Volume 10, No.1 Pages 7 - 8
1. SPring-8の現状/PRESENT STATUS OF SPring-8
SPring-8運転・利用状況
SPring-8 Operational News
◎平成16年9~11月の運転・利用実績
SPring-8は9月23日から第6サイクルの運転を6週間連続運転モード、10月28日から第7サイクルの運転を4週間連続運転モードで実施した。第6~7サイクルでは台風による停止、機器の誤動作による停止、RFの反射異常等による停止があり、総放射光利用運転時間(ユーザータイム)内での故障等による停止時間(down time)は約4.1%であった。
放射光利用実績については、実験された共同利用研究の課題は合計437件、利用研究者は2126名で、専用施設利用研究の課題は合計145件、利用研究者は692名であった。
1.装置運転関係
(1)運転期間
第6サイクル(9/23(木)~10/27(水))
第7サイクル(10/28(木)~11/19(金))
(2)運転時間の内訳
運転時間総計 約1349時間
①装置の調整及びマシンスタディ等 約34時間
②放射光利用運転時間 約1261時間
③故障等によるdown time 約54時間
総放射光利用運転時間(ユーザータイム=②+③)に対するdown timeの割合 約4.1%
(3)運転スペック等
①第6サイクル(マルチバンチ及びセベラルバンチ運転)
・160 bunch train×12(マルチバンチ)
・4 bunch train×84
・11 bunch train×29
・203 bunches
・入射は1分毎(セベラルバンチ時)もしくは5分毎(マルチバンチ時)にTop-Upモードで実施。
・蓄積電流 8GeV、~100mA
②第7サイクル(マルチバンチ及びセベラルバンチ運転)
・160 bunch train×12(マルチバンチ)
・6/42-filling+35 bunches
・203 bunches
・入射は1分毎(セベラルバンチ時)もしくは5分毎(マルチバンチ時)にTop-Upモードで実施。
・蓄積電流 8GeV、~100mA
(4)主なdown timeの原因
①台風による運転停止
②FE機器の誤動作によるアボート
③RFキャビティの反射異常によるアボート
④ID RF-BPMのアボート信号によるアボート
(5)トピックス
①9月29日の台風21号及び10月21日の台風23号の接近に伴う暴風警報の発令により加速器の運転を停止した。その際に、大雨の影響で一部のケーブルダクトに水が浸水したため、直ちに排水作業を行い各機器及び安全系の健全性の確認をして運転を再開した。
2.利用関係
(1)放射光利用実験期間
第6サイクル(9/23(木)~9/29(水))(9/30(木)~10/27(水))
第7サイクル(10/28(木)~11/19(金))
(2)ビームライン利用状況
稼働ビームライン
共用ビームライン(R&D含む) 25本
理研ビームライン 6本
原研ビームライン 4本
専用ビームライン 9本
加速器診断ビームライン 2本
共同利用研究課題 437件
共同利用研究者数 2126名
専用施設利用研究課題 145件
専用施設利用研究者数 692名
(3)トピックス
①9月23日の11時45分頃にBL22XUのFE部FCSの閉信号によりビームアボートが発生した。調査を行ったところ、FCSは閉じていなかったので誤動作と判断して運転を再開したが、22時頃に再発したためFCSラッチボックス及びFCSコントローラーの交換を行い運転を再開した。その後、9月27日及び28日に同じ現象によりビームアボートが発生した。再発の可能性と短時間での復旧は困難と判断し、BL22XUを閉鎖とした。9月29日からのBLスタディ時に復旧を行い稼動を開始したが、10月22日に再び同じ原因でビームアボートが発生したためBL22XUを閉鎖とした。
②11月3日の21時20分頃にBL16XUのFE部FCSの閉信号によりビームアボートが発生した。調査を行ったところ、FCSは閉じていなかったので誤動作と判断して運転を再開したが、22時半頃に再発したためFCS-ラッチボックス間のケーブル交換を行い運転を再開した。
◎平成16年11月の運転・利用実績
SPring-8は11月22日から12月27日まで5週間連続運転モード(セベラルバンチ運転)で第8サイクルの運転を実施している。第8サイクルの運転・利用実績については次号にて掲載する。
◎今後の予定
(1)12月28日からの冬期長期運転停止期間は、通常実施している加速器やビームラインに係わる機器の改造・点検作業、電気・冷却設備等の機器の点検作業等の他に台風被害による蓄積リング棟屋根の恒久的修理作業を行うため、現在の所、未定である。冬期長期運転停止期間後の運転計画及び詳細な運転条件とあわせて、決定しだいユーザーに報告する。