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Volume 18, No.2 Page 201

6. 談話室・ユーザー便り/USER LOUNGE・LETTERS FROM SPring-8 USERS

企画委員会の設置 −ワークするSPRUC を目指して−
Inauguration of Planning Committee in SPRUC - aiming for self-organized SPRUC –

雨宮 慶幸 AMEMIYA Yoshiyuki

SPring-8ユーザー協同体(SPRUC) 会長/東京大学大学院 新領域創成科学研究科 Graduate School of Frontier Sciences, The University of Tokyo

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 SPring-8ユーザー協同体(SPRUC)が発足して丸1年がたちました。昨年度は、普段の各研究会活動に加えて、1)SPring-8シンポジウム2012の開催、2)研究会活動を通した、SPring-8の将来計画と現状の運営に関するユーザーからの意見調査、3)代表機関会議の開催、4)SPRUCの今後の運営に関する議論、を行いました。
 1万人を超える巨大なユーザー協同体(SPRUC)を有機的に運営し、SPring-8の利活用を更に効率的に行うためには、2年目は文字通りワークするSPRUCを目指す必要があると考えています。そこで、本年(2013年)1月の評議員会では、SPRUCの中に新たに企画委員会を設置することを決めました。企画委員会設置の目的は、その中に随時、ワーキンググループ(作業部会)を時限付きで作り、SPRUCとして取り組むべき項目について活動の骨子を作ることにあります。
 まず始めに、SPring-8の将来計画を考える上で必要となる、作業部会「放射光科学将来ビジョン」を立ち上げました。この作業部会の設置目的は、日本の放射光科学のグランドデザインの議論と意見集約を行い、それを踏まえてSPring-8の将来計画を検討することです。濱広幸教授(東北大学)に作業部会の取り纏めをお願いしました。
 今年度は、さらに下記の項目に関する作業部会を立ち上げる予定です。

作業部会「研究会組織検討(仮称)
 SPRUCの会員で構成され、SPring-8を利用するサイエンス・実験技術の発展を推し進める研究会は、SPRUCの基盤的活動であり重要です。研究会の活動を更に活性化し、研究成果やビームラインに関する情報交換を円滑に行える仕組みを検討します。

作業部会「大学院連合検討(仮称)
 大学院生や若手研究者が放射光測定技術や放射光科学の基礎を踏まえて放射光を活用することが、レベルの高い研究成果の創出と人材育成にとって必要です。そこで、既存の大学院における教育プログラムを有機的に統合するとともに、実習を組み合わせたカリキュラムや教育システムを構築することを検討します。

作業部会「ビームタイム活用検討(仮称)
 今後更に広いユーザー層がSPring-8で研究を行うためには、限られたビームタイムを如何に有効に活用するかが重要です。そこで、これまでJASRIスタッフが中心になって行ってきた研究開発やユーザー支援に関する課題(所謂、12条課題)の考え方の整理、また、各ビームラインの留保シフト数(現在、一律20%)の柔軟な運用等についてユーザーとスタッフの双方の視点から議論を行い、SPring-8の利活用の効率を高めることを検討します。

 かなり盛り沢山な予定ですが、SPRUCが、期待されている本来の役割を果たせるような仕組み作りを具体的に行っていきたいと考えています。
 SPRUC会員の皆様の今後の益々のご協力とご理解をよろしくお願いします。



雨宮 慶幸 AMEMIYA Yoshiyuki
東京大学大学院 新領域創成科学研究科
〒277-8561 柏市柏の葉5-1-5
基盤棟601
TEL:04-7136-3750
e-mail:amemiya@k.u-tokyo.ac.jp



Print ISSN 1341-9668
[ - Vol.15 No.4(2010)]
Online ISSN 2187-4794