Volume 08, No.3 Page 147
1. SPring-8の現状/PRESENT STATUS OF SPring-8
SPring-8運転・利用状況
SPring-8 Operational News
◎平成15年1~3月の運転・利用実績
SPring-8は1月20日から第1サイクル、2月26日から第2サイクルをそれぞれ5週間連続運転モードで実施した。第1~2サイクルでは電磁石や挿入光源からの漏水によるビーム廃棄、RF反射異常による停止等があり、総放射光利用運転時間(ユーザータイム)内での故障等による停止時間(down time)は約1.9%であった。
放射光利用実績については、実験された共同利用研究の課題は合計460件、利用研究者は1991名で、専用施設利用研究の課題は合計160件、利用研究者は695名にのぼった。
1.装置運転関係
(1)運転期間
第1サイクル(1/20(月)~2/21(金))
第2サイクル(2/26(水)~3/28(金))
(2)運転時間の内訳
運転時間総計 約1495.5時間
①装置の調整及びスタディ等 約296時間
②放射光利用運転時間 約1177時間
③故障等によるdown time 約22.5時間
総放射光利用運転時間(ユーザータイム=②+③)に対するdown timeの割合 約1.9%
(3)運転スペック等
①第1~2サイクル(マルチ及びセベラルバンチ運転)
・160 bunch train×(12-1)
・11 bunch train×29
・定時入射1日2回(10時、22時)もしくは1日1回(10時)
・蓄積電流 1~99mA
(4)主なdown timeの原因
①電磁石冷却水ホース及び挿入光源からの漏水によるビーム廃棄。
②RFの反射異常及びサーキュレーターアーク等によるビームアボート。
③機器の誤動作によるビームアボート。
(5)トピックス
①3月18日のマシンスタディ時に全セルの電磁石QM7、QM10の冷却水ゴムホースの交換を行った。
2.利用関係
(1)放射光利用実験期間
第1サイクル(1/25(土)~1/29(水))(1/30(木)~2/12(水))(2/14(金)~2/21(金))
第2サイクル(2/27(木)~3/5(水))(3/6(木)~3/17(月))(3/19(水)~3/28(金))
(2)ビームライン利用状況
稼働ビームライン
共用ビームライン(R&D含む) 25本
理研ビームライン 5本
原研ビームライン 4本
専用ビームライン 9本
加速器診断ビームライン 1本
共同利用研究課題 460件
共同利用研究者数 1991名
専用施設利用研究課題 160件
専用施設利用研究者数 695名
(3)トピックス
①2月7日に蓄積リングのBゾーンFE専用冷却水系に漏水の兆候が見られたので定時入射時にビームを廃棄してマシン収納部内に入室したところID17からの漏水を確認した。
応急処置を行ったがマシン収納部内での修理・復旧は困難と判断し2月22日からの運転停止中にID17の撤去及びダミーチェンバーの置換を行った。
②2月21日にBL33LEP、BL35XUの試験運転前自主検査、2月25日にBL38B2のインターロック試験を行い、問題なく終了した。
◎今後の予定
(1)4月2日から7月11日までサイクル間の運転停止期間・中間運転停止期間をはさみ、4週間連続運転モードの運転(第3、第5サイクル)と5週間連続運転モードの運転(第4サイクル)を行う。詳細な運転条件については決定しだい、ユーザーに報告する。