Volume 12, No.3 Page 291
5. 談話室・ユーザー便り/OPEN HOUSE・A LETTERS FROM SPring-8 USERS
SPring-8利用者懇談会 会長挨拶
心機一転
この3月をもって大学を定年退職した。「在野の人」となったこの4月からは、研究・教育分野を外から眺める気楽な身分となった、と書ければ大変喜ばしいのであるが、どうも責務をすべて果たして退職とはならなかった。ひとつにはこの利用者懇談会会長役が残されている。ひとつには、書かねばならない論文と、少し試してみたい実験が残ったことにある。そこで大学の客員研究員に承認していただき、さらにJASRIの外来研究員にさせていただいた。いずれも無報酬のボランティアの身分である。とはいえ、会長の責務はきっちり果たさせていただきます。
さて、会長を引き継いで、1年間が無事に終わった。五月の空の下会員共々心機一転、新しい進展を期したい。昨年度は研究会活動を基盤とする、新しい利用者懇談会の初年度であり、臨機応変の対処に試行錯誤を繰り返すなかで時間が経過した。未知との遭遇があった。その最たるものは研究会活動資金がいくらで収まるかであった。活発な研究会活動の結果、予算超過となり会費から大幅な補填を行うこととなった。会費の運用として個別の研究会活動に充てるのは不適当ではないかとの懸念も脳裏をよぎった。しかし、どの研究会活動であれ、それは会員の期待を担って利用懇を支える活動であるので、そこに補填することは全会員の利益に合致すると考えた。その意味で、研究会参加者はSPring-8および全会員からの期待を担っていることを自覚してください。
今年度第一回の評議員会が4月10日に開かれ、前年度の予算超過を繰り返さないために、今年度の研究会実施計画にあたって、会費補填の上限を設けることが取り決められた。配分方法は、至急、利用促進委員会が策定することとなった。具体的な配分方法が決まり、各研究会に伝達されるのは、早くて5月後半となりそうである。すでに活動中の各研究会の集会実施はすこし待っていただかざるを得ない。試行錯誤の一環であるとご理解ください。
利用促進委員会の役割はきわめて重要である。評議員会が原則論を議論・審議するのに対して、利用促進委員会は研究会活動の具体的方策を審議・決定する委員会である。分野担当の任にあたっておられる委員の方々は、研究会活動の実情を委員会に反映していただきたい。また、研究会代表・副代表は、つぎのことを再認識していただきたい。すなわち、SPring-8利用者懇談会の研究会は、学会等でなされるような研究発表の場ではなく、各研究分野として、どのようにSPring-8を活用すべきかを研究討論する場である。従って、個々の研究者の成果を情報交換するのみに留まることなく、SPring-8を活用するにあたり、専門分野として今後とるべき具体的方向を研究集会の成果としてお示しください。
最後になりましたが、本年度の幹事を紹介させていただきます(敬称略)。
庶務幹事:篭島 靖(兵庫県立大大学院物質理学)
沼子 千弥(徳島大総合科学)
利用幹事:久保田佳基(大阪府立大理学部)
会計幹事:高橋 敏男(東大物性研)
行事幹事:青木 勝敏(日本原子力研究開発機構)
伊藤 正久(群馬大工学部)
編集幹事:鳥海幸四郎(兵庫県立大大学院物質理学)
森本 幸生(京大原子炉研)
運営幹事:雨宮 慶幸(東大大学院新領域)
佐々木 聡(東工大応用セラミックス研)
坂井 信彦 SAKAI Nobuhiko
(財)高輝度光科学研究センター 外来研究員
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