Volume 09, No.3 Pages 191 - 192
1. SPring-8の現状/PRESENT STATUS OF SPring-8
SPring-8運転・利用状況
SPring-8 Operational News
◎平成16年1~3月の運転・利用実績
SPring-8は1月19日から第1サイクル、2月25日から第2サイクルをそれぞれ5週間連続運転モードで実施した。第1~2サイクルではRFやビームラインの機器異常による停止等があり、総放射光利用運転時間(ユーザータイム)内での故障等による停止時間(down time)は約0.8%であった。
放射光利用実績については、実験された共同利用研究の課題は合計398件、利用研究者は1782名で、専用施設利用研究の課題は合計147件、利用研究者は604名にのぼった。
1.装置運転関係
(1)運転期間
第1サイクル(1/19(月)~2/20(金))
第2サイクル(2/25(水)~3/26(金))
(2)運転時間の内訳
運転時間総計 約1491時間
①装置の調整及びスタディ等 約339.3時間
②放射光利用運転時間 約1142.3時間
③故障等によるdown time 約9.4時間
総放射光利用運転時間(ユーザータイム=②+③)に対するdown timeの割合 約0.8%
(3)運転スペック等
①第1~2サイクル(マルチ及びセベラルバンチ運転)
・160 bunch train×(12-1)
・1/12 filling+10 single bunches
・203 bunches
・1日2回(10時、22時)もしくは1日1回(10時)の定時入射をTop-Upモードで実施。
・蓄積電流 8GeV、~100mA
(4)主なdown timeの原因
①RFの反射異常及びサーキュレーターアーク等によるビームアボート。
②BL光学ハッチの機器動作不良によるアボート
③ID補正電磁石電源異常によるアボート
④FE機器の動作不良によるアボート
(5)トピックス
①3月11日に加速器診断BL05SSのハッチ漏洩検査を行い、問題なく終了した。
2.利用関係
(1)放射光利用実験期間
第1サイクル(1/26(月)~2/4(水))(2/5(木)~2/9(月))(2/11(水)~2/20(金))
第2サイクル(2/26(木)~3/3(水))(3/4(木)~3/15(月))(3/17(水)~3/26(金))
(2)ビームライン利用状況
稼働ビームライン
共用ビームライン(R&D含む) 25本
理研ビームライン 6本
原研ビームライン 4本
専用ビームライン 9本
加速器診断ビームライン 2本
共同利用研究課題 398件
共同利用研究者数 1782名
専用施設利用研究課題 147件
専用施設利用研究者数 604名
(3)トピックス
①2月15日にBL47XUにて非常停止ボタンによるアボートが発生したため調査をしたところ、ユーザーが実験ハッチ退出ボタンと非常停止ボタンを間違えて押した事によるものと判明。安全上問題が無いことを確認して運転を再開した。
②3月7日にBL20B2にてPLC用UPSの故障による安全系インターロックのアボートが発生した。直ちに予備品と交換し運転を再開した。
③3月11日にBL08Wフロントエンド部のスクリーンモニタオープンエラーによるアボートが発生したためマシン収納部内に入室して調査をしたところ、制御用ケーブルの放射線損傷によるステータス異常と判明した。直ちにメカニカルロック等の対処を行い運転を再開した。
◎今後の予定
(1)3月31日から7月16日までサイクル間の運転停止期間・中間運転停止期間をはさみ、4週間連続運転モードの運転(第3、第5サイクル)と5週間連続運転モードの運転(第4サイクル)を行う。詳細な運転条件については決定しだい、ユーザーに報告する。