Volume 12, No.5 Pages 373 - 376
1. SPring-8の現状/PRESENT STATUS OF SPring-8
産業利用 IIビームラインBL14B2におけるXAFS測定代行(試行)課題の募集について
Call for XAFS Measurement Service Proposals (trial) at Engineering Science Research II Beamline (BL14B2)
登録施設利用促進機関(財)高輝度光科学研究センター A Registered Institution for Promoting Synchrotron Radiation Research, JASRI
2007B第2期(平成19年12月~平成20年2月)より、産業利用ⅡビームラインBL14B2においてXAFS測定代行(試行)課題の募集を開始します。以下の要領でご応募ください。
1.産業利用ⅡビームラインBL14B2におけるXAFS測定代行(試行)課題について
XAFS測定代行(試行)は、産業利用ⅡビームラインBL14B2において(財)高輝度光科学研究センター(JASRI)産業利用推進室のスタッフがユーザーに代わってSPring-8を利用した測定を行う課題です。ユーザーのSPring-8へのご来所および測定現場へのお立会いは任意としており、試料をSPring-8へ送付することにより利用課題の実施が可能です。企業内あるいは研究組織内で専門スタッフを確保することが困難な中堅企業あるいは研究組織等への利便性拡大や即時利用ニーズへの対応を図るべく測定代行の利用制度を試行的に実施するものです。
本試行実施を通じて具体的な利用ニーズの把握を行うとともに、制度化に向けた課題整理を行い、効果的かつ効率的な支援体制構築に資することを目的としています。
2007B第2期(平成19年12月~平成20年2月)は『成果専有時期指定課題』の一形態として取扱うことから、課題申請(ここでは課題登録)、および消耗品実費負担と成果専有(時期指定)に掛かるビーム使用料の負担等については、当該『成果専有時期指定課題』に準じた運用となります。
2.募集領域
・広帯域XAFS測定(4~72keV)
・希薄・薄膜試料のXAFS測定
3.XAFS測定代行(試行)課題における試料および測定時の試料環境
(1)生物(動物、植物、微生物)試料は、原則として対象外とします。
(2)財団が定める「ランク4」の化学薬品、即ち、下記に列記した通り、取扱いに際し国または県の許可が必要な物質は、対象外とします。
(i)化学兵器の禁止および特定物質の規制等に関する法律に定める特定物質
(ii)麻薬および向精神薬取締法に定める麻薬および向精神薬
(iii)覚醒剤取締法に定める覚醒剤およびその原料
(iv)大麻取締法に定める大麻草およびその製品
(v)あへん法に定めるあへん、けし、けしがら
(vi)毒物および劇物取締法に定める特定毒物
(vii)労働安全衛生法に定める製造禁止物質
(3)ガス雰囲気下など“その場(in situ)測定”は、原則として対象外とします。
4.対象ビームライン
BL14B2 産業利用Ⅱビームライン
5.実施予定
上記ビームラインを対象に下記の日程で各3シフトずつを割り当てます。
(i)平成19年11月30日(金)10:00~12月1日(土)10:00(3シフト)
(ii)平成20年1月25日(金)10:00~1月26日(土)10:00(3シフト)
(iii)平成20年2月9日(土)10:00~2月10日(日)10:00(3シフト)
6.利用料金
利用料金は、次の(1)および(2)の合計金額となります。2007B第2期では測定代行(試行)課題として実施されるため、次の(1)および(2)以外の料金は発生いたしません。
(1)成果専有時期指定に掛かるビーム使用料測定方法、試料数、測定スペクトル数によりビームタイムが算出されます。下記の応募方法にある手続きにしたがって、JASRIスタッフと十分に事前打合せを行い、必要ビームタイムを確認していただく必要がございます。そこで確認されたビームタイムで成果専有時期指定料金相当(180,000円/2時間)が算出されます。
(2)消耗品実施負担相当額
測定代行に掛かる消耗品費(定額分(2,575円/2時間)および従量分(測定代行中に使用した消耗品等の金額))を徴収いたします。
7.応募方法
(1)申込受付
測定代行(試行)課題を希望される方は、『測定代行申込書(様式A)(https://user.spring8.or.jp/files/applications/daikou_form_A.doc)』により事前に測定代行の申し込みを行っていただきます(様式Aは上述のウェブサイトからダウンロードしてご利用ください)。必要事項をご記入のうえ、JASRI産業利用推進室(daikou@spring8.or.jp)宛に申込書をメール添付でお送りください。その際のメール件名は『測定代行申込』とご記入願います。
(2)事前打合せおよび内容確認
申し込みを受け付けた後、JASRI産業利用推進室のスタッフが測定代行の実施内容に関して事前打合せをさせていただきます(SPring-8へのご来所は任意です)。事前打合せ終了後、産業利用推進室から申込者に対し『測定代行実施内容等確認書(様式B)』、SPring-8測定代行同意書および課題申請用記入要領を併せて送付しますので、記入要領に従って課題登録を行ってください。
(3)課題登録
『測定代行実施内容等確認書(様式B)』を受け取っていただいた後、『成果専有時期指定課題』として、ウェブサイトを利用した電子申請をしていただくことで、課題登録となります。郵送、宅配、FAX、メール、持ち込みによる申請は受け付けません。以下のUser Informationウェブサイトから申請してください。
User Information : https://user.spring8.or.jp/
トップページ>ログイン>課題申請/利用計画書>課題申請/利用計画書作成
『成果の形態および課題種』の選択画面で“成果を専有する”をチェックし、『成果専有時期指定課題』を選択してください。
課題を申請するには、まずユーザーカード番号とパスワードでログインする必要があります。まだユーザーカード番号を取得していない方は、ユーザー登録を行ってください。
なお、申込責任者は、ログインのアカウントのユーザー名で登録されるため、代理で課題申請書を作成する場合は、申込責任者のユーザーカード番号で作業のうえ、提出する必要があります。その場合、アカウントやパスワードの管理は申込責任者の責任の下でお願いします。
課題申請後は、SPring-8測定代行同意書を以下の<同意書送付先>へ郵送ください。同意書に記入が必要な申請番号は、課題申請時に届く受理通知メールにてお知らせいたします。
<同意書送付先>
〒679-5198 兵庫県佐用郡佐用町光都1-1-1
財団法人高輝度光科学研究センター 利用業務部
『測定代行(試行)』係(←朱書で記入すること)
TEL:0791-58-0961
e-mail:sp8jasri@spring8.or.jp
8.応募締切
各実施予定日に対する締切は下記のとおりですが、先着順とします。
(1)申込締切
(i)平成19年11月16日(金)10:00
(ii)平成20年1月11日(金)10:00
(iii)平成20年1月25日(金)10:00
(2)課題登録締切
(i)平成19年11月26日(月)10:00
(ii)平成20年1月21日(月)10:00
(iii)平成20年2月4日(月)10:00
ただし、申し込み受付、事前打合せおよび内容確認が終了していることが条件となります。
9.測定代行(試行)実施に必要なオンライン提出資料
事前打合せと同時並行して審査していました実験内容の安全性が確認された後、下記の2つの資料をオンライン提出していただきます。
(i)試料および薬品等持込申請書
(ii)利用申込書…測定代行者を利用申込書に記載してください
10.試料送付
試料をSPring-8へ送付していただきます。送付先は下記のとおりです。
<試料送付先>
〒679-5198 兵庫県佐用郡佐用町光都1-1-1
財団法人高輝度光科学研究センター 利用業務部
『測定代行(試行)』係(←朱書で記入すること)
TEL:0791-58-0961
e-mail:sp8jasri@spring8.or.jp
11.実施方法等
(1)前述のとおり、試料送付を受け付けます。
(2)SPring-8へのご来所、測定現場へのお立会いは任意です。ただし、測定現場への立会いは、共同利用実験の実施と同様の事前手続きが必要となりますので事前打合せの際に、ご相談ください。
(3)測定代行の実施後、申込責任者に対し、実施ビームタイム等の確認書を送付いたしますので、ご記入の上ご返送ください。
(4)申込責任者の確認連絡後、測定代行者はビームタイム利用報告書を提出します。
(5)測定データは、電子媒体に収納し、実施報告書とともにお渡しします。
(6)試料は測定後に返却いたします。なお、送料はユーザー負担となります。
(7)利用成果(測定データ)はユーザーに帰属します。
(8)申込責任者に利用料金の請求書を送付し、利用料金をお支払いいただきます。
(9)測定代行実施後、測定代行支援の制度化に関するご意見をお聞きしますので、ご協力をよろしくお願いします。
12.その他
(1)測定代行の相談窓口
〒679-5198 兵庫県佐用郡佐用町光都1-1-1
財団法人高輝度光科学研究センター 産業利用推進室
TEL:0791-58-0924
e-mail:daikou@spring8.or.jp
(2)手続きに関する問い合わせ
〒679-5198 兵庫県佐用郡佐用町光都1-1-1
財団法人高輝度光科学研究センター 利用業務部
TEL:0791-58-0961
e-mail:sp8jasri@spring8.or.jp
【ご参考】
1.産業利用ビームライン測定代行(試行)の手続きについて
2.SPring-8測定代行(試行)同意事項
(1)実験課題を申請する際、実験責任者が財団法人高輝度光科学研究センター(以下「甲」という。)に対して誓約した事項と当該同意事項が矛盾する場合、同意事項を優先する。
(2)機関(以下「乙」という。)は実験課題の実施につき、試料等の測定を甲に依頼する。甲は、依頼された測定を代行するにあたり、測定代行内容確認書を乙に発行し、確認書の範囲内で測定代行を行う。
(3)乙は、測定代行を依頼した試料等(以下「測定試料等」という。)に関する情報を甲に提供する。
(4)乙は、測定試料等に対し、十分な安全対策等を施す。
(5)甲は、測定代行が終了したときは、その結果を甲の定める実施報告書に基づき、乙に発行する。なお、実施報告書の発行後、修正等が必要となったときは、新規に実施報告書を発行する。
(6)甲は、測定代行終了後、実施報告書と共に、返還可能な測定試料等を乙に返還する。返還に係る費用は、乙が負担する。
(7)測定代行により得られたデータは、乙に帰属する。
(8)甲は、測定代行終了後、ビームタイム利用報告書により測定ビームタイム及び使用した消耗品を乙の同意を得て確定し、乙にビーム使用料及び消耗品費を請求する。乙は、請求日から60日以内に甲が指定する銀行口座に、請求された金額を振り込む。なお、振込手数料は乙の負担とする。
(9)測定代行に係るビーム使用料は、成果専有時期指定利用料金(180,000円/2時間)を適用する。
(10)測定代行に係る消耗品費は、定額分(2,575円/2時間)及び従量分(甲が指定する消耗品等の金額)とする。
(11)乙が、ビームタイムの減少を希望する場合、測定予定日の2週間前までに甲に書面にて通知し、了解を得る。
(12)甲の装置の故障等、乙の責任によらない原因により、測定予定ビームタイムが減少した場合、又は測定予定ビームタイムを利用出来なかった場合、測定ビームタイムについて、甲乙協議の上、確定する。
(13)乙は、甲の責任及び免責について、次の各号について同意する。
1)測定代行は、甲が実施するビームラインにおいて、通常の測定支援を通じて蓄積された既存の技術水準により行うものであり、甲が当該技術水準を超えて測定代行を実施することを保障するものではないこと、及び得られた結果の正確性・有用性を保障するものではないこと
2)甲が、測定試料等の保管、処理、測定等を行った際に生じた損害について、甲の故意による場合を除き、賠償請求を行わないこと
3)測定ビームタイムの減少に伴い、測定試料等に損害が生じた場合でも、賠償請求を行わないこと。また減少したビームタイムの補填を請求しないこと
(14)甲は、乙から提出された申請書類等の取扱及び保管を厳格に行い、利用申請の内容に係わる秘密を保持し、第三者に開示又は漏洩しない。乙から提供された測定試料等及び測定結果の管理責任は甲が持ち、乙は甲の要請に基づき必要な協力を行う。甲は事前に乙と合意した事項以外は公表しない。この秘密保持の期間は、乙が同意した日から3年間とする。
(15)甲は、測定代行に関する支援体制の検討にあたり、乙の同意を得た内容について、乙に対し意見等を求めることができるものとし、乙は必要な協力を行う。