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Volume 12, No.3 Pages 287 - 290

4. 利用者懇談会研究会報告/RESEARCH GROUP REPORT (SPring-8 USERS SOCIETY)

核共鳴散乱研究会の現状報告
Nuclear Resonant Scattering Group

瀬戸 誠 SETO Makoto

京都大学 原子炉実験所 Kyoto University Research Reactor Institute

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1.設立趣旨および活動方針
 核共鳴散乱研究会は、放射光核共鳴散乱法の物質・生命科学研究への応用およびその基礎的な研究の推進のために、これまで核共鳴散乱研究やメスバウアー分光等の関連分野の研究を行ってきた研究者およびこのような研究に関心を持つ研究者によって、それまでの核共鳴散乱SGを引き継ぐ形で発足したものである。
 第3世代放射光施設の出現以前には放射光核共鳴散乱を利用した研究は多くはなかったが、原子核の励起状態の有する多様な性質を利用する事が可能となれば、様々な新しい研究展開が可能になるものと考えられる。例えば、原子核の励起状態の多くはkeV以上のエネルギーを有しているが、その線幅がneV以下の非常に狭いものも数多く存在するため、これまでには実現不可能であったような高輝度超単色X線の生成などといった可能性を有している。また、原子核と電子系との超微細相互作用を利用することで、電子構造や磁気的状態の高分解能測定が可能である。さらに、準弾性・非弾性核共鳴散乱を利用することで、元素を選択したフォノン状態密度や水溶液中の特定イオンの拡散運動の測定を行うことが出来る。また、このような物質科学研究だけにとどまらず、NEET(Nuclear excitation by electron transition、電子励起による核励起)現象や時間領域におけるコヒーレント現象といった実に多様な分野にわたる研究が可能である。このような核共鳴散乱現象の先端的な利用のためには、光学系、検出器系および測定環境において特殊な研究手法が必要とされるものの、研究が開始されてからの期間があまり長くはないため未だ充分な段階ではない。また、測定されたデータの解釈や解析においても、独特な方法が必要とされるため、核共鳴散乱研究に携わる研究者同士が緊密に協力して議論を行う必要がある。さらに、これまでに核共鳴散乱法を用いたことのない研究者が、新たに研究を始めるきっかけとなるような場も必要であると考えられる。そこで、本研究会では、核共鳴散乱研究を実施している研究者が、その研究内容および問題点を発表し議論することで、最先端の研究展開を実施できるようにすると同時に、これまでに核共鳴散乱法を利用したことのない研究者への研究内容の紹介や協力を積極的に行うことで、核共鳴散乱法の有する潜在能力を大いに引き出した研究展開を目指すものである。このような目的のために、最新の研究成果および測定手法・技術についての研究会を年1回開催することを計画している。


2.核共鳴散乱ビームライン(BL09XU)
 現在、SPring-8における核共鳴散乱研究は主として核共鳴散乱共用ビームラインBL09XUで行われているが、BL35XU、BL11XU等でも実施されている。BL09XUにおいては、長期利用課題(Nuclear Resonance Vibrational Spectroscopy(NRVS)of Iron-Sulfur Enzymes for Hydrogen Metabolism, Nitrogen Fixation and Photosynthesis、実験責任者:Stephen P.Cramer(University of California Davis))が2007A期から採択されている[1][1]利用業務部、SPring-8利用者情報12(2007)128.。また、重点パワーユーザー課題(先端的放射光核共鳴散乱法の開発研究およびその物質科学への応用、実験責任者:瀬戸誠(京都大学))も実施されている。また、関連して科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業(CREST)における研究課題(物質科学のための放射光核共鳴散乱法の研究)が行われており、これに基づいて液体窒素冷却分光器の導入(平成17年度)ならびに実験ハッチの増設(平成18年度)が実施された。液体窒素冷却分光器は既に利用が始まっている(図1)。BL09XUの高度化については、核共鳴散乱研究会の前身でもある核共鳴散乱SGのときから議論がなされてきており、核共鳴散乱研究のより高度な利用のための環境が整いつつある状況である。



図1 核共鳴散乱ビームライン(BL09XU)に設置された液体窒素冷却分光器



3.研究会活動報告
 昨年の8月17、18日に第1回の研究会を「核共鳴散乱研究の現状と展望」という題でSPring-8において開催した。以下に、その講演内容等について報告する。

(1)SPring-8を用いた研究成果および利用技術に関する研究発表およびその検討

①「Au-197、Os-187によるNEET実験の進展」
     岸本 俊二(KEK)
 NEETはSPring-8において、岸本等によって初めて信頼できる結果が得られたものであるが、最新のOs-187およびAu-197 NEET実験[2][2]S.Kishimoto, Y.Yoda, Y.Kobayashi, S.Kitao, R.Haruki, R.Masuda and M.Seto : Phys.Rev.C74 (2006) 031301(R).についての研究成果発表が行われた。特に、NEET断面積のエネルギー依存性測定において発見された微細構造について、その起源や応用についての議論が行われた。

②「高エネルギーX線用バックスキャッタリングモノクロメータ」
     今井 康彦(JASRI)
 放射光核共鳴散乱法は元素を特定した電子状態および振動状態の測定が可能であることから、その元素選択性を拡大していくことにより本格的な物質・生命科学研究が可能となるものと考えられる。よって、そのような研究を可能とする高分解能モノクロメータの開発が急務となっている。特に、これまで開発が進んでいなかった高エネルギーX線用モノクロメータの開発は大変重要であると考えられる。ここでは、そのようなモノクロメータの最有力候補であるバックスキャッタリングモノクロメータについて、これまでに開発されたものの性能およびそれを用いた非弾性散乱測定結果等について報告され、今後の研究展開についての議論が行われた。

③「フェロセンのエタノール溶液中のダイナミクス」
     春木 理恵(九州大学)
 核共鳴準弾性・非弾性散乱法を用いてフェロセンのエタノール溶液中における鉄イオンの拡散運動および分子振動について、理論的および実験的研究に関する発表が行われた。核共鳴散乱法では固体の分子振動だけではなく、溶液中におけるイオンの拡散等についての情報を得ることも出来る。そのような研究はこれまであまり多くはなかったが、その手法としての有用性についての確認がなされ、今後の研究展開についての議論が行われた。

④「neV核共鳴散乱」
     三井 隆也(JAEA)
 核共鳴散乱法の大きな特徴の一つとして、原子核の励起準位のエネルギーがkeV以上でありながらその幅がneVと非常に狭いものが存在することが挙げられる。現在核共鳴散乱法で研究が盛んに実施されているFe-57の場合、その半値幅は約4.7neVである。よって核ブラッグ散乱などを用いることでneVオーダーの幅の超単色X線を生成することが可能となる。ここでは、高品質の57FeBO3単結晶を用いた超単色X線生成についての研究ならびにこれを利用した超高圧下メスバウアー効果測定の結果についての研究発表が行われた[3,4][3]T.Mitsui, M.Seto, S.Kikuta, N.Hirao, Y.Ohishi, H.Takei, Y.Kobayashi, S.Kitao, S.Higashitaniguchi and R.Masuda : Jpn.J.Appl.Phys. 46 (2007) 821.
[4]T.Mitsui, H.Takei, S.Kitao, M.Seto, T.Harami, X.Zhang, Y.Yoda and S.Kikuta : Trans.Mater.Res.Soc.Jpn. 30 (2005) 7-10.
。超単色X線は今後neVオーダーの準弾性・非弾性散乱測定への応用も期待されることより、今後の研究展開が注目されるものである。

⑤「核共鳴内部転換電子放射の時間空間における振動構造観測」
     河内 泰三(東京大学)
 核共鳴励起による内部転換電子放射の測定は、表面の電子状態やフォノンの研究にとって大変有効となるため重要なものである。これまで内部転換電子の観測自体は行われてきたものの、前方散乱の2次的なビートを除いて、超微細相互作用によるインコヒーレントな量子ビートの観測は行われていなかった。これに対して、電子分析器を用いてFeのK殻内部転換電子のエネルギーにあたる7.3keV電子放射のみの時間スペクトル測定を行い、2成分からなる振動成分の観測に成功し、その結果についての報告が行われた。

⑥「核共鳴小角散乱研究の現状」
     小林 康浩(京都大学)
 核共鳴小角散乱法は、小角散乱法に超微細相互作用を利用した電子状態測定を組み合わせることで、電子状態を特定しての粒子サイズや形状を測定できるため、より多くの情報を含んだ測定が可能になるものと考えられる。これまでに核共鳴小角散乱法で測定されたデータの解釈およびその現状についての報告と今後の展開についての議論が行われた。

⑦「放射光メスバウアホログラフィの測定に向けて」
     北尾 真司(京都大学)
 ホログラフィ法は局所構造や位相の決定が可能であるが、メスバウアホログラフィ法では、これらの特徴に加えて、原子の価数や磁気的な状態を特定しての測定が可能となる。このような利点や放射光を用いた場合の測定上の問題点等についての発表が行われ、今後の研究計画および展開についての討論が行われた。


(2)SPring-8の研究環境整備および利用者相互の情報交換に関連した発表

 ⑧「SPring-8 BL09XUの現状と今後の展開」
     依田 芳卓(JASRI)
 核共鳴散乱ビームラインBL09XUの現状についての報告が行われた。特に、新たに整備された液体窒素冷却モノクロメータの性能等についての詳細な発表が行われた。また、研究環境整備に対する利用者の要望についても議論が行われた。

⑨「PFの共同利用再編の動きとNE3での核共鳴散乱研究」
     岸本 俊二(KEK)
 SPring-8における核共鳴散乱研究の展開と関連して、KEK-PFにおける核共鳴散乱研究のあり方についての発表および議論が行われた。

⑩「ARでのメスバウアー実験の構想」
     張 小威(KEK)
 SPring-8とPF-ARそれぞれのリングの時間特性やエネルギー等といった特徴を比較しての発表が行われ、KEKのARにおける今後の核共鳴散乱研究の方向性についての議論が行われた。

⑪「研究会再編およびこれからの核共鳴散乱研究について」
     瀬戸 誠(京都大学)
 利用者懇談会で実施された研究会改編についての現状が報告され、核共鳴散乱研究会としての考え方、今後のあり方および今後の核共鳴散乱研究についての議論が行われた。




4.研究例の紹介
 現在SPring-8においては、以上のような研究の他にも多くの研究がなされているが、核共鳴散乱法の特徴を示しながら幾つかの研究例の紹介を以下に行う。
 核共鳴散乱法は元素(同位体)を特定しての測定が可能であることより、物質中の微量な原子の状態も測定が可能であり、これまで、金属・半導体中における微量不純物の局所的な振動状態密度に関する研究[5][5]M.Seto, Y.Kobayashi, S.Kitao, R.Haruki, T.Mitsui, Y.Yoda, S.Nasu and S.Kikuta : Phys.Rev.B61 (2000) 11420.、析出粒子のフォノン[6][6]Y.Tsunoda, Y.Kurimoto, M.Seto, S.Kitao and Y.Yoda : Phys.Rev.B66 (2002) 214304-1.等の研究が行われてきた。また、分子等の場合に核共鳴非弾性散乱法では、ラマン散乱やFT-IR等で得られるような振動状態の測定が可能であるが、原子を特定しての測定が可能である。そこで、LIESST(Light Induced Excited Spin State Trapping)効果を示す鉄錯体[Fe(2-pic)3]Cl2EtOH(2-pic:2-picolylamine)中の遷移金属イオン(Fe)に関して、光照射を行いながら核共鳴非弾性散乱の測定を行うことで、スピン状態変化を起こしている[FeN6]部分に関しての研究が実施された[7][7]G.Juhasz, M.Seto, Y.Yoda, S.Hayami and Y.Maeda : Chem.Commun.(2004)2574.。充填スクッテルダイトは熱電変換材料として多くの関心が持たれており、希土類原子の振動が熱伝導の抑制の大きな原因と考えられているが、まだその詳しいメカニズムは明らかとなっていない。このスクッテルダイトを構成する元素それぞれの振動状態を測定することでその熱伝導機構についての情報が得られるものと考えられ、核共鳴非弾性散乱法による研究がなされている[8,9][8]S.Tsutsui, H.Kobayashi, J.Umemura, Y.Yoda, H.Onodera, H.Sugawara, D.Kikuchi, H.Sato, C.Sekine and I.Shirotani : Physica.B383 (2006) 142.
[9]S.Tsutsui, J.Umemura, H.Kobayashi, T.Tazaki, S.Nasu, Y.Kobayashi, Y.Yoda, H.Onodera, H.Sugawara, T.D.Matsuda, D.Kikuchi, H.Sato, C.Sekine and I.Shirotani : Hyperfine Interactions 168 (2006) 1073.
。また、核共鳴散乱法では、元素選択性にとどまらず電子状態によりサイトを選択した非弾性測定も可能である。これにより、2種類の異なった電子状態のFeサイト(Aサイト:Fe3+、Bサイト:Fe2.5+)を含む酸化物Fe3O4(マグネタイト)の核共鳴非弾性散乱測定を実施し、AサイトとBサイトそれぞれのフォノン状態密度を求められている[10][10]M.Seto, S.Kitao, Y.Kobayashi, R.Haruki, Y.Yoda, T.Mitsui and T.Ishikawa : Phys Rev.Lett.91 (2003) 185505-1.。さらに放射光の高輝度特性を活用することにより、DAC(ダイアモンドアンビルセル)を用いた核共鳴散乱法による研究も実施されている[11,12][11]H.Kobayashi, Y.Yoda, M.Shirakawa and A.Ochiai : J.Phys.Soc.Jpn. 75 (2006) 034602.
[12]H.Kobayashi, Y.Yoda, M.Shirakawa and A.Ochiai : J.Magn.Magn.Mater.310 (2007) 305.

 この他にも、集光した放射光を用いる顕微メスバウアー分光法[13][13]T.Mitsui, Y.Kobayashi and M.Seto : Jpn.J.Appl.Phys. 43 (2004) 389.、エネルギー領域での超微細相互作用測定法であるストロボスコピック法[14,15][14]R.Callens, R.Coussement, C.L,abbé, S.Nasu, K.Vyvey, T.Yamada, Y.Yoda and J.Odeurs : Phys.Rev.B65 (2002) 180404.
[15]R.Callens, R.Coussement, T.Kawakami, J.Ladrière, S.Nasu, T.Ono, I.Serdons, K.Vyvey, T.Yamada, Y.Yoda and J.Odeurs : Phys.Rev.B67 (2003) 104423.
や屈折率の変化によるエネルギーシフトを利用した測定なども行われている[16][16]S.Nasu, S.Morimoto, and Y.Yoda : SPring-8 Research Frontiers (2005) 150.。また、測定可能元素を拡大するための研究[17,18][17]M.Seto, S.Kitao, Y.Kobayashi, R.Haruki, T.Mitsui, Y.Yoda, X.W.Zhang and Yu.Maeda : Phys.Rev.Lett.84 (2000) 566.
[18]R.Masuda, S.Higashitaniguchi, S.Kitao, Y.Kobayashi, M.Seto, T.Mitsui, Y.Yoda, R.Haruki and S.Kishimoto : J.Phys.Soc.Jpn.75 (2006) 094716.
や検出器の研究なども実施されている。
 放射光核共鳴散乱法では元素を選択した測定が可能であるということはこれまでにも書いてきたが、正確に言えば同位体を特定しての測定が可能ということである。このことより、例えばナノ構造体や多層膜等において特定部分だけを共鳴励起可能な同位体に置換しておくことで、同じ元素であってもその部分だけを特定して電子状態や振動状態の測定が可能となってくる。また通常は殆ど無視できるような同位体の質量の違いが物性に影響を及ぼすような場合の電子状態や振動状態の測定も可能となる。このように核共鳴散乱法の特徴をよく理解し活用することによって、これまでには困難であった測定も可能になるものと考えられる。また同時に核共鳴散乱法自体も発展している段階にあり、今後の高分解能モノクロメータや検出器開発によってさらに大きな発展を遂げるものと考えられる。



参考文献
[1]利用業務部、SPring-8利用者情報12(2007)128.
[2]S.Kishimoto, Y.Yoda, Y.Kobayashi, S.Kitao, R.Haruki, R.Masuda and M.Seto : Phys.Rev.C74 (2006) 031301(R).
[3]T.Mitsui, M.Seto, S.Kikuta, N.Hirao, Y.Ohishi, H.Takei, Y.Kobayashi, S.Kitao, S.Higashitaniguchi and R.Masuda : Jpn.J.Appl.Phys.46 (2007) 821.
[4]T.Mitsui, H.Takei, S.Kitao, M.Seto, T.Harami, X.Zhang, Y.Yoda and S.Kikuta : Trans.Mater.Res.Soc.Jpn. 30 (2005) 7-10.
[5]M.Seto, Y.Kobayashi, S.Kitao, R.Haruki, T.Mitsui, Y.Yoda, S.Nasu and S.Kikuta : Phys.Rev.B61 (2000) 11420.
[6]Y.Tsunoda, Y.Kurimoto, M.Seto, S.Kitao and Y.Yoda : Phys.Rev.B66 (2002) 214304-1.
[7]G.Juhasz, M.Seto, Y.Yoda, S.Hayami and Y.Maeda : Chem.Commun.(2004)2574 .
[8]S.Tsutsui, H.Kobayashi, J.Umemura, Y.Yoda, H.Onodera, H.Sugawara, D.Kikuchi, H.Sato, C.Sekine and I.Shirotani : Physica.B383 (2006) 142.
[9]S.Tsutsui, J.Umemura, H.Kobayashi, T.Tazaki, S.Nasu, Y.Kobayashi, Y.Yoda, H.Onodera, H.Sugawara, T.D.Matsuda, D.Kikuchi, H.Sato, C.Sekine and I.Shirotani : Hyperfine Interactions 168 (2006) 1073.
[10]M.Seto, S.Kitao, Y.Kobayashi, R.Haruki, Y.Yoda, T.Mitsui and T.Ishikawa : Phys Rev.Lett.91 (2003) 185505-1.
[11]H.Kobayashi, Y.Yoda, M.Shirakawa and A.Ochiai : J.Phys.Soc.Jpn. 75 (2006) 034602.
[12]H.Kobayashi, Y.Yoda, M.Shirakawa and A.Ochiai : J.Magn.Magn.Mater.310 (2007) 305.
[13]T.Mitsui, Y.Kobayashi and M.Seto : Jpn.J.Appl.Phys. 43 (2004) 389.
[14]R.Callens, R.Coussement, C.L,abbé, S.Nasu, K.Vyvey, T.Yamada, Y.Yoda and J.Odeurs : Phys.Rev.B65 (2002) 180404.
[15]R.Callens, R.Coussement, T.Kawakami, J.Ladrière, S.Nasu, T.Ono, I.Serdons, K.Vyvey, T.Yamada, Y.Yoda and J.Odeurs : Phys.Rev.B67 (2003) 104423.
[16]S.Nasu, S.Morimoto, and Y.Yoda : SPring-8 Research Frontiers (2005) 150.
[17]M.Seto, S.Kitao, Y.Kobayashi, R.Haruki, T.Mitsui, Y.Yoda, X.W.Zhang and Yu.Maeda : Phys.Rev.Lett.84 (2000) 566.
[18]R.Masuda, S.Higashitaniguchi, S.Kitao, Y.Kobayashi, M.Seto, T.Mitsui, Y.Yoda, R.Haruki and S.Kishimoto : J.Phys.Soc.Jpn.75 (2006) 094716.



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