Volume 13, No.1 Page 1
新年ご挨拶
New Year’s Greeting
明けましておめでとうございます。
ご家族お揃いで、すがすがしい新春を迎えられましたことを心からお慶び申し上げ、皆様にとりまして実り多き1年になりますことをお祈りいたします。
本年度は、一昨年7月より新たに「特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律(新SR法)」が施行されてはじめての年度となり、財団は「登録施設利用促進機関」として、「利用者選定業務」及び「利用支援業務」を行う一方、SPring-8の維持管理、運営につきましては、設置者である理化学研究所の入札を経て財団が業務を受けるという体制になりました。
また、ご高承のとおり、SPring-8は供用を開始してから昨年10月で10年の歳月が経過いたしました。10月19日には姫路のホテルにて、理化学研究所との共催でSPring-8供用開始10周年記念式典が、300名のご参加をえて盛大に開催され、過ぎにし10年を振り返るとともに、SPring-8の現代的意義をアピールしたところでございます。
その際報告されましたが、現在49本のビームラインが稼働し、平成9年10月の供用開始から平成19年7月までに、のべ約78,000人の研究者が利用し、およそ11,600件の課題が実施され、数多くの成果が輩出されました。特にSPring-8の産業利用促進をめざした、「戦略活用プログラム」や「重点産業利用課題」により、昨年度は約180社、延べ2,300人の民間企業の利用があり、着実に成果を上げてきております。SPring-8サイト内では、X線自由電子レーザー(XFEL)の本格工事が昨年より開始され、2010年度の完成を目指す一方、兵庫県の独自施設として、ナノテクセンターの工事も、急ピッチで建設が進められております。また、一時期、建設が滞っておりました、SPring-8の空ポートについても新規に数本の専用ビームラインが計画、審議中であり、さらなる増設が進み始めました。
こうした環境の変化を踏まえながら私どもは、供用開始後10年を経て新たな歴史をつくるべく、利用者の皆様と協力して、未踏分野を拓く使命を遂行してまいる所存でございます。どうか皆様には、倍旧のご支援、ご協力を賜わりますようお願い申し上げます。