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Volume 07, No.1 Pages 53

6. 告知板/ANNOUNCEMENTS

国際規制物資(ウランやトリウムを含む試料)を用いた放射光実験について
SPring-8 Rule for Using Samples Containing Uranium or Thorium

多田 順一郎 TADA Junichiro

(財)高輝度光科学研究センター 安全管理室 JASRI Safety Office

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 2001年10月1日付けで、SPring-8の実験ホールにおける国際規制物資レベルのウランやトリウムの使用が許可され、引き続いて提出した計量管理規定も12月19日付で認可されました。その結果、下記の許可条件で、ウランやトリウムを含む試料を放射光実験に使用できるようになりました。


(1)蓄積リング棟実験ホール(側室を含む)

      MBA符号    KMWA

(2)利用実験施設X線実験室(108・109)

      MBA符号    KMWB

区 分   供給当事国  許可数量(g)

天然ウラン アメリカ    50

      フランス    40

劣化ウラン アメリカ    40

      フランス    40

      その他*     10

トリウム   その他*     10

*その他とは、米、仏、英、豪、加、中、露、以外の国をいう


使用目的:

 光と電子の相互作用を利用したウラン化合物及びトリウム化合物の電子状態、磁気的状態、および結晶構造の研究(昨年はじめの利用者に対する事前調査に基づいて、かなり具体的な使用目的の説明資料を提出していますので、個別の課題についてはその範囲に合致するか否かを事前に審査します)

使用方法:

 XAFS、EXAFS、XAS、XMCD、X線回折、コンプトン散乱、メスバウア効果などによる試料解析


 これらの使用場所におけるウランやトリウムを含む試料の取り扱いは、試料が密封されているとみなし得る状態であることを前提とします。密封の状態の適否は、個別に判断しますので、予め安全管理室にご相談ください。

 なお、SPring-8の取得したものは国際規制物資の使用許可ですので、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年六月十日法律第百六十六号)の第52条に規定された使用許可を有する施設からしか、試料を受け入れることができませんので、予めご承知置き下さい。

 実際に、ウランやトリウムを含む試料を持ち込むためには、先ず、使用目的などが許可の条件に合致しているか否かを審査する必要があります。そのため、次のような情報を記載した“実験計画書”を実験開始の4週間以上前(厳守)にご提出下さい(現在のところ、特に書式は決めてありません)。


1.実験責任者・課題番号

2.使用目的(許可証記載の条件に合致していること)

3.使用方法(許可証記載の条件に合致していること)

4.核燃料物質の区分(天然ウラン、劣化ウラン、またはトリウムの別)

5.核燃料物質の供給当事国(許可の範囲であること)

6.核燃料物質の化学形

7.核燃料物質の質量(ウランの質量および化合物の質量)

8.核燃料物質の形状、個数

9.核燃料物質の密封の方法

10.核燃料物質の送り出し事業所(52条施設に限る)の名称、MBA番号、及びその計量管理者名と連絡先

11.搬入および搬出予定日


 また、定義量(3.7MBq)未満の密封された放射性物質を持ち込む際に、ご提出いただく書類(http://4users.spring8.or.jp/に掲載)を予めご提出下さい。

 ウランやトリウムを含む試料は、実験終了後、総てもとの事業所に持ち帰っていただくことになりますので、そのための手続きも準備しておいて下さい。なお、ウラン標識蛋白結晶は、国際規制物資としての管理から外れることになりました。


多田 順一郎 TADA Junichiro

(財)高輝度光科学研究センター 安全管理室

〒679-5198 兵庫県佐用郡三日月町光都1-1-1

TEL:0791-58-0874 FAX:0791-58-0932

e-mail:tada@spring8.or.jp



Print ISSN 1341-9668
[ - Vol.15 No.4(2010)]
Online ISSN 2187-4794