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Volume 08, No.2 Pages 107 - 110

3. 研究会等報告/WORKSHOP AND COMMITTEE REPORT

第6回SPring-8利用技術に関するワークショップ
The 6th Technical Workshop for SPring-8 Utilization
総 括

篭島 靖 KAGOSHIMA Yasushi

姫路工業大学大学院 理学研究科 Himeji Institute of Technology, Graduate School and Faculty of Science

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 第6回SPring-8利用技術に関するワークショップが、2002年12月18日から20日の3日間の日程で、SPring-8普及棟において開催された。2002年のビームタイムが終了してホッと一息つきたいタイミングであったが、多くの方に参加していただき(全参加者数100名)、主催団体である利用者懇談会の庶務幹事であり本ワークショップを担当した立場として、大変に喜ばしいことであった。各セッションのコーディネーター、事務局をはじめ関係者および参加者に心から感謝申し上げたい。
 当初公式には、12月19日と20日の二日間の開催の予定であったが、セッション1のコーディネーターから是非国際ワークショップの形式で開催したい旨の要望があり、外国人参加者の滞在期間を考慮し、開催日を一日繰り上げることとした。事務局の負担を増やしてしまう結果になってしまったが、従来のワークショップに国際色が加わり、新しい試みとしては成功したのではなかったかと思っている。
 一昨年度までの利用技術に関するワークショップは、テーマを限定して開催されてきたが、昨年度からはテーマを提案型にし、その中から主催者が選択したテーマをワークショップとして開催する形式に変更された。今年は5テーマの申込があったが1テーマにはご辞退いただき、「セッション1:X線発光分光の現状とSPring-8における新たな展開の可能性」、「セッション2:SPring-8利用研究の最前線」、「セッション3:不規則系物質の構造解析の最近の進展−SPring-8の高強度単色高エネルギーX線を用いた精密構造解析-」、「セッション4:超高圧・超高温科学の放射光利用による新展開を目指して」の4つのセッションを開催することとした。セッション3と4はパラレルセッションとなったが、プログラム上は3つのセッションに参加できる構成とした。
 各セッションのプログラムを文末に添付した。それぞれのセッションの概要、印象等についてはコーディネーターから寄稿していただいたので是非目を通していただき、SPring-8における利用技術の進展の様子を少しでも身近に感じていただき、各ユーザーの実験に何らかの形で役に立てれば幸いである。
 私自身は、ワークショップの担当者として一応全セッションの様子は見て回った。会場の席数に余裕があったせいか空席が目立ったが、各セッションとも活発な議論が行われていたようである。中でも、セッション2の「SPring-8利用研究の最前線」は、コーディネーターの植木先生がセッション冒頭に述べられたように、SPring-8でしかできない第三世代放射光源の利用を強く意識した発表で構成され、常々コヒーレントX線光学の研究を標榜している私にとってはとてもインパクトがあり、強く刺激を受けたセッションであった。いずれ、発表者のOHPで構成される報告書が利用懇会員の皆さんの手元に届くと思うが、是非各会員の今後の利用研究の発展に活用していただきたいと思う。
 最後に、12月19日の夕刻に開催されたワークショップ懇親会の様子を載せさせていただく。異なる研究グループの数少ない交流の場として、それなりの「懇親」が図れたものと思っている。

 
 
 
 
 
第6回SPring-8利用技術に関するワークショップ プログラム 
 
日時:2002年12月18日(水)〜20日(金)
場所:SPring-8普及棟
主催:(財)高輝度光科学研究センター、SPring-8利用者懇談会


セッション1:普及棟(大講堂)
「X線発光分光の現状とSPring-8における新たな展開の可能性」
"Present Status and Future Prospects of XES at SPring-8"
コーディネーター:七尾 進(東京大生産研)

第1日目 12月18日(水)
午後(13:40-17:30)
13:40−14;00 Opening Remarks
       Yasuo Udagawa (IMRAM,Tohoku Univ.)
14:00−14:30 "Theoretical Aspects of Resonant Inelastic X-Ray Scattering" 
       Akio Kotani (ISSP, Univ. of Tokyo)
14:30−15:00 "Magnetic Circular Dichroism of x-ray emission spectroscopy for Sm L3,2M4,5 in Sm-Co alloy"
       Tetsuya Nakamura (JASRI)
15:00−15:30 Coffee break
15:30−16:00 "Magnetism under high pressure investigated by x-ray emission spectroscopy"
       Jean-Pascal Rueff  (Univ. Pierre et Marie Curie)
16:00−16:30 "Soft X-ray emission study on electronic structures of solids; possibilities and perspectives"
       Shik Shin (ISSP, Univ. of Tokyo)
16:30−17:00 "Inelastic Scattering X-Ray with meV resolution at SPring-8"
       Alfred Baron (JASRI)
17:00−17:30 "Current Status of the Taiwan Inelastic X-ray Scattering Beamline at SPring-8"
       Yong Cai (Taiwan BL Office at SPring-8)
18:00−19:30 Banquet (buffet style) only for the session 1

第2日目 12月19日(木)
午前(9:00−11:40)
9:00−9:30 "Inelastic X-ray scattering study of electronic excitations in condensed matter"
       Chi-Chang Kao (NSLS)
9:30−10:00 "Resonant and non-resonant inelastic x-ray scattering studies on Perovskite transition metal oxides"
       Jun'ichiro Mizuki (JAERI)
10:00−10:20 Coffee break
10:20−10:50 "A crystal array analyzer to study the electronic structure"
       Pieter Glatzel (Utrecht Univ.)
10:50−11:20 "Non-resonant Raman scattering and lifetime-free XAFS in low Z elements"
       Hisashi Hayashi (IMRAM Tohoku Univ.)
11:20−11:40 Concluding Remarks
       Susumu Nanao (IIS, Univ. of Tokyo)


セッション2:普及棟(大講堂)
「SPring-8利用研究の最前線」
コーディネーター:植木龍夫(JASRI)
12月20日(金) 
午前(9:00−12:30)(講演時間は30分+10分)
A.Baron(JASRI)
   "High Resolution Inelastic Scattering at SPring-8 : instrument and its application"
西野吉則(理研)
   「オーバーサンプリングによるX線散乱イメージング」
   (X-ray scattering imaging by over-sampling technique)
休憩
熊谷教孝(JASRI)
   「蓄積リングのトップアップ運転と将来のリング高度化構想」
   (The top-up operation and future development of the storage ring)
岩本裕之(JASRI)
   「高輝度マイクロビームを使った生物微細試料の回折」
   (Diffraction experiment from minute biological specimen by utilizing microbeam)
竹内晃久(JASRI)
   「超高分解能CT法と応用」
   (High spatial resolution X-ray CT and its application)


セッション3:普及棟(中講堂)
「不規則系物質の構造解析の最近の進展 -SPring-8の高強度単色高エネルギーX線を用いた精密構造解析-」
コーディネーター:鈴谷賢太郎(日本原子力研究所)
第1日目 12月19日(木)(講演時間40分、質疑応答を含む)
午後(13:25−17:05)
13:25−13:30 「はじめに」
       鈴谷賢太郎(原研放射光)
13:30−14:10 「高エネルギーX線とPDF解析による強誘電体の構造」
       米田安宏(原研放射光)
14:10−14:50 「高エネルギーX線回折による液体ゲルマニウムの構造と電子 -イオン相関の研究」
       川北至信(九州大学)
14:50−15:05 休憩
15:15−15:45 「高エネルギーX線とDACを組み合わせた高圧力下のアモルファス構造解析実験」
       大村彩子(お茶の水女子大学大学院)
15:45−16:25 「高エネルギーX線を用いたHF系室温溶融塩の構造解析」
       松本一彦(京都大学大学院)
16:25−17:05 「過冷却Si融液の構造と物性」
       渡辺匡人(学習院大学)
18:00−19:30 懇親会


第2日目 12月20日(金)
午後(13:30−17:05)
13:30−14:10 「高エネルギーX線回折ビームラインBL04B2および非晶質物質用二軸回折計」
       小原真司、大石泰生、一色麻衣子(JASRI)
14:10−14:50 「ウェーブレット解析によるガラスの中距離構造の解析」
       内野隆司(神戸大学)
14:50−15:05 休憩
15:05−15:45 「逆モンテカルロ法によるネットワークガラスのリング構造解析」
       小原真司(JASRI)
15:45−16:25 「高エネルギーX線による圧縮シリカガラスの構造解析」
       稲村泰弘(原研放射光)
16:25−17:05 「2次元検出器「YAPイメージャー」を用いた高エネルギーX線回折の迅速測定」
       広田克也、鈴木昌世(JASRI)
17:05−17:15 「おわりに」
       鈴谷賢太郎(原研放射光)


セッション4:普及棟(大講堂)
「超高圧・超高温科学の放射光利用による新展開を目指して」
コーディネーター:清水克哉(大阪大基礎工)
第1日目 12月19日(木)(25分講演(20分発表5分質疑応答)15分休憩)
午後(13:30−17:40)
13:30−13:40 「ワークショップの主旨」
       清水克哉(世話人)
13:40−13:50 「SPring-8の現況」
       下村 理(原研放射光)
<高温実験−プレス> 司会:廣瀬 敬(東工大)
13:50−14:15 「焼結ダイヤモンドアンビルを用いたKawai型装置による高温高圧X線その場観察」
       入舩徹男(愛媛大)
14:15−14:40 「高温高圧その場観察の遷移金属酸化物単結晶育成への応用」
       東 正樹(京都大学)
14:40−15:05 「液体・非晶質の構造変化」
       片山芳則(JAERI)
15:05−15:20 休憩
<基盤技術>
15:20−15:45 「合成ダイヤモンドのDACへの適用」
       角谷 均(住友電工伊丹研)
15:45−16:10 「高圧下におけるCs2Au2Br2の電子密度分布:−高圧回折データの測定・補正・解析法−」
       西堀英冶(名大院工)
<高温実験−DAC>
16:10−14:35 「レーザー加熱による物質合成研究」
       遊佐 斉(物質・材料研究機構)
16:35−16:50 休憩
<超高温実験>
16:50−17:15 「物質分解の拘束による超高圧生成」
       川島 康(東海大)
17:15−17:40 「高強度レーザーによる超高圧超高温発生」
       中井光男(阪大レーザー研)
18:00−19:30 懇親会


第2日目 12月20日(金)(25分講演(20分発表5分質疑応答)15分休憩)
午後(13:30−16:30)
<高温実験−DAC>
13:30−13:55 「液体の回折実験」
       船守展正(東大理)
13:55−14:20 「BL10におけるレーザー加熱実験:現状と展望」
       廣瀬 敬(東工大)
14:20−14:45 「高温高圧実験でビームタイムを効率的に使うために」
       永井隆哉(阪大院理)
14:45−15:00 休憩
<高温実験−DAC>
15:00−15:25 「APSで実験してみて」
       佐多永吉(物性研八木研)
15:25−15:50 「バセット型外熱式ダイヤモンドアンビルセルを用いたX線回折、赤外吸収、ラマン散乱実験の現状」
       川本竜彦(京大別府)
<総括>
15:50−16:15 「共用BL運営に関して」
       大石泰生(JASRI)
16:15−16:30 「終わりに」
       清水克哉(世話人)


篭島 靖 KAGOSHIMA  Yasushi
姫路工業大学大学院 理学研究科 物質科学専攻
〒678-1297 兵庫県赤穂郡上郡町光都3-2-1
TEL:0791-58-0230 FAX:0791-58-0236
e-mail:kagosima@sci.himeji-tech.ac.jp
URL:http://www.sci.himeji-tech.ac.jp/material/x-ray_optics/
略歴:
1996年10月より 現職
2001年4月より SPring-8利用懇編集幹事
2002年4月より 同庶務幹事



Print ISSN 1341-9668
[ - Vol.15 No.4(2010)]
Online ISSN 2187-4794