Volume 14, No.2 Pages 122 - 123
1. SPring-8の現状/PRESENT STATUS OF SPring-8
平成20年度の選定委員会の活動状況
Activities of the SPring-8 Selection Committee in the 2008 Fiscal Year
「特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律」(平成6年法律第78号)に基づき、特定放射光施設(大型放射光施設(SPring-8))の利用促進業務(利用者選定業務及び利用支援業務の総称)を行う登録施設利用促進機関JASRIが設置する選定委員会は、施設利用研究に関し学識経験者を有する者により構成され、JASRIが行うSPring-8の利用者選定業務に関し意見を述べる委員会である。
SPring-8を取り巻く環境については、J-PARCや次世代スパコンなど、日本における大型共同利用施設の扱いが決まることになれば、これらの施設と連動した形でSPring-8の今後の方向が決まると思われる。また分野別では、産業利用分野においては多数の成果が出ていることによりSPring-8の社会的認知が高まっており、高度な研究施設が産業に活用され、その結果が社会に反映している事の実例を顕在化できている。今後は学術利用の分野で成果を示すため、何をすべきかをユーザーも、施設側も考える時期にある。このような環境下でSPring-8の利用者選定を行うにあたり、平成20年度は坂田委員長のもと、2回の選定委員会を開催した。
第6回選定委員会では、報告事項として提示した「萌芽的研究支援利用研究課題①への1年課題の導入」について、1年課題の導入がふさわしいとの意見があった。また異分野の人とも交流できるような、人材の育成にもつながる制度とするよう意見があった。「産業利用ビームライン測定代行の本格実施」については、今後の需要予測や解析支援の導入について意見があった。サービスの程度や範囲について今後とも検討していく事となった。その他、「2008B期利用研究課題審査結果」「レーザー電子光ビームラインの契約期間満了に伴う評価及び次期計画検討評価結果」「法第12条枠課題の2007B期における実施報告」「登録機関利用活動評価」「重点研究課題”領域指定型”の現状と今後」について報告を行った。
第7回選定委員会では、SPring-8における今後の重点領域指定活用の方向性について議論を行った。国の「大型放射光施設(SPring-8)に関する中間評価報告」、第3期科学技術基本計画の重点領域、近年の社会的要請等を踏まえつつ、一層の戦略的な活用案を導き出すべく議論を行った。その中で既存のプログラムとの関係や、評価方法などにつて指摘があった。また委員から、施設側は将来の科学技術を見据えた施策案を提示するよう意見があった。報告事項として提示した「産業利用IIビームライン(BL14B2)におけるXAFS測定代行の実施状況」では、測定内容について質疑があった。その他、「SPring-8学術国際評価(SPARC)」「2009A期利用研究課題審査結果」「平成21年度指定パワーユーザーの選定結果」「タンパク質結晶メールイン測定サービス事業の「測定代行」利用制度への移行」について報告を行った。
第6回選定委員会
[日 時]平成20年10月2日(木)14:00〜16:00
[開催場所]大手町サンケイプラザ3F 311号
[主な議題]
(1)2008B期利用研究課題審査結果について
(2)レーザー電子光ビームラインの契約期間満了に伴う評価及び次期計画検討評価結果について
(3)萌芽的研究支援利用研究課題①への1年課題の導入について
(4)法第12条枠課題の2007B期における実施報告
(5)登録機関利用活動評価について
(6)産業利用ビームライン測定代行の本格実施について
(7)重点研究課題”領域指定型”の現状と今後について
第7回選定委員会
[日 時]平成21年3月9日(月)13:30〜15:30
[開催場所]大手町サンケイプラザ3F 312号
[主な議題]
(1)利用促進における重点領域指定活用の方向性について
(2)SPring-8学術国際評価(SPARC)について
(3)2009A期利用研究課題審査結果について
(4)平成21年度指定パワーユーザーの選定結果について
(5)産業利用IIビームライン(BL14B2)におけるXAFS測定代行の実施状況について
(6)タンパク質結晶メールイン測定サービス事業の「測定代行」利用制度への移行について
以 上