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Volume 20, No.2 Pages 169 - 170

3. SPring-8/SACLA通信/SPring-8/SACLA COMMUNICATIONS

SPring-8利用研究課題審査委員会を終えて 分科会主査報告7 -長期利用分科会-
Proposal Review Committee (PRC) Report by Subcommittee Chair – Long-term –

雨宮 慶幸 AMEMIYA Yoshiyuki

SPring-8利用研究課題審査委員会 長期利用分科会主査/東京大学大学院 新領域創成科学研究科 Graduate School of Frontier Sciences, The University of Tokyo

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SPring-8

 

 2013、2014年度の2年間、長期利用分科会の主査を担当しました。本分科会での審査の概要を報告します。
 長期利用課題は、他の分科会の審査項目に加えて、以下の2つの項目が審査項目になっています。① 長期の研究目標および研究計画が明確に定められていること、② SPring-8を長期的かつ計画的に利用することによって、(a)科学技術分野での傑出した成果、(b)新しい研究領域および研究手法の開拓、(c)産業基盤技術の著しい向上、が期待できること。本分科会は、外部委員7名と内部委員5名の委員からなり、書類審査と面接審査の二段階で課題採否の審査を行っています。長期利用課題は、採択されれば最長3年間有効であり、採択から1.5年に中間評価(面接)、3年後に事後評価(面接)を行うことになっています。
 任期2年間で新規に採択した長期利用課題は以下の通りです。

 

[2013B期]

Stephen Cramer 課題 BL09XU
大谷栄治 課題 BL10XU
Edward Solomon 課題 BL09XU

 

[2014A期]

宮崎誠一 課題 BL47XU

 

[2014B期]

文 石洙 課題 BL40XU
清水克哉 課題 BL10XU
Michael Zolensky 課題 BL37XU

 

[2015A期]

藤田 誠 課題 BL38B1, BL41XU
高谷 光 課題 BL02B1, BL14B2, BL27SU, BL40XU
小野輝男 課題 BL25SU, BL39XU
濡木 理 課題 BL41XU
林 好一 課題 BL13XU, BL25SU, BL39XU
高橋嘉夫 課題 BL01B1, BL27SU, BL37XU
脇原 徹 課題 BL04B2

 

 私が主査を務めたこの2年間で、過去に比べて長期利用課題の申請数が多かったこともあり、結果として、採択された長期利用課題数が増加しました。採択されたいずれの課題も、SPring-8の特徴を生かした挑戦的な課題であり、所期の成果が得られればSPring-8の有用性をアピールできる課題です。今後の成果を大いに期待しています。ただ、採択された長期利用課題数が増加したことにより、一般課題のシフト枠が減少するという議論がSPring-8利用研究課題審査委員会(PRC)であり、SPring-8選定委員会(2015年2月6日開催)で、来期(2015B期)以降、長期利用課題の運用が変更されることになりました。変更点は以下です。
・有効期間:3年(6期)→ 2年(4期)
・中間評価は行わない。
・シフト数の上限:1BLの16% × 利用BL数 → 全部で1BLの16%
・公募頻度:各期 → 各A期

 

 その結果、今後は、長期利用課題1課題あたりの有効期間とシフト数が減少することになります。このことは、一般課題に対するシフト数を確保する上でやむを得ないと思いますが、長期利用課題の趣旨とその重要性は変わらないと理解しています。長期利用課題の趣旨と特徴を生かした課題の申請がさらに活発になることを期待しています。
 この2年間、上記の採択課題における面接審査のみならず、すでに採択された課題の中間評価、事後評価における面接審査で真摯な議論をしていただいた本分科会の各委員に感謝致します。また、面接審査と書類審査がスムーズに進むように万全の事前準備をしていただいたJASRIスタッフに感謝致します。

 

 

 

雨宮 慶幸 AMEMIYA Yoshiyuki
東京大学大学院 新領域創成科学研究科
〒277-8561 千葉県柏市柏の葉5-1-5
TEL : 04-7136-3750
e-mail : amemiya@k.u-tokyo.ac.jp

 

 

Print ISSN 1341-9668
[ - Vol.15 No.4(2010)]
Online ISSN 2187-4794