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Volume 17, No.1 Page 66

5. SPring-8 通信/SPring-8 COMMUNICATIONS

2010A期 採択長期利用課題の中間評価について
Interim Review Results of 2010A Long-term Proposals

(財)高輝度光科学研究センター 利用業務部 User Administration Division, JASRI

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 2010A期に採択された1件の長期利用課題について、平成23年11月にSPring-8利用研究課題審査委員会長期利用分科会により中間評価が行われました。
 長期利用課題の中間評価は、実験開始から1年半が経過した課題の実験責任者が成果報告を行い、長期利用分科会が、対象課題の3年目の実験を実施するかどうかの判断を行うものです。以下に対象課題の評価結果および評価コメントを示します。


課題名 次世代光ストレージ開発のための相変
化微粒子材料のピンポイント構造計測
実験責任者(所属) 山田 昇(パナソニック株式会社)
採択時の課題番号 2010A0030
利用ビームライン BL40XU
評価結果 3年目を実施する

〔評価コメント〕
 本研究課題は、SPring-8で培われた放射光計測技術(ピンポイント構造計測)を材料開発へ活用することにより、高速大容量の次世代光ディスクの開発を目的としている。この分野において世界をリードするという高い目標をもっていることも推察される。
 研究初期段階において、研究グループが当初計画していたGSTの20 nm微粒子試料作成には、“酸化”という想定外の困難が発生したため、研究遂行に若干の遅れが生じたが、この困難を克服して新しい試料作成法を開発し、比較的短期間で問題解決に至ったことは評価できる。次いで、当グループは、放射光計測装置に試料位置微調整用フィードバック機構を加える等の改良を施し、100 nm級ではあるが、新規手法により実デバイス構成に近い擬似微粒子を作成し、レーザー・X線同時照射実験を行った。その結果、構造変化に伴うX線回折強度の時間変化をナノ秒の時間スケールにて捉えることに成功したことは評価に値するが、その変化の原子レベルの解析には至っておらず今後の進展に期待する。また、GST薄膜とGS薄膜を試料として、レーザー照射後のレーザー光を利用した反射率の時間変化測定を行い、GSの方が次世代光ディスク材料として適する可能性を見出したことも評価に値する。
 今後は、レーザー・X線同時照射実験による20 nm以下の微粒子での構造変化測定を目指し、当初の目的を達成して頂きたい。その結果が、光デバイス開発のブレイクスルーへと繋がることを期待する。



Print ISSN 1341-9668
[ - Vol.15 No.4(2010)]
Online ISSN 2187-4794