Volume 07, No.3 Pages 173 - 174
1. SPring-8の現状/PRESENT STATUS OF SPring-8
SPring-8運転・利用状況
SPring-8 Operational News
◎平成14年1~3月の運転・利用実績
SPring-8は1月15日から第1サイクル、2月13日から第2サイクルの運転をそれぞれ4週間連続運転モードで実施し、3月13日から第3サイクルの運転を3週間連続運転モードで実施した。第1~3サイクルでは機器の誤動作による停止、冷却水流量低下による停止、RFのサーキュレーターアークによる停止等があり、総放射光利用運転時間(ユーザータイム)内での故障等による停止時間(down time)は約1.4%であった。
放射光利用実績については、実験された共同利用研究の課題は合計365件、利用研究者は1707名で、専用施設利用研究の課題は合計133件、利用研究者は577名にのぼった。
1.装置運転関係
(1)運転期間
第1サイクル(1/15(火)~2/ 8(金))
第2サイクル(2/13(水)~3/ 8(金))
第3サイクル(3/13(水)~3/29(金))
(2)運転時間の内訳
運転時間総計 約1512時間
①装置の調整及びマシンスタディ等 約363時間
②放射光利用運転時間 約1133時間
③故障等によるdown time 約16時間
総放射光利用運転時間(ユーザータイム=②+③)に対するdown timeの割合 約1.4%
(3)運転スペック等
①第1サイクル(マルチバンチ及びセベラルバンチ運転)
・203 bunch
・203 bunch-(4 bunch×7)
・10/84 fill+73 single bunches
・5/42 fill+36 single bunches
・定時入射 1日2回(10時、22時)もしくは1日1回(10時)
・蓄積電流 1~99 mA
②第2サイクル(マルチバンチ運転)
・160 bunch train×(12-1)
・定時入射 1日1回(10時)
・蓄積電流 1~99mA
③第3サイクル(セベラルバンチ運転)
・2/21 fill+18 single bunches
・10/84 fill+73 single bunches
・定時入射 1日1回(10時)
・蓄積電流 1~99 mA
(4)主なdown timeの原因
①機器の誤動作によるInter lock
②真空悪化によるInter lock
③冷却水の流量低下によるInter lock
④SR-RFサーキュレーターアーク
(5)トピックス
①第2サイクル(3月1日)に43セルのフォトンダクトゲートバルブの圧空が漏れ弁体が下がり放射光が照射したため真空が悪化しビームアボートが発生した。直ちにマシン収納部内に入室し圧空配管の修理を実施して運転の再開を行った。
2.利用関係
(1)放射光利用実験期間
第1サイクル(1/19(土)~1/30(水))(1/31(木)~2/6(水))
第2サイクル(2/14(木)~2/20(水))(2/21(木)~2/25(月))(2/27(水)~3/8(金))
第3サイクル(3/14(木)~3/20(水))(3/21(木)~3/27(水))
(2)ビームライン利用状況
稼働ビームライン
共用ビームライン 21本
R&Dビームライン 3本
理研ビームライン 3本
原研ビームライン 3本
専用ビームライン 7本
加速器診断ビームライン 1本
共同利用研究課題 365件
共同利用研究者数 1707名
専用施設利用研究課題 133件
専用施設利用研究者数 577名
(3)トピックス
①第1サイクル(1月19日)に203 bunchのフィリングで90mA以上入射出来ない状況となったため、フィリングを203 bunch-(4bunch×7)に変更してユーザータイムを実施した。
②第1サイクル(1月20日)にBLギャップアラーム(GAPA)とビームインターロックモジュール(BIM)間の誤動作でアボート信号が2度発生したためBIMの系統を切り替えて対応を行った。
③第1サイクル(1月26日)にBL43IRのミラーに放射光が当たった事による真空の悪化でビームアボートが発生したため、BL43IRを閉鎖して蓄積リングの運転の再開を行った。BL43IRの運転の再開は第7サイクル以降の予定である。
④BL26B1とBL26B2のBL自主検査を2月12日、試験運転前自主検査を3月11日に終了した。
またBL32B2とBL37XUのBL自主検査も3月11日に終了し、4月1日の試験運転前自主検査に合格となれば、コミッショニングを開始する予定である。◎今後の予定
(1)4月2日から7月12日までサイクル間の運転停止期間・中間点検運転停止期間をはさみ、4週間連続運転モードの運転(第4、第6サイクル)と5週間連続運転モードの運転(第5サイクル)を行う。詳細な運転条件については決定しだい、ユーザーに報告する。