Volume 09, No.1 Page 1
新年ご挨拶
New Year’s Greeting
あけましておめでとうございます。
文部科学省、日本原子力研究所、理化学研究所、兵庫県をはじめ地元自治体、学界、産業界など関係の皆さま方には、平素より当財団の運営につきまして、格別のご支援、ご協力を賜わり、ここに厚くお礼を申し上げます。
昨年は、お陰をもちまして、うれしいニュースが相次いだ年となりました。7月には、ダイハツ工業と日本原子力研究所の共同研究チームが、SPring-8を使って自己再生機能を解明した「インテリジェント触媒」の研究開発・実用化で、先端技術大賞の経済産業大臣賞を受賞され、また11月には、大阪大学の中野貴志教授が、SPring-8を使った「レーザー電子ガンマ線による(クォーク5個からなる)新粒子の発見」により、仁科記念賞を受賞されました。このほかナノテクノロジー総合支援プロジェクト、タンパク3000プロジェクト、産業利用トライアルユースなども順調に進捗し、供用開始7年目を迎えたSPring-8は、基礎研究と応用研究の両面で、また物質科学から生命科学まで幅広い分野で、本格的利用段階にふさわしい研究成果をあげつつあります。
一方、大きい期待とともに始まった21世紀も早4年目になりましたが、わが国経済を取り巻く内外の状況は依然として厳しいものがございます。これを乗り越え、わが国が新たな発展の道を切り開いていくためには、先端的科学技術の蓄積とその産業への応用が欠かせません。世界最高性能の分析解析装置であるSPring-8の運営に携わる私どもといたしましても、基礎科学の発展に寄与するとともに、応用科学の分野で産官学連携を進め、ナノテクノロジー、バイオテクノロジーなどに基盤を置いた産業の発展を通じて、科学技術創造立国に貢献してまいりたいと考えております。
また昨年は理化学研究所が独立行政法人となり、平成17年度には日本原子力研究所も新独立行政法人への移行が予定されるなど、当財団の経営環境も大きく変わりつつあります。私どもは、こうした特殊法人・公益法人改革の主旨に沿い、先の国のSPring-8中間評価報告を踏まえて、財団の運営システム、運営組織の一層の効率化を進め、所期の使命を遂行してまいる所存でございます。
どうか皆さまには、倍旧のご支援、ご協力を賜わりますようお願い申し上げます。