Volume 12, No.1 Pages 2 - 8
1. SPring-8の現状/PRESENT STATUS OF SPring-8
JASRI国際諮問委員会(JIAC 2006)報告
JASRI International Advisory Council 2006
平成16年10月21日、総合科学技術会議の提出した『平成17年度概算要求における科学技術関係施策の優先順位付けについて』に於いて、“本格的利用期に適した大型放射光施設(SPring-8)の運営体制の構築”に関して、「国際諮問委員会を設ける等して、運営全般では国際的な視点が確保されるよう検討されたい」との留意事項が提示された。
斯かる留意事項に適確に対応すべく、(財)高輝度光科学研究センターでは、JASRI国際諮問委員会(JASRI International Advisory Council、略称JIAC)の開催に向け、平成17年度当初より、実行委員会(委員長:吉良爽理事長)を発足させて準備を進め、平成18年7月3日(月)~5日(水)の期間、ホテル日航姫路を主会場として、同諮問委員会による国際評価を受けた。諮問委員に御就任頂いた方々(リスト中、敬称略)は次の通りである。
[海外]
委員長 Gerhard Materlik (Diamond Light Source, CEO)
委員 William G. Stirling (ESRF, Director)
委員 J. Murray Gibson (APS, Director)
委員 Helmut Dosch (Max-Planck-Institut, Director)
委員 Janos Kirz (Advanced Light Source, Acting Director)
委員 Sine Larsen (ESRF, Director of Research)
委員 Drake S. Eggleston (GlaxoSmithKline, Vice President)
[国内]
副委員長 福山 秀敏(東京理科大学、教授)
委員 太田 俊明(立命館大学、教授)
委員 藤井 保彦(日本原子力研究開発機構、副部門長)
委員 有信 睦弘(東芝、執行役常務)
また、同諮問委員会のプログラム(概略)は次の通りであった。
July 2nd (Sunday)
18:00 Welcome Dinner
20:00 Brief Meeting (Closed)
July 3rd (Monday)
09:00 Welcome Address (Dr. Akira Kira)
09:05 Opening Remarks (Prof. G. Materlik)
09:10 Concerns and Issues (Dr. Akira Kira)
09:40 User Support System (Dr. Hideo Ohno)
10:10 Discussions (Closed)
10:40 Coffee Break
11:00 Nanotechnology Support Project (Dr. Shigeru Kimura)
11:30 Protein 3000 Project (Dr. Masaki Yamamoto)
12:00 Discussions
12:30 Lunch
14:00 Materials Science (Dr. Masaki Takata)
14:30 Life Science (Dr. Masaki Yamamoto)
15:00 Coffee Break
15:30 Industrial Applications (Dr. Norimasa Umesaki)
16:00 RIKEN Harima Institute (Dr. Tetsutarou Iizuka, RIKEN)
16:30 Japan Atomic Energy Agency (Dr. Junichiro Mizuki, JAEA)
17:00 Discussions
17:30 Banquet
July 4th (Tuesday)
09:00 Accelerator Division (Dr. Haruo Ohkuma)
09:30 Beamline Division (Dr. Syunji Goto)
10:00 Coffee Break
10:30 Research & Utilization Division (Dr. Masaki Takata)
11:00-18:00 SPring-8 Site Tour
18:00 Dinner
20:00 Drawing Up Report
July 5th (Wednesday)
09:00 Discussion (Closed)
10:00 Coffee Break
10:30 Drawing Up Report
12:30 Lunch
14:00 Release of the Draft Report (Prof. G. Materlik)
15:00 Closing Remarks (Dr. Hideo Ohno)
15:10 Coffee Break
15:30 Additional Work on Report
17:00 Dissolution
同委員会最終日に提示された報告書(概要)の原文と邦文訳を以下に掲げる。
JASRI国際アドバイザー会議諮問委員会(JIAC 2006)
会議報告
開催日:2006年7月3日~5日
場所:姫路市
要約
以下、(財)高輝度光科学研究センター(JASRI)の国際諮問委員会(JASRI International AdvisoryCouncil、以下JIACと略称)による意見とその結論、及びそれに基づく勧告を述べる。これらは、委員会の全会一致で合意され、最終セッションで委員長からJASRIと理研播磨研究所に対して提出されたものである。
1.科学技術
● 今回発表された科学・技術の総体的水準は極めて高く、世界の他の最先端放射光施設に於ける最高の成果に匹敵すると考える。
● 研究の主要な領域には、構造生物学、物質科学とナノテクノロジー、極端条件下に於ける系の研究、新たなイメージング技術の開発が含まれる。
● 膜タンパク質、及びタンパク質複合体に関する高分解能構造解析は、新たな薬品の発見・設計にとって実用上重要であり、また、基本的な生物学的機能の理解にとって根本的に重要な独特の観測を可能にした。
● 物質科学が長足の進歩を遂げる中、インテリジェント触媒の機構が解明された。ペロブスカイト構造を有する物質La(FeCoPd)O3は、自動車エンジンの排気装置内に於ける劣化過程に対して長寿命を有し、現在、市場の広い潜在需要を背景に実用化されている。この卓越した研究は基礎科学を実質的な応用に結びつけたものである。
● 特殊なXMCDを活用することにより、SPring-8に於いて研究者は、金のナノ粒子が磁気モーメントを発現することを発見した。これは、スピントロニクス素子の応用に革命をもたらす可能性がある。
● 高温・高圧下に於ける科学はSPring-8の独創的領域である。ダイアモンド・アンビル・セルを用いた超高圧下に於けるX線回折はMgSiO3の(120GPaに於ける)ポスト・ペロブスカイト相転移の発見として結実している。地球深層部コア・マントル境界面に於ける条件を再現した同実験は地球科学に大きな影響を及ぼした。
● Kirkpatrick-Baez高エネルギーマイクロプローブ法が蓄積植物中のカドミウムの蛍光分布観測に用いられた。カドミウム濃度の高い領域で観測されたμXANESスペクトルとモデル化合物との比較から、蓄積直物内に於けるカドミウム結合に関して化学的に重要な情報がもたらされた。
● これらの躍進がSPring-8を確実に科学の最前線に位置付けさせている。
2.管理運営
● 2000年に於ける先回のレビュー以降、過去6年の間にSPring-8で達成された著しい改善を認識した。前委員会が指摘した事項はほとんど改善されるに至っている。この事は、発表論文数が一般の学術誌に於いて著しく増大すると共に、知名度の高い学術誌に於いても増大する結果として現れている。運営構造も単純化され、理研-JASRI間の協力関係は良好な水準に達して、SPring-8運営全体に益をもたらしている。さらに、産業界各社と緊密な話し合いが開始され、SPring-8に於ける産業利用の水準は強力、且つ他に匹敵する例を見ない程に進展している。特に、世界の放射光施設が主としてタンパク質構造解析を中心に行っているのに対し、SPring-8は非常に幅広い分野に産業利用が展開している点を評価したい。
● JASRIは、(加速器、ビームライン)全ての稼動に責任を負うようになった。また、理研は新たな共用ビームラインの建設、及び既存の共用ビームラインの改修をJASRIに委任している。JAERI(現JAEA)がSPring-8の運営から撤退した現在、理研-JASRI間に於ける強力、且つ効率的な協力関係がSPring-8の成功にとって必須である。こうした体制が維持されると共に、厳格、且つ透明性の高いレビューを実施して、SPring-8の運転と進展を管理することを理研に強く推奨する。JASRIが確実に責任を果たせるように、理研、或いは国からの資金を導入する方策が現行の体制に盛り込まれている点を評価したい。
● SPring-8が世界における最高水準の放射光施設として発展し続けるには、新たな法律下に於いても、今後とも、SPring-8の全ての運営・運転が一体的に行われることが必須と考える。これは世界に於ける主要な放射光施設の経験に基づくものであり、加速器・ビームラインなどの運転、維持管理、ユーザープログラム、科学的戦略などを一体的に行う事は、施設の有意義な、有効な、そして効率的な運営に繋がる。科学的に高く評価された課題の効率的な実施計画には、当該ビームライン、研究計画、そして遂行能力に関して詳細な知識が求められる。逆に言えば、ビームラインの技術的開発には、鍵を握る科学的な需要に関して本質的な理解が必要である。
3.予算、人員配置、インハウス研究
● 運転資金の減少を特に懸念する。JASRIが努力して国のプロジェクトを導入し、様々な競争的資金の獲得に成功している点は評価する。しかしながら、SPring-8の予算構造は、次第に複雑さを増しており、不安定さを不可避的に内包している。施設の最も効果的な運営を保証するためには中期的(5年)な資金計画が検討されるべきである。
● 産業利用に特化されたビームラインを含めて、全てのビームラインに於いて産業利用の著しい増大を高く評価したい。産業利用の成果専有利用料金は、産業利用の利用者、及び科学的設備の増強に用いられるべきと勧告する。これは、SPring-8利用に於けるJASRI、及び日本産業界の関与を一層深化させる誘因となろう。
● SPring-8は他の同等な施設に比べ、少ないスタッフで運営が行われている点を指摘したい。人員不足は、特に、ビームライン関連で著しい。利用者が科学的活動とサービスを十分に受けられるよう、JASRIは最優先でスタッフ配置を柔軟に考えるよう勧告する。
● SPring-8が国際競争に打ち勝ち、魅力有る研究集団としてその使命を果たすためには、JASRIのインハウススタッフによる研究が奨励されねばならない。JASRIスタッフには、科学的研究を自ら、或いは外部ユーザーとの共同により進めることを奨励する。インハウス研究の水準を適正に評価する上で、インハウススタッフの研究課題がピアレビュー下で競争にさらされることが必須である。
4.加速器施設
● SPring-8の加速器系は、他の国際的な先端施設に比較しても極めて高い水準に到達していると評価する。トップアップ、安定性、信頼性、極低エミッタンスは、卓越した稼動を続ける加速器に於ける弛まざる進歩の現れである。そうした高水準、並びに現行の利用時間を維持するために、如何なる加速器系の将来計画に関しても注意深い評価が必要である。
● SPring-8の潜在能力を最大限活用するためには、他の放射光施設と同様、少なくとも運転時間5500時間/年が達成されるよう、加速器の総運転時間の延長にあらゆる努力の払われるべきことを勧告する。
5.ビームライン・実験装置
● 全ての共用ビームラインに於いて重点的なビームタイム配分が行われ、国際的な評価委員会がSPring-8に於けるあらゆるビームラインのビームタイム配分に関して十分な評価・分析を実施することを推奨する。
● 現在の多彩なビームライン群に於いて、申請課題の競争率が大きく異なる点を指摘したい。この要素は、ビームラインの高度化、或いは新規ビームラインの建設が提案された場合、配慮されるべきである。
● SPring-8に於いて稼働しているビームラインに関して、その本数の多さ、並びに高い技術水準を高く評価する。ビームラインに直接関わるJASRIスタッフの人員数を増強して利用者支援を一層向上しようとするJASRIの姿勢を支持する。他の同様の施設に於ける標準的ビームラインでは、通常、支援者として、研究者2人、ポスドク2人、技術者1人が配置されていると認識している。
● 新たなビームラインの建設に関して、建設の主たる原動力は外部のユーザーコミュニティに存するべきと考える。新たなビームラインの建設は、人員と予算が保証される限りにおいて認められるべきである。
● 共用ビームライン以外のビームラインに於いて、一般利用者の利用可能なビームタイムが比較的小さな割合だと認識する。
● SPring-8には、潜在的に重要な商品化に至る装置開発を実行する強力な伝統があり、他の施設はその恩恵に与っている。特に、X線光学(モノクロメータ、ミラー、集光系等)、挿入光源(真空封止型アンジュレータ、クライオアンジュレータ等)、タンパク質構造解析に於けるロボット技術に注目したい。こうした努力は、少なくとも現行の水準を保ちつつ、必要に応じて他の施設或いは企業と協力して、継続されるべきと確信する。
6.他の意見・コメント
● 他の施設に於ける経験から(シフト当りの消耗品に関する)利用者の定額負担は、成果非専有の研究活動の阻害要因であると指摘したい。
● 若手研究者の訓練、並びに大学・企業との協力は、中核的な研究機関に於いては重要な活動と認識しており、SPring-8に於けるこうした活動の有する重要な意味合いを指摘したい。
● SCSS X-ray FEL実証機の進捗状況を高く賞賛したい。原研、理研、JASRIによるSPring-8共同建設の成功に鑑み、理研・JASRIの協調的取り組みとして、SCSSの建設、及び運転に関しても同様の体制を推奨したい。
● 定期的に開催される国際評価委員会の設立を提案したい。さらに、他の委員会(例えば、技術的問題に関して)も必要に応じて開催されることが適当と判断する。
● 施設の活躍・発展に向けたSPring-8利用者懇談会、SPring-8利用推進協議会の努力と支援を歓迎したい。
● 今回の評価会議の期間前、期間中に於けるSPring-8スタッフの素晴らしい支援・協力に心より御礼申し上げたい。
以下、原文
Executive Summary
In the following are described our observations, conclusions from those and, based on those, the recommendations of the JASRI International Advisory Committee, briefly called JIAC in the text. These were presented in the closing session by the Chairman to the management of JASRI and RIKEN Harima having been unanimously agreed by the committee.
1.Science and Technology
● JIAC found that the overall quality of science and technology presented was very high and comparable with the best at other leading synchrotron radiation (SR) facilities in the world.
Research highlights include structural biology, materials science and nanotechnology, investigation of systems under extreme conditions, and the development of new imaging techniques.
High resolution structural studies on integral membrane proteins and large protein-protein complexes have enabled unique observations of practical importance for drug discovery and design, of profound importance for an understanding of basic biological functions.
In an exciting advance in materials science, the mechanism of an“intelligent”catalyst has been elucidated. This perovskite-structure material, La(FeCoPd)O3 has a very long duration against aging in automobile engine exhausts and is now in actual use with very wide market potential. This remarkable research connects basic science to real applications.
By exploiting a special variant of X-ray Magnetic Circular Dichroism (XMCD), researchers at SPring-8 have discovered that gold nanoparticles develop a magnetic moment. This could lead to revolutionary applications for spintronic devices.
Science at the extremes of temperature and pressure is a speciality of SPring-8. X-ray diffraction under ultra high pressure using a diamond anvil cell resulted in the discovery of a post-perovskite phase transition (at 120 GPa) of MgSiO3. This work, in which the conditions deep within the earth at the core-mantle interface were reproduced, has had a major impact in the earth sciences.
The Kirkpatrick-Baez high energy microprobe was used for fluorescence mapping of the cadmium distribution in hyper-accumulating plants. Comparison of the micro-XANES spectra from the Cd-rich regions with model compounds provided important information on the chemistry of Cd binding in the plant.
These advances and many others have established SPring-8 firmly at the forefront of world science.
2.Management and Operation
● JIAC observes very significant improvements at SPring-8 over the past 6 years since the last review in 2000. Most of the recommendations of that panel have been implemented; this is reflected in a very strong increase in the number of papers in general, as well as those in high impact journals. The administrative structure has also been simplified and a very good level of cooperation has been achieved between RIKEN and JASRI to the benefit of the entire SPring-8 operation.
In addition an intense dialogue has been started with industrial companies, which has lead to a strong and unequalled level of industrial activity at SPring-8. The committee particularly notes the remarkable breadth of industrial engagement, stretching well beyond the macromolecular investigations which dominate at other SR centers. The Committee wishes to congratulate SPring-8 on this success.
● JASRI has become responsible for all operation (accelerator complex and beamlines). RIKEN has also delegated the responsibility for building new public beamlines and for the refurbishment of operating public beamlines to JASRI. After the withdrawal of JAERI from the management of SPring-8, a strong and efficient cooperation between JASRI and RIKEN is mandatory for the success of SPring-8. The committee recommends strongly that this arrangement be maintained and encourages RIKEN to implement a robust and transparent review and audit process to oversee the SPring-8 operation and development. The committee has been pleased to notice that the current arrangement has included a transfer of funds to JASRI, either from RIKEN or directly from government, to ensure that JASRI can fulfill its responsibilities.
● To ensure that SPring-8 will continue to flourish as a leading state-of-the-art SR facility, under the new model of governance, the committee considers it essential that a single entity should remain responsible for the full operation of SPring-8. This accords with experience at all other major SR sources where a single operating authority, responsible for operation, maintenance, user programme and scientific strategy, has led to successful, efficient and effective management. The effective scheduling of scientifically highly rated proposals needs to rely on a detailed knowledge of the beamlines and their scientific programmes and capabilities. Conversely, the technical development of the beamlines requires a profound understanding of crucial scientific needs.
3.Budget, Staffing and In-house Research
● JIAC notes with concern the substantial reduction in the operating budget. JIAC notes JASRI's successful efforts in obtaining compensatory funds by the introduction of targeted national programme funding. Nevertheless, the budget position of SPring-8 is becoming increasingly complicated, and is inherently unstable. A rolling medium term (5 year) financial plan should be considered to ensure the most effective use of the facility.
● JIAC notes enthusiastically the significant increase in industrial activity, distributed across the beamlines including those dedicated to industrial science. JIAC suggests that industrial income should be employed to enhance the service to industrial users and the scientific infrastructure. This would act as an incentive to JASRI and to Japanese industry to deepen their involvement in the exploitation of SPring-8.
● JIAC notes that SPring-8 operates with less staff than other comparable facilities, especially where the beamlines are concerned. JIAC advises that JASRI consider a flexible approach to the staffing, giving scientific activities and service to the user community the highest priority.
● If SPring-8 is to fulfill its mission by remaining competitive internationally and attractive to leading scientific staff, in-house research must be supported. JASRI staff should be encouraged to develop strong scientific programme, on their own or in collaboration with external users. In order to properly bench-mark the quality of in-house research, competitive participation of in-house staff proposals in the peer review process for the allocation of beamtime is mandatory.
4.Accelerator Complex
● JIAC notes that the quality of the whole accelerator complex has reached a very high level comparable with other leading international facilities. Top-up, stability, reliability, ultra-small emittance reflect a constant improvement of a superbly running machine. Careful evaluation of any proposed future machine development is required to maintain the high quality and the current level of user beamtime.
● JIAC recommends that, to fully exploit the potential of SPring-8, every effort be made to increase the total number of operating hours of the accelerator complex, with the goal of achieving at least 5500 hours per year, as at other comparable SR facilities.
5.Beamlines and Instruments
● JIAC recommends that all public beamlines be involved in the prioritized beam-time allocation procedure and that the International Advisory Committee carry out an in-depth review and analysis of the beamtime allocation procedures, on all beamlines, at SPring-8.
● JIAC further notes that over-subscription factors vary widely across the current beamline portfolio. These factors should be taken into account when beamline upgrades, or new beamline construction, is proposed.
● JIAC is impressed by the large number and high technical quality of the beamlines operating at SPring-8. JIAC supports JASRI's wish to further improve service to the users by increasing the number of JASRI staff directly working on the beamlines. JIAC observes that at comparable facilities a“standard”beamline will have typically 2 scientists, plus 2 postdoctoral scientists, plus a technician, as support staff.
● Where new beamlines are concerned, JIAC feels that the primary impetus should come from the external scientific user community. New beamlines should only be built if adequate staffing and financial resources are available for the future operation of the beamline.
● JIAC observes that for the non-public beamlines, only a relatively small fraction of the beamtime is available for the general user.
● SPring-8 has a strong tradition of instrument development, with significant potential for commercialization; other facilities benefit from developments at SPring-8. JIAC notes the particular strength in X-ray optics (monochromators, mirrors, focusing optics, etc), insertion devices (in-vacuum undulators, cryogenic insertion devices, etc) and robotics for PX/MX applications. JIAC believes that these efforts must be continued, at least at current levels, where appropriate in collaboration with other SR facilities and with industry.
6.Further Observations and Comments
● JIAC observes that experience at other facilities has shown that the implementation of a fixed user fee (per shift, to cover consumables) for non-proprietary research acts as a disincentive to optimal use of the facility.
● JIAC considers that the training of young scientists and the collaboration with universities and industry are important activities at central research facilities and notes the strong implication of SPring-8 in these activities.
● JIAC was very impressed by the progress with the prototype SCSS X-ray FEL. The success of the joint construction of SPring-8 by JAERI, RIKEN and JASRI leads JIAC to suggest a similar approach to the construction and operation of SCSS as a joint effort of RIKEN and JASRI.
● IAC suggests that an International Advisory Committee be established which should meet regularly. Further, JIAC considers it appropriate that other advisory committees (for example, on technical matters) meet as needed.
● JIAC welcomes the efforts and support of the SPring-8 Users' Society and the Industrial Users' Society of SPring-8 towards the success of the facility.
● The members of JIAC wish to thank most enthusiastically the staff of SPring-8 for their excellent support in advance of and during this Review Committee meeting.