Volume 09, No.5 Pages 374 - 375
3. 研究会等報告/WORKSHOP AND COMMITTEE REPORT
文部科学省ナノテクノロジー総合支援プロジェクト
平成15年度放射光グループ研究成果報告会
「放射光利用ナノテク最前線2004」
Meeting on the Results of FY2003 Research Activities by Synchrotron Radiation Research Group of the Nano Technology Researchers Project, MEXT
研究成果報告会 プログラム委員会 Program Committee, Meeting on the Results of Research Activities
昨年に引き続き、平成16年6月21日(月)に東京国際フォーラムで、SPring-8(JASRI、原研、物材)と立命館大学の主催による放射光グループ研究成果報告会“放射光利用ナノテク最前線2004”を開催しました。
今回の報告会は、招待講演2件、平成15年度に支援した研究成果報告7件に加え、新しい試みとして、支援テーマ毎に研究成果を紹介するポスター発表13件を実施し、参加人数も産学官から約170名と昨年にも増し盛大に行われました。
招待講演では、JASRIの古宮コーディネーターから、産業界におけるSPring-8利用について講演をいただき、東北大学の岩佐教授からは、Nature materialsにも掲載された研究成果について講演をいただきました。研究成果発表7件とともに、活発な議論・質疑応答が繰り広げられ、ナノテク研究における放射光利用の有効性及び必要性が伺えるとともに、放射光に対する期待の大きさを感じました。一方、今回新たな試みとして実施したポスター発表では、参加者がポスター発表者と直接研究内容について、議論することができたようで、ポスター発表に約2時間を割り当てたにもかかわらず、午後からの講演時間にまで食い込むほど、活発な議論がなされていました。
開会挨拶をするJASRIの小林ナノテク推進室長
熱心に講演する東北大学の岩佐先生
SPring-8におけるナノテクノロジー総合支援プロジェクトも今年で3年目に入り、後2年で終了します。1年目、2年目で整備したナノテク研究に特化した新規設備も順調に稼働しており、今まで出来なかったユニークな研究支援が展開できるようになりました。これにより、成果も着実に挙りつつあります。
現在、SPring-8では、設備等ハード面の充実もさることながら、放射光利用の経験のない方々にもナノテク研究における放射光の有効性を知ってもらい活用していただこうと、ソフト面の充実も図っています。その一環として、今回の報告会のほか、研究テーマを絞ったワークショップも開催しています。詳細については、SPring-8及びSPring-8ナノテクノロジー総合支援プロジェクトホームページに、適宜掲載していきますので、ご覧いただき、活用いただければと思います。
=プログラム=
10:00〜10:05
開会挨拶
小林 啓介 (財)高輝度光科学研究センター
10:05〜10:10
「ナノテクノロジー総合支援プロジェクトの推進について」
中村 英俊 ナノテクノロジー総合支援プロジェクトセンター
10:10〜10:55
招待講演 「SPring-8の産業利用〜分析技術の復権〜」
古宮 聰 (財)高輝度光科学研究センター
10:55〜11:25
研究成果報告 「X線CTによる磁場中凝固・電気化学処理により作製したマイクロ・ナノポーラス材料の評価」
安田 秀幸 大阪大学大学院 工学研究科
11:25〜11:55
研究成果報告 「光電子顕微鏡を用いたX線イメージング」
小野 寛太 高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所
11:55〜13:45
ポスター発表
13:45〜14:30
招待講演 「分子とナノカーボンの複合化による機能物性」
岩佐 義宏 東北大学 金属材料研究所
14:30〜15:00
研究成果報告 「Au(788)表面上の遷移金属ナノ構造の電子状態と磁性」
藤澤 英樹 (独)理化学研究所 表面化学研究室
15:00〜15:30
研究成果報告 「超熱酸素分子線によるCu表面酸化過程の光電子分光研究」
岡田 美智雄 大阪大学大学院 理学研究科
15:30〜16:00
研究成果報告 「Fe量子ワイヤーの核共鳴散乱法による研究」
瀬戸 誠 京都大学 原子炉実験所
16:15〜16:45
研究成果報告 「超小角X線散乱法(USAXS)によるナノ粉体の粒度分布解析」
橋本 久之 電気化学工業㈱
16:45〜17:15
研究成果報告 「NEXAFSによるポリマー薄膜表面・界面の研究」
冨永 哲雄 JSR㈱
17:15〜17:20
閉会挨拶
岡本 篤彦 立命館大学