ページトップへ戻る

Volume 07, No.1 Page 1

新年ご挨拶
New Year’s Greeting

小林 庄一郎 KOBAYASHI Shoichiro

(財)高輝度光科学研究センター 会長 JASRI, President

Download PDF (36.75 KB)

 あけましておめでとうございます。
 平素より当財団の運営につきましては、文部科学省、日本原子力研究所、理化学研究所、兵庫県をはじめ地元自治体、学界、産業界など関係の皆様方に格別のご支援、ご協力を賜り、ここに厚く御礼申し上げます。

 平成9年10月のSPring-8の供用開始以来、4年あまりが経過いたしました。施設整備も順調に進み、昨年10月には共用ビームライン24本を含め、合計37本のビームラインが稼動するまでになり、本格的な利用段階にはいりました。これまでに延べ18000人を超える利用者により、約3000もの利用研究が実施され、様々な分野において世界レベルの研究成果が次々と発表されております。

 このように本格的な利用段階を迎えましたSPring-8でございますが、昨年には施設の一層の有効利用を目指して、利用促進部門を中心とした放射光研究所の組織の再編を行いました。また、産業界をはじめとする施設利用拡大のため、その橋渡しとなるコーディネータを増員し、充実を図るとともに、設備面においては共用の「産業利用ビームライン」の整備につとめました。このビームラインにつきましては、現在本格利用に向けて、産業界からも広くご参加いただき、ユーザーのご意見を反映しながら調整運転を行っているところでございます。

 本年には、この「産業利用ビームライン」が本格稼動するほか、共用の「分光分析ビームライン」、製薬22社による専用の「創薬産業ビームライン」、国のタンパク3000プロジェクトを担う理化学研究所の2本のビームラインなども稼動を開始いたします。また、現在進められている国によるSPring-8プロジェクトの中間評価の結果が出ることが予定されておりますが、この評価結果を受けて、運営の面からも、本格的利用段階にふさわしい態勢を整えてまいりたいと考えております。

 昨年発表された国の第二期科学技術基本計画における重点分野、バイオサイエンスやナノサイエンスなどの先端科学技術研究の発展に重要な役割を果たす放射光科学の中核的研究拠点がSPring-8に他なりません。私どもは、SPring-8の持てる力をフルに引き出し、経済・社会の発展に貢献できますよう尽力してまいる所存でございます。

 皆様におかれましても、従来に増してご支援、ご協力を賜りますよう切にお願い申し上げます。



Print ISSN 1341-9668
[ - Vol.15 No.4(2010)]
Online ISSN 2187-4794