Volume 06, No.2 Pages 94 - 97
1. SPring-8の現状/PRESENT STATUS OF SPring-8
SPring-8運転・利用状況
SPring-8 Operational News
◎平成12年12月の運転・利用実績
SPring-8は12月5日から第12サイクル運転を3週間連続運転モードで実施した。第12サイクルではSRRFサーキュレーターアーク等による停止が数回あったが、総放射光利用運転時間(ユーザータイム)内での故障等による停止時間(down time)は約2.1%であった。
放射光利用実績については、実験された共同利用研究の課題は合計113件、利用研究者は556名で、専用施設利用研究の課題は合計36件、利用研究者は138名にのぼった。
1.装置運転関係
(1)運転期間
第12サイクル(12/5(火)~12/22(金))
(2)運転時間の内訳運転時間総計 約412時間
①装置の調整及びマシンスタディ等 約76時間
②放射光利用運転時間 約329時間
③故障等によるdown time 約7時間
総放射光利用運転時間(ユーザータイム=②+③)に対するdown timeの割合 約2.1%
(3)運転スペック等①第12サイクル(セベラルバンチ運転)
・6/42-fill+35 single bunch
・203 bunch‐(4 bunch×7)
・定時入射 1日2回(8時、20時)
・蓄積電流 1~99mA
(4)主なdown timeの原因①SR-RFサーキュレーターアーク
②ID位相駆動用ロータリーエンコーダーのシーケンサの不具合
③MBS開閉用電磁弁動作不良
2.利用関係
(1)放射光利用実験期間
第12サイクル(12/6(水)~12/20(水))
(2)ビームライン利用状況稼働ビームライン
共用ビームライン 17本
R&Dビームライン 3本
理研ビームライン 3本
原研ビームライン 3本
専用ビームライン 5本
加速器診断ビームライン 1本
共同利用研究課題 113件
共同利用研究者数 556名
専用施設利用研究課題 36件
専用施設利用研究者数 138名
(3)トピックス①第12サイクルは12月1日のJASRI創立記念日の関係で、通常の3週間連続運転モードより、1日長い運転期間となった。
3.ニュースバル関係
ニュースバルの第12サイクルは、順調に利用運転(焼き出し運転含む)及びマシンスタディ等を行った。
(1)運転期間(土日は基本的に運転停止)第12サイクル(12/6(水)~12/20(水)
◎平成12年12月~平成13年1月の実績
1.SPring-8関係
SPring-8は12月23日(土)から平成13年1月14日(日)まで冬期の長期運転停止期間として以下の作業・点検等を実施し予定通り終了した。
(1)線型加速器関係①FCV、OTR真空作業
②OTR架台設置及び光学系アライメント作業
③ブースタークライストロン交換作業
④RF出力試験
⑤その他作業及び点検
(2)シンクロトロン関係①LSBT系BPM改造作業
②SSBT系電源Inter lockシーケンス改造作業
③SSBT系OTRモニタ設置作業
④その他作業及び点検
(3)蓄積リング関係①ビームラインの増設
②挿入光源の新規据付・既設改修作業
③FEの新規据付・既設改造調整作業
④長直線部アライメント確認作業
⑤長直線部NEG再活性化作業
⑥制御用データベース交換作業
⑦その他作業及び点検
(4)ユーティリティ関係①高調波フィルター他点検作業
②SRマシン冷却設備他瞬低対策作業
③消防設備点検作業
④その他作業及び点検
(5)安全管理関係①入退出管理システム定期点検
②放射線監視システム定期点検
③放射線モニタ点検
④全停止信号モジュール切替作業
⑤その他作業及び点検
2.ニュースバル関係
ニュースバルは12月21日(木)から平成13年1月17日(水)まで冬期の長期運転停止期間として以下の作業・点検等を実施し予定通り終了した。
(1)主な作業・点検①SU搬出作業
②VME点検作業
③機械設備定期点検
④その他作業及び点検
◎平成13年1月の運転・利用実績
SPring-8は1月15日から第1サイクルを3週間連続運転モードで実施した。第1サイクルでは冷却水の流量低下等による停止が数回あったが、総放射光利用運転時間(ユーザータイム)内での故障等による停止時間(down time)は約0.6%であった。
放射光利用実績については、実験された共同利用研究の課題は合計110件、利用研究者は458名で、専用施設利用研究の課題は合計36件、利用研究者は138名にのぼった。
1.装置運転関係
(1)運転期間
第1サイクル(1/15(月)~2/2(金))
(2)運転時間の内訳運転時間総計 約429時間
①装置の調整及びマシンスタディ等 約117.5時間
②放射光利用運転時間 約309.5時間
③故障等によるdown time 約2.0時間
総放射光利用運転時間(ユーザータイム=②+③)に対するdown timeの割合 約0.6%
(3)運転スペック等①セベラルバンチ運転
・2/21-fill+18 single bunch
・203 bunch‐(4 bunch×7)
・定時入射 1日2回(8時、20時)
・蓄積電流 1~99mA
(4)主なビーム調整・パラメータ取得項目①通常のビーム調整
②BPM再現性の確認
③COD自動補正フリーラン
④ユーザータイムのフィリングの確認
⑤チューンセパレーション
(5)主なdown timeの原因①冷却水の流量低下によるInter lock
②SR電磁石電源回路不良による非常停止の際の挿入光源のrf-BPM によるInter lock
2.利用関係
(1)放射光利用実験期間
第1サイクル(1/18(木)~1/31(水))
(2)ビームライン利用状況稼働ビームライン
共用ビームライン 17本
R&Dビームライン 3本
理研ビームライン 3本
原研ビームライン 3本
専用ビームライン 5本
加速器診断ビームライン 1本
共同利用研究課題 110件
共同利用研究者数 458名
専用施設利用研究課題 36件
専用施設利用研究者数 138名
(3)トピックス①BL45XUは第11サイクルから挿入光源の真空リークのため利用が制限されていたが、冬期長期停止期間中に修理を行い、第1サイクルから通常利用を再開した。
②蓄積リング棟付属施設W及び医学利用実験棟照射室(1)を管理区域に設定。BL20XUのコミッショニングを開始した。
③第1サイクルで第6回(2000B)共同利用が終了した。
3.ニュースバル関係
ニュースバルの第1サイクルは、順調に利用運転(焼き出し運転含む)及びマシンスタディ等を行った。
(1)運転期間(土日は基本的に運転停止)第1サイクル(1/18(木)~1/31(水))
◎今後の予定
(1)2月7日から6月29日までサイクル間の運転停止期間・中間運転停止期間をはさみ、4週間連続運転モードの運転を5サイクル(第2~6サイクル)行う予定である。運転条件については決定しだい、ユーザーに報告する。(詳細については「SPring-8運転計画」を参照)
◎平成13年度のSPring-8運転計画
SPring-8では平成13年度(平成13年4月~平成14年3月)の運転を以下のように計画している。但し、本計画は現在のところ確定されたものではなく、今後の検討により修正される可能性がある(特に7月以降の運転計画)。
正式に運転計画が決定され次第、SPring-8ホームページや利用者情報誌等でお知らせする。
(1)運転予定表別図1に平成13年度(2001年度)の運転計画を示す。
(2)運転計画の内訳①サイクル数
平成13年度は合計10サイクル(平成13年;第4~第10、平成14年;第1~第3)の運転を予定している。
②1サイクル当たりの期間
1サイクル当たりの期間は、原則4週間連続運転モードで行う予定である。
③マシンスタディ
3週間連続運転モードでのマシンスタディの期間はサイクルの後半に行う予定。4週間連続運転モードでのマシンスタディの期間はサイクルのなかばに行う予定である。
④運転停止期間
サイクル間の運転停止以外の主な長期運転停止期間は、以下の通りである。
・中間点検4月28日~ 5月9日
・中間点検10月27日~11月6日
・夏期停止6月30日~ 8月31日
(マシン及びビームライン調整期間も含む)
・冬期停止12月22日~平成14年1月13日
(3)運転スペック等各サイクルの詳細な運転スペック(蓄積電流値やバンチ運転、フィリング等)については、利用者の要望等を踏まえ、各サイクル開始前に開催される「スケジュール調整会議」で、検討・調整をする。
会議で決定された運転スペックについては、すみやかにSPring-8ホームページ等でお知らせする。
(4)注意事項中間点検期間・長期停止期間については、今後の検討により変更される可能性がある。また、停止期間中に設置、増設されるビームラインや挿入装置についても変更される可能性がある。
図1 平成13年度(2001年度)運転計画予定表