun, S. Yamazoe: ACS Omega 2 (2017) 8660-8673.
[8] M. Hirano, K. Sano, Y. Kanazawa, N. Komine, Z. Maeno, T. Mitsudome, H. Takaya: ACS Catl. 8 (2018) 5827-5841.
[9] H. Takaya, T. Yokoi, R. Yoshida, K. Isozaki, T. Kawakami, T. Takenaka, M. Nakamura: Chem. Lett. 46 (2017) 665-668.
[10] R. Yoshida, K. Isozaki, T. Yokoi, N. Yasuda, K. Sadakane, T. Iwamoto, H. Takaya, M. Nakamura: Org. Biomol. Chem. 14 (2016) 7468-7479.
[11] K. Isozaki, T. Yokoi, R. Yoshida, K. Ogata, D. Hashizume, N. Yasuda, K. Sadakane, H. Takaya, M. Nakamura: Chem. Asian J. 11 (2016) 1076-1091.。
図1 溶液XAFSによるFeクロスカップリング反応の触媒中間体の構造決定
3. 新奇なFe触媒C-Hアミノ化反応のDFT-XAFS(FEFF)による機構解析
筆者の所属する中村研究室で見出された新奇なFe触媒によるC-Hアミノ化反応の機構解析において、DFT計算から予測した反応機構と溶液EXAFSのフィッティングから触媒中間体の同定や構造解析に成功した。本反応はホール輸送層として重要なポリ芳香族アミン類を安価にかつ高純度に合成できる手法として注目を集めており、機構解析によって実用化研究に弾みがつくものと期待されている。図2に示すように、DFT計算から得られたFe二核中間体の同定と構造解析による反応機構の解明に成功した。本法の成功は、XAFSスペクトルを拘束条件としてDFT計算を行い、分子構造を最適化(精密化)するXAFS-DFTハイブリッド構造最適化法の開発へとつながった。
図2 DFT-XAS(FEFF)ハイブリッド法によるFe触媒C-Hアミノ化反応機構解析
4. 不安定Fe触媒中間体の微小単結晶迅速X線構造解析
BL02B1およびBL40XUでは、溶液XASによって同定、構造決定した触媒中間体や触媒活性種を単離・精製・結晶化して得られる単結晶のX線構造解析を行った。Feを始めとする3d金属は貴金属に比べてイオン化傾向が高いため、これらの錯体触媒は一般に水分や酸素に対して反応性が高く、空気下では容易に分解する。また、有機溶媒への高い溶解性から十分なサイズの単結晶を得ることが困難であり、薄片や繊維状の異方性の高いµmサイズの微小結晶を与える。そこで、実施課題では、これらの不安定な微小結晶をBL02B1およびBL40XUの高強度X線を用いて、液体窒素あるいは液体ヘリウム気流下の低温・不活性ガス下で結晶構造解析を行った。その結果、図3に示すように、10 × 10 × 1 µm(厚み)程度の結晶から詳細な分子構造を決定することに成功した。さらに、ここで得られた結晶構造の原子座標を用いて、溶液EXAFSスペクトルのFEFFフィッティングを行い、これらの触媒中間体が結晶相、溶液相でほぼ同一の分子構造をとることを明らかにした。一般に、均一系触媒反応では溶媒の配位等で触媒の構造が変化することが知られている。従って、結晶-溶液両相の構造の違いを比較検討することは機構研究において重要な課題であるが、従来のNMR分析では錯体の精密な立体構造の決定は困難であり、この点において触媒研究におけるXAS法の優位性が改めて確認されたこととなる。
図3 微小単結晶X線構造解析によるFeクロスカップリング反応中間体の分子構造
5. 溶液軟X線XASセルの開発と3d金属触媒のL端XAS測定
BL27SUでは、高強度の軟X線を用いてFe錯体触媒を始めとする3d遷移金属錯体触媒のL端の溶液XAS測定法の開発と、これらを利用したd電子状態解析について取組んだ。3d遷移金属のL端XASは2p-3dの許容電子遷移に基づくスペクトルであり、配位子との結合軌道である3d軌道の電子構造情報や高スピン/低スピン等のスピン多重度に関する情報が得られ、錯体触媒の設計に極めて有用な情報を与える。しかしながら、軟X線領域ではガスの吸収が極端に大きいため、真空下での測定が前提であり有機溶媒のように揮発性の高い液体サンプルの測定は困難とされていた。本研究では、為則博士が開発した透過率の低い窒化ケイ素薄膜(150 nm)の窓材を備えた溶液軟X線XAS専用のフローセルとチャンバー(図4)[12][12] カルレッツパッキンおよびSi3N4窓材は理研BL17SU開発と同じ仕様:Mol. Sci. 9 (2015) A0077および引用文献参考を用いて有機溶媒中に溶解した不安定なFe触媒中間体のL端測定に初めて成功し、異なるスピン状態の識別が可能であること、フローセルを用いることで軟X線特有のサンプルダメージを相当低減できることを明らかとした。
図4 BL27SUで開発した不安定Fe触媒中間体の溶液軟X線XAS測定用フローセル
6. 安定・難結晶性Fe-Phthalocyanine-Porphyrin触媒中間体の構造解析
名古屋大学の田中、山田らによってメタンやエタン等の重要炭素資源の酸化変換に高い活性を示すFe-フタロシアニン-ポルフィリン触媒について、酸化活性種と考えられるFe-O-Fe種のXAFSによる同定と構造解析を行った(図5)[13,14][13] N. Mihara, Y. Yamada, H. Takaya, Y. Kitagawa, K. Igawa, K. Tomooka, H. Fujii, K. Tanaka: Chem. Eur. J. 25 (2019) 3369-3375.
[14] N. Mihara, Y. Yamada, H. Takaya, Y. Kitagawa, S. Aoyama, K. Igawa, K. Tomooka, K. Tanaka: Chem. Eur. J. 23 (2017) 7508-7514.。この触媒は、フタロシアニンおよびポルフィリンという2つの触媒部位がロタキサンで架橋された柔らかい分子構造を有している。この柔軟な構造が、酵素触媒に見られるようなinduced-fit型の基質取込みや、allostericな効果によって、酸化活性を劇的に向上させるユニークなメカニズムが考えられている。しかしながら、非常に柔軟な分子構造であること、反応性が極めて高く不安定な活性種であることから、単結晶X線構造解析が困難であり、DFT計算とXAFSを組み合わせた構造解析を行い、想定活性種の生成を確認した。現在、in situ XAFSによってメタン等の酸化反応中における触媒動態の解析に取組んでいる。
図5 不安定・難結晶性Fe-Porphyrin触媒中間体の構造解析
7. おわりに
ここまで述べてきたように、本長期利用課題では、これまで均一系触媒領域、特に有機金属錯体触媒を用いる合成化学分野では利用されることがほとんどなかったXASに着目し、触媒中心金属の電子・局所構造に関する情報をBL14B2の硬X線XASで、配位子に関する情報をBL27SUの軟X線XASで取得し、これらXAS分析を基に触媒中間体の同定・構造決定に成功した。また、BL02B1、BL40XUにおける微小単結晶の迅速X線構造解析を利用して、不安定なFe触媒中間体の分子構造決定を行い、得られた構造情報を基にDFT-FEFFハイブリッド解析を行うことによって、溶液XASスペクトルから定量的かつ高精度に反応溶液中における触媒種の分子構造決定を行う手法を確立した。本成果は、異なるビームラインを横断利用に基づく先端放射光技術の包括的利用によって初めて達成されるものであり、均一系触媒、有機合成分野におけるXAS利用および包括的な放射光利用が研究の進展の飛躍的な発展に寄与することを示すものであると考えている。
最後になるが、物理の苦手な有機合成化学者が放射光を活用できたのは、あらゆる場面において献身的なご助力を下さったビームラインの先生方の存在が不可欠であった。この場を借りて、多くの共同研究者を代表して深謝を捧げたい。
参考文献
[1] H. Takaya, S. Nakajima, N. Nakagawa, K. Isozaki, T. Iwamoto, R. Imayoshi, N. Gower, L. Adak, T. Hatakeyama, T. Honma, M. Takagaki, Y. Sunada, H. Nagashima, D. Hashizume, O. Takahashi, M. Nakamura: Bull. Chem. Soc. Jpn. 88 (2015) 410-418.
[2] S. Nakajima, H. Takaya, M. Nakamura: Chem. Lett. 46 (2017) 711-714.
[3] R. Agata, H. Takaya, H. Matsuda, N. Nakatani, K. Takeuchi, T. Iwamoto, T. Hatakeyama, M. Nakamura: Bull. Chem. Soc. Jpn. 92 (2019) 381-390.
[4] R. Agata, T. Iwamoto, N. Nakagawa, K. Isozaki, T. Hatakeyama, H. Takaya, M. Nakamura: Synthesis 47 (2015) 1733-1740.
[5] Y. Aoki, R. Imayoshi, T. Hatakeyama, H. Takaya, M. Nakamura: Heterocycles 90 (2015) 893-900.
[6] K. Nomura, T. Mitsudome, A. Igarashi, G. Nagai, K. Tsutsumi, T. Ina, T. Omiya, H. Takaya, S. Yamazoe: Organometallics 36 (2017) 530-542.
[7] K. Nomura, M. Oshima, T. Mitsudome, H. Harakawa, P. Hao, K. Tsutsumi, G. Nagai, T. Ina, H. Takaya, W.-H. Sun, S. Yamazoe: ACS Omega 2 (2017) 8660-8673.
[8] M. Hirano, K. Sano, Y. Kanazawa, N. Komine, Z. Maeno, T. Mitsudome, H. Takaya: ACS Catl. 8 (2018) 5827-5841.
[9] H. Takaya, T. Yokoi, R. Yoshida, K. Isozaki, T. Kawakami, T. Takenaka, M. Nakamura: Chem. Lett. 46 (2017) 665-668.
[10] R. Yoshida, K. Isozaki, T. Yokoi, N. Yasuda, K. Sadakane, T. Iwamoto, H. Takaya, M. Nakamura: Org. Biomol. Chem. 14 (2016) 7468-7479.
[11] K. Isozaki, T. Yokoi, R. Yoshida, K. Ogata, D. Hashizume, N. Yasuda, K. Sadakane, H. Takaya, M. Nakamura: Chem. Asian J. 11 (2016) 1076-1091.
[12] カルレッツパッキンおよびSi3N4窓材は理研BL17SU開発と同じ仕様:Mol. Sci. 9 (2015) A0077および引用文献参考
[13] N. Mihara, Y. Yamada, H. Takaya, Y. Kitagawa, K. Igawa, K. Tomooka, H. Fujii, K. Tanaka: Chem. Eur. J. 25 (2019) 3369-3375.
[14] N. Mihara, Y. Yamada, H. Takaya, Y. Kitagawa, S. Aoyama, K. Igawa, K. Tomooka, K. Tanaka: Chem. Eur. J. 23 (2017) 7508-7514.
京都大学化学研究所 附属元素科学国際研究センター
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