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Volume 16, No.2 Page 176

6. 告知板/ANNOUNCEMENTS

最近のSPring-8 関係功績の受賞
SPring-8 Related Achievements

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※功績が認められ最近受賞されたSPring-8利用者等を掲載しています。

第101回日本学士院賞
主催:日本学士院
受賞者 廣瀬 敬
東京工業大学 大学院理工学研究科 教授
業績名 マントル最深部の物質とダイナミクスに関する研究
ビームライン BL10XU
研究内容  地球の内部は高圧高温の世界であり、そのような極限環境下の実験が困難であるがゆえに、地球深部物質の構造や物性については未だ多くの謎が残されている。受賞者らは、レーザー加熱式ダイヤモンドアンビルセルと呼ばれる装置を用いて、地球内部に相当する高圧高温の環境を作り出し、X線回折測定によって地球深部物質の構造を調べている。2004年に、下部マントルの主要鉱物である、MgSiO3組成のペロフスカイト相が、120万気圧/2500ケルビン以上でポストペロフスカイト相へ相転移することを発見した。その結果、マントル最下部層の主要鉱物はこのポストペロフスカイト相であること、これまで説明できなかった最下部マントルの地震波速度異常の多くがこのポストペロフスカイト相の地震波伝播特性で説明出来ることなどがあきらかになった。さらに、ペロフスカイト相とポストペロフスカイト相の間の相転移境界が大きな負の圧力/温度勾配を持つことから、この相転移がマントルの対流運動を活発化させていることもわかった。またポストペロフスカイト相はペロフスカイト相よりも数桁高い電気伝導度を持ち、地球の自転速度の変動にも大きな影を与えている可能性を指摘した。
受賞理由  以上のように、受賞者の研究がこれまで謎だらけだったマントル最深部の理解を大きく進め、近年のマントルの研究を発展させたことが高く評価された。


平成23年度文部科学大臣表彰 科学技術賞(研究部門)
主催:文部科学省
受賞者 北川 進
京都大学 物質―細胞統合システム拠点 副拠点長
業績名 金属錯体系多孔性物質の創製と機能開発に関する研究


平成23年度文部科学大臣表彰 若手科学者賞
主催:文部科学省
受賞者 北浦 良
名古屋大学 大学院理学研究科 准教授
業績名 ナノ空間を利用した物質科学の開拓の研究
受賞者 髙橋 幸生
大阪大学 大学院工学研究科 准教授
業績名 コヒーレントX線散乱イメージング技術の開発と応用の研究
受賞者 西堀 英治
名古屋大学 大学院工学研究科 准教授
業績名 放射光X線を用いた結晶構造解析の研究
受賞者 深井 周也
東京大学 放射光連携研究機構 准教授
業績名 X線結晶構造解析による細胞シグナリング複合体の研究
受賞者 矢貝 史樹
千葉大学 大学院工学研究科 准教授
業績名 高度に組織化された機能性色素集合体の構造と機能研究



Print ISSN 1341-9668
[ - Vol.15 No.4(2010)]
Online ISSN 2187-4794