Volume 10, No.3 Pages 194 - 199
3. 最近の研究から/FROM LATEST RESEARCH
高分解能軟X線によるバルク敏感な角度積分・角度分解光電子分光の新展開
New Frontier Opened by Bulk Sensitive Angle-Integrated and – Resolved Photoelectron Spectroscopy with Use of High Resolution Soft X-ray
1.はじめに
高分解能の光電子分光は強相関電子系物質の電子状態の研究に欠かすことの出来ない手段である。特にhν=20〜120eV領域の比較的低い光エネルギーでは高いエネルギー分解能を実現しやすいだけでなく、さらにエネルギーhνが高い数百とか数千eVに比べて光電子励起断面積が数十倍から数桁も大きいので盛んに光電子分光研究が行われてきた。幸いに実験室光源でもHe放電管のように高いエネルギー分解能と光強度が得られるので極めて多数の研究発表がされてきた。しかしhνをわずかに変えるだけでスペクトルの特徴が大きく変わったり、表面状態に極めて敏感な事も知られていた。
最近はエネルギーだけでなく運動量をも測定できる角度分解光電子分光(ARPESと呼ぶ)が盛んとなっており、電子帯の分散E(k)やフェルミ面形状が盛んに議論されつつある。しかしながら低hνのARPESから求めたフェルミ面形状がバルクに敏感なドハースファンアルフェン測定の結果と矛盾するケースも報告されており、議論が沸騰してきた。この原因の一つが光電子分光で探れる表面からの深さによるのではないかと推測されるのはごく自然な成り行きであった。
つまり光電子の平均自由行程(非弾性散乱平均自由行程)は20〜120eVの運動エネルギー域では容易に3〜5A程度となるので表面第1原子層からの電子が主として光電子放出される場合があるというわけである。このために平均自由行程のより大きなhν>500eVの軟X線光電子分光に期待がかかっていた。しかし2000年当時までは数百eVで光電子の実用分解能は300meV程度であり、これではいくらバルク敏感とは言っても、エネルギー分解能が不足していた。また実験室で用いるX線管による光電子分光(XPS)ではhν=1.4866keVや1.2536keVでは分解能が1eV程度あり、特殊な分光器で単色化を図っても400〜300meV以上の分解能の実現は困難であった。
そこで我々阪大基礎工物性物理工学科のグループは原研の斉藤研究員や理研の北村研究員らと協力して、1keVで100meV以上の分解能を実現する事を目標にBL25SUに円偏光アンジュレーター、非等間隔平面回折格子分光器、高分解能静電半球型電子エネルギー分析器を備えた光電子実験装置をたちあげることを構想し全国的な協力の下にビームラインの整備を進めた。その結果、低熱負荷のおかげもあって光分光器としては800eVで1/20,000という世界最高のエネルギー分解能を実現し、光電子分光としては700eVで60meV以上という前人未踏とも言える分解能を実現できたので、2001年に特定課題に応募した。その後、いろいろないきさつから長期課題と名前が変わり、かつ3年間の最後の頃には旅費の支援も無くなったりしたのでなかなか苦しい台所事情となったが、それでもいくつかの世界をリードする研究が出来た。その顛末を開発の歴史と研究成果を交えながら紹介するのが本稿である。
2.特定課題にいたるまで
非等間隔平面回折格子分光器はすでに1980年代後半に物性研の概算要求としてPF-BL19にも建設していたのでその経験をもとに最新の情報を導入しながら斉藤研究員を中心に設計を進めた。当初1/10,000の分解能が出るまでが大変であった。とにかくリングから光が出る以前に光学系を並べるという離れ業を余儀なくされたために、左右への光軸のずれをなくするようにあのひときわ目立つdeck配置を取る事にした。なにより長い光路、天井までの広いスペース(それには高価な投資がされているであろう)を最大限に有効利用して高い分解能を実現する事を念頭に置いた。光電子分析器はすでにPFのS課題で導入し使用実績のあるSCIENTA社SES200に決定した。チェンバーの設計はPFでの使用経験をもとに改良を重ねチェンバー内をのぞきながら右手、左手で誰にでも作業(へきかいやscraping)が出来るよう使いやすい設計とした。図面書きには松下智裕氏の貢献が大きかった。光学系全体をベークし超高真空化するには斉藤研究員を持ってしても大変な仕事で阪大の私の研究室から2名の大学院生をあしかけ2年にわたって常駐させて斉藤研究員に全面協力の体制をとった。
斉藤研究員を中心に血のにじむ努力で、何度かのリークと回折素子交換と再ベークと光学調整を繰り返した結果1999年になってやっと1/10,000以上の分解能が出たときはほっとした。それ以後は早い時期に角度積分光電子分光実験に入りCe系で続々と新しい結果が出たのは圧巻であった。特にバルク敏感性の威力を認識したのはそれまでのCe4d-4f共鳴光電子分光とはまるで異なるCe3d-4f共鳴光電子スペクトルが得られた時である。近藤温度の低い物質系ではこれまでの4d-4f共鳴光電子分光で測定した表面スペクトルと3d-4f共鳴で測定したバルクスペクトルは一見そんなに大きくは違わないが、4fと伝導電子状態の混成の大きないわゆる近藤温度の高い物質系ではまるで異なっている[1, 2, 3][1]A.Sekiyama, T.Iwasaki, K.Matsuda, Y.Saitoh, Y.Onuki and S.Suga : Nature 403 (2000) pp.396-398.
Probing bulk states of correlated electron systems by high resolution resonance photoemission.
[2]A. Sekiyama, K.Kadono, K.Matsuda, T.Iwasaki, S.Ueda, S.Imada, S.Suga, R.Settai,H.Azuma, Y.Onuki and Y.Saitoh : J.Phys.Soc.Jpn.69 (2000) pp.2771-2774.
Bulk4f Electronic States of Ce-Based Heavy Fermion System Probed by High-Resolution Resonance Photoemission.
[3]R.-J.Jung, B.-H.Choi, S.-J.Oh, H.-D.Kim, E.-J.Cho, T.Iwasaki, A.Sekiyama, S.Imada, S.Suga and J.-J.Park : Phys.Rev.Lett. 91 (2003) 157601-1~ 4 .
Localized character of 4f electrons in CeRhx(x=2,3) and CeNix(x=3,5).。このように希土類系では高分解能の軟X線を用いたバルク敏感な光電子分光の必要性があっという間に世界中に広く認識されてきた。
一方遷移金属化合物系ではどうかという関心を持つのは当然の成り行きである。そこでもやはり従来の20〜数十eVでの光電子分光は表面効果が大きい事が分かってきた。つまり電子相関エネルギーUと電子の運動エネルギーtを考えたとき、表面とバルクでUはそれほど違わないが、tは表面では最近接原子数が1/2となるのでそれだけ小さくなるというわけである。U/tが小さい場合は金属、大きい場合は絶縁体、というように金属−絶縁体転移の本質もU/tで理解されるわけであるが、低エネルギー光電子分光ではU/tの大きな表面電子状態に敏感なのである。その事情はすでに我々の手でいくつもの物質について発表してきた[4, 5, 6]。[4]S.-K.Mo, J.D.Denlinger, H.-D.Kim, H.-H.Park, J.W.Allen, A.Sekiyama, A.Yamasaki, K.Kadono, S.Suga, Y.Saitoh, T.Muro, P.Metcalf, G.Keller, K.Held, V.Eyert, V.I.Anisimov and D.Vollhardt : Phys.Rev.Lett. 90 (2003) 186403-1~4
Prominent quasiparticle peak in the photoemission spectrum of the metallic phase of V2O3.
[5]A.Sekiyama, H.Fujiwara, S.Imada, S.Suga, H.Eisaki, S.I.Uchida, K.Takegahara, H.Harima, Y.Saitoh, I.A.Nekrasov, G.Keller, D.E.Kondanov, A.V.Kozhevnikov, Th.Pruschke, K.Held, D.Vollhardt and V.I.Anisimov : Phys.Rev.Lett. 93 (2004) 156402-1~4.
Mutual Experimental and Theoretical Validation of Bulk Photoemission Spectra of Sr1-xCaxVO3.
[6]S.-K.Mo, H.-D.Kim, J.W.Allen, G.-H.Gweon, J.D.Denlinger, H.-H.Park, A.Sekiyama, A.Yamasaki, S.Suga, P.Metcalf and K.Held : Phys. Rev. Lett. 93 (2004) 076404-1~4.
Filling of the Mott-Hubbard gap in the high temperature photoemisson spectrum of (V0.972Cr0.028)2O3.
そうなると銅酸化物等で華々しく発表されている角度分解光電子分光ではこの事情はどうなっているかというのが興味ある課題となる。本特定研究課題はこのような状況の下で構想されたものである。
3.特定課題での軟X線での角度分解光電子分光について
さて100eV程度以下では多くの研究者から角度分解光電子分光が華々しく報告されてきた。たとえば高温超伝導体についてはクーパーペアの対称性や擬ギャップ、超伝導メカニズム、量子臨界現象あるいはkink構造の起源などが盛んに議論されている。しかしながら低エネルギー光電子分光では、本質的に表面電子状態に敏感な情報が得られるほか、さらに行列要素効果が大きく励起エネルギーをわずかに変えただけで観測されるスペクトルが大きく異なったりして、その電子状態の解釈に困難な点が少なくない。そこでこれらを軟X線領域の光で測定しようと考えたわけである。
それではさらに高いエネルギーでは角度分解光電子分光はどの様な状況だったのだろうか?実は1980年代半ばにX線領域で角度分解光電子分光が行われた時期がある[7, 8][7]Z. Hussain, E. Umbach, J. J. Barton, J. G. Tobin and D. A. Shirley : Phys. Rev. B25 (1982) 672.
[8]L. C. White, C. S. Fadley, M. Sagurton and Z. Hussain : Phys. Rev. B34 (1986) 5226.。その結果、直接遷移モデルが妥当であることや行列要素効果は小さい事は分かったが、なにぶん当時の角度分解能(±2°)、エネルギー分解能(0.38〜0.85eV)ともに、現代的な角度分解光電子分光に耐えるものではなく、さらにDebye−Waller因子のせいで光電子の運動量自身がぼけてしまうという議論もありそのために、バンド分散の測定などへの適用は忘れ去られて来た。しかし我々は光の有限な波数は光電子に移動するだけで、平均自由行程が数十A以下の軟X線光電子分光では波数のボケは深刻であるはずが無いとの信念のもとに角度分解光電子分光に挑戦し、これが実行可能である事を世界で初めて実証した[9][9]S.Suga, A.Shigemoto, A.Sekiyama, S.Imada, A.Yamasaki, A.Irizawa, S.Kasai, Y.Saitoh, T.Muro, N.Tomita, K.Nasu, H.Eisaki and Y.Ueda : Phys. Rev. B70 (2004) 155106-1~7.
High energy angle resolved photoemission spectroscopy probing bulk correlated electronic states in quasi-one-dimensional V6O13 and SrCuO2.。そこでこれまでもっとも研究が盛んであった高温超伝導物質および関連物質のバルク敏感角度分解光電子分光を行いこの分野でのブレークスルーを目指すことを考えたわけである。そのためSPring-8のBL25SUにおいて我々の手で実現した世界最高分解能の軟X線励起を用いることでフェルミ準位近傍から運動エネルギーの大きな光電子を取り出すことでバルク敏感な角度分解光電子分光を行い、行列要素や微妙な励起エネルギー依存性などに邪魔されること無くバルク電子状態について論争中の諸問題を解決することを目標とした。
強相関電子系に対する初めての軟X線ARPESはCu-Oの1次元鎖を持つSrCuO2と金属-絶縁体転移を示すV6O13について行われた[9][9]S.Suga, A.Shigemoto, A.Sekiyama, S.Imada, A.Yamasaki, A.Irizawa, S.Kasai, Y.Saitoh, T.Muro, N.Tomita, K.Nasu, H.Eisaki and Y.Ueda : Phys. Rev. B70 (2004) 155106-1~7.
High energy angle resolved photoemission spectroscopy probing bulk correlated electronic states in quasi-one-dimensional V6O13 and SrCuO2.。低エネルギーARPESが表面敏感性とともにO2p電子状態に対する敏感性が高いのに対して、軟X線ARPESではCu3dやV3d敏感性が高く(V2p-3d共鳴光電子分光を行う事で)、さらにバルク敏感性が高いということで、低エネルギーARPESとは顕著に異なるスペクトルを得た。SrCuO2の実験結果を図1に示す。A図は生のEDCスペクトルであり、静電半球型電子エネルギー分析器のスリットと結晶のCu-O軸方向が同一面内(水平面)に来る配置での測定を行った結果である。図Bはこれを強度分布で色付けして示したものでV字型の分散が明確に観測される。C図は運動量分布曲線(MDCスペクトル)でありここでもk=0を中心としたV字型の分散が明確に観測される。これはバンド計算の結果と矛盾するものではなく、スピノン−ホロン分離が観測されたとする低エネルギーARPESの解釈を否定するものである。なお励起は円偏光で行っているので軸に平行な成分と軸に垂直な成分の両方を含む光励起である事に注意しておきたい。
図1
ついでCuを含まない超伝導体として知られるSr2RuO4のARPESを行った。この物質の低エネルギーARPESは表面超格子の影響を強く受け、特別な表面処理をしないとバルクフェルミ面(FS)が識別できないとされてきたが、我々のバルク敏感ARPESでは清浄表面において、直接バルクフェルミ面を観測するのに成功した[10, 11][10]A. Sekiyama and S. Suga : J. Electr. Spectrosc. Rel. Phenom.137-140 (2004) 681-685.
High energy bulk sensitive angle-resolved photoemission study of strongly correlated systems.
[11]A.Sekiyama, S.Kasai, M.Tsunekawa, Y.Ishida, M.Sing, A.Irizawa, S.Imada, T.Muro, Y.Saitoh, Y.Onuki, T.Kimura, Y.Tokura and S.Suga : Phys. Rev. B 70 (2004) 060506(R).
Technique for bulk Fermiology by photoemission applied to layered ruthenates.。さらにバルクフェルミ面形状からnestingベクトルを知ることもできた。図2はSr2RuO4(x=0)とSr1.8Ca0.2RuO4(x=0.2)の角度分解測定によるEDCスペクトルを上図に示し、フェルミ準位近傍のMDCスペクトルを下図に示した。またフェルミ準位近傍100meVで積分した光電子強度を図3に示す。Γ点を中心とした2つの電子的フェルミ面つまり角ばったβフェルミ面と丸いγフェルミ面が、超格子などの表面の影響無しに観測される。またX点(π,π)を中心として角ばったホール的なαフェルミ面が観測される。
図2
図3
次いで最も関心の高い正孔ドープ高温超伝導体のLa2-xSrxCuO4(いわゆるLSCO)のARPESをオーバードープ、最適ドープ、アンダードープの試料について行った。この系ではx=0.15を最適ドープとしてこれよりxの大きなオーバードープ系からこれよりxの小さいアンダードープ系までの一連の物質が成長されている。さて研究開始と同時にSrCuO2と比べてCu3dの強度が著しく弱いことがわかった。2次元ARPESのためにはそれでも20本から30本のスペクトルをとらねばならず、1つのxで1つの光エネルギーでの測定でさえ優に10〜20シフトを要することが判明した。図4はkxを変えて(0, 0)−(0, π)方向に平行に測定した一連のARPESを示したものである。
図4
また図5はこれを元にフェルミ準位の上下100meVで積分した強度を示す。黄色に抜けているのは、測定時間の制約から測定を省いた部分である。最適ドープに近いx=0.16では明らかに(0, π)の手前でフェルミ準位をきっておりこれが電子的FSであることは疑う余地がない。つまり報告されてきた低hνのARPESの結果とは明らかに異なる。x≤0.14のアンダードープ域でのFSについても、低hνのARPESとは顕著な差がある。つまり(π, 0)や(0, π)付近の直線的なFS、それはストライプ構造を反映しているといわれてきたのであるが、それが最適ドープ試料では観測されずアンダードープ域でのみ観測にかかるのである。この結果は、x≤0.12でストライプが安定に存在するとされる中性子非弾性散乱実験のシナリオと矛盾しないものである。このように2次元性が高い高温超伝導物質においてもその電子状態の議論には低エネルギー光電子分光だけでは不十分な事が明らかとなったのである。
図5
研究はさらに電子ドープのNd2-xCexCuO4(いわゆるNCCO)系についても行った[14][14]M.Tsunekawa, A.Sekiyama, S.Kasai, S.Imada, Y.Onose, Y.Tokura, T.Muro and S.Suga : J. Electron Spectorsc. Rel. Phenom. in press. (2005)
Bulk electronic structures of n-type superconductor Nd1.85Ce0.15CuO4 probed by high-energy angle resolved photoemission spectroscopy.。
これらの結果は極めてホットな話題であるので近々本論文として発表の予定であり、ここにこれ以上の詳細を載せる事が出来ないのは残念である。またさらにCu-O鎖1次元系についてはARPESとは相補的な関係にある高分解能の共鳴非弾性X線散乱実験(RIXS)を精力的に行って研究の展開を図っている。
参考文献
[1]A.Sekiyama, T.Iwasaki, K.Matsuda, Y.Saitoh, Y.Onuki and S.Suga : Nature 403 (2000) pp.396-398.
Probing bulk states of correlated electron systems by high resolution resonance photoemission.
[2]A. Sekiyama, K.Kadono, K.Matsuda, T.Iwasaki, S.Ueda, S.Imada, S.Suga, R.Settai,H.Azuma, Y.Onuki and Y.Saitoh : J.Phys.Soc.Jpn.69 (2000) pp.2771-2774.
Bulk4f Electronic States of Ce-Based Heavy Fermion System Probed by High-Resolution Resonance Photoemission.
[3]R.-J.Jung, B.-H.Choi, S.-J.Oh, H.-D.Kim, E.-J.Cho, T.Iwasaki, A.Sekiyama, S.Imada, S.Suga and J.-J.Park : Phys.Rev.Lett. 91 (2003) 157601-1~ 4 .
Localized character of 4f electrons in CeRhx(x=2,3) and CeNix(x=3,5).
[4]S.-K.Mo, J.D.Denlinger, H.-D.Kim, H.-H.Park, J.W.Allen, A.Sekiyama, A.Yamasaki, K.Kadono, S.Suga, Y.Saitoh, T.Muro, P.Metcalf, G.Keller, K.Held, V.Eyert, V.I.Anisimov and D.Vollhardt : Phys.Rev.Lett. 90 (2003) 186403-1~4
Prominent quasiparticle peak in the photoemission spectrum of the metallic phase of V2O3.
[5]A.Sekiyama, H.Fujiwara, S.Imada, S.Suga, H.Eisaki, S.I.Uchida, K.Takegahara, H.Harima, Y.Saitoh, I.A.Nekrasov, G.Keller, D.E.Kondanov, A.V.Kozhevnikov, Th.Pruschke, K.Held, D.Vollhardt and V.I.Anisimov : Phys.Rev.Lett. 93 (2004) 156402-1~4.
Mutual Experimental and Theoretical Validation of Bulk Photoemission Spectra of Sr1-xCaxVO3.
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High energy angle resolved photoemission spectroscopy probing bulk correlated electronic states in quasi-one-dimensional V6O13 and SrCuO2.
[10]A. Sekiyama and S. Suga : J. Electr. Spectrosc. Rel. Phenom.137-140 (2004) 681-685.
High energy bulk sensitive angle-resolved photoemission study of strongly correlated systems.
[11]A.Sekiyama, S.Kasai, M.Tsunekawa, Y.Ishida, M.Sing, A.Irizawa, S.Imada, T.Muro, Y.Saitoh, Y.Onuki, T.Kimura, Y.Tokura and S.Suga : Phys. Rev. B 70 (2004) 060506(R).
Technique for bulk Fermiology by photoemission applied to layered ruthenates.
[12]S.Kasai, A.Sekiyama, M.Tsunekawa, P.T.Ernst, S.Imada, M.Sing, T.Muro, T.Sasagawa, H.Takagi, and S.Suga : J. Phys. Chem. Solids in press (2005).
Soft X-ray ARPES of La2-xSrxCuO4: probing bulk electronic states and Fermi surfaces different from those obtained by low-hn ARPES.
[13]S.Kasai, A.Sekiyama, M.Tsunekawa, S.Imada, P.T.Ernst, M.Sing, S.Suga, T.Muro, T.Sasagawa and H.Takagi : J.Electron Spectorsc. Rel. Phenom. in press. (2005).
Bulk electronic state of high Tc cuprate La2-xSrxCuO4 observed by high-energy angle-resolved photoemission spectroscopy.
[14]M.Tsunekawa, A.Sekiyama, S.Kasai, S.Imada, Y.Onose, Y.Tokura, T.Muro and S.Suga : J. Electron Spectorsc. Rel. Phenom. in press. (2005)
Bulk electronic structures of n-type superconductor Nd1.85Ce0.15CuO4 probed by high-energy angle resolved photoemission spectroscopy.
菅 滋正 SUGA Shigemasa
大阪大学大学院 基礎工学研究科 物性物理工学領域 教授
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