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Volume 06, No.1 Pages 57 - 58

5. 研究会等報告/WORKSHOP AND COMMITTEE REPORT

「リニアック技術研究会」報告
Report on Linear Accelerator Meeting

小林 利明 KOBAYASHI Toshiaki

(財)高輝度光科学研究センター 放射光研究所 加速器部門 JASRI Accelerator Division

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 リニアック技術研究会は、主に線型加速器の運転・保守・改良等についての研究発表を行う目的で発足した。25年前に第1回リニアック技術研究会がKEKで始まり、その後も研究交流と親睦を深める場として、開催地を移しながら年一回のペースで行われている。今年は、SPring-8が開催地となったが、交通や利便性を考え、姫路での開催とした。また兵庫県立粒子線治療センターにも加わって頂き、第25回のリニアック技術研究会は、SPring-8主催、兵庫県立粒子線治療センター協賛で、7月12日〜14日の3日間、姫路市商工会議所にて開催した。
 口頭発表は2階大ホール(最大500人収容)で行い、講演時間は、発表件数から1講演あたり12分間の発表時間と3分間の質疑応答とした。また発表の分類は今までの例に倣い、現状報告、将来計画・FEL、電子銃・イオン源、加速空洞、RF、運転・制御、ビーム診断、ビーム応用、その他、招待講演の11の分類とした。また、本研究会でも研究者と企業の交流を図るための企業展示を企画し、11社の賛同が得られたので、7月12、13日の2日間、1階ポスター発表会場内で企業展示が行われた。
 研究会初日、(財)高輝度光科学研究センター放射光研究所の上坪所長の開会挨拶に続いて、現状報告のセッションが始まった。時代を反映してか、このセッションにも低エミッタンス電子銃を目指すRF電子銃の現状報告が多数あった。午後からは1階でポスターセッションによる発表と企業展示、15:30からは2階で現状報告、将来計画・FELの発表と続いた。ポスターセッションの会場は、ポスターのパネルとパネルの間隔が広く確保できたのは良かったが、1枚のパネルの大きさが少し小さく、発表者の方々にはご迷惑をおかけしてしまった。 
 
 
 
上坪所長挨拶 
 
 
 
研究会会場 
 
 
 
ポスターセッション 
 
 2日目は9:00からの電子銃・イオン源、FEL、加速空洞の発表、昼食をはさんで、1階でポスターセッションによる発表と企業展示であった。
 午後の最後のセッションである招待講演は、東海大学の山花先生に『古代エジプトのガラス質遺物を対象とした放射光分析』というタイトルで、古代考古学についてSPring-8を用いた研究成果も交えて講演して頂いた。また、国立天文台ハワイ観測所の佐々木先生には、ハワイからお越し頂いて『地上観測の限界を切り開くすばる望遠鏡』というタイトルで講演して頂いた。国立天文台ハワイ観測所の構成機器の説明とすばる望遠鏡を用いた天体観測の写真も織り交ぜながらの講演であった。両講演とも、質問が相次ぎ、時間オーバーぎみであったが、大変有意義な時間を持つことができた。
 懇親会は18:00から、姫路駅南口のホテルサンガーデンにバスで移動して行った。参加者は約178名で、熊谷加速器部門長の挨拶、乾杯の後、約2時間の間旧交を温めながら歓談に花を咲かせた。最後に、長年この研究会の推進にご努力されていた東北大学理学部附属原子核理学研究施設の小山田先生が定年退官されることもあり、ご挨拶をお願いした。そして、次回リニアック技術研究会の開催地に決定した高エネルギー加速器研究機構の木原先生のご挨拶を頂いた。
 最終日には、午前のセッションの後SPring-8と県立粒子線治療センターの見学会を行った。見学会参加者は130名で、標準コース(姫路-リニアック-リング-粒子線治療センター-相生・姫路、約3時間)、短縮Aコース(姫路-リニアック-リング-相生・姫路、 約2時間)、短縮Bコース(姫路-粒子線治療センター-相生・姫路、約2時間)の3つのコースを設定して、希望のコースの送迎バスに乗って頂いた。SPring-8と兵庫県立粒子線治療センターのある播磨科学公園都市は、姫路からバスで1時間と長い距離であったにも拘わらず、たくさんの方々に見学して頂いた。 
 
 
 
SPring-8見学会 

 

 3日間の研究会開催期間中に188名の研究会参加者があり、口頭発表39件、ポスター発表98件、招待講演が2件、の計139件の発表であった。発表講演数の内訳を見ると、現状報告 15、将来計画・FEL 17、電子銃・イオン源 25、加速空洞 25、RF 22、運転・制御 10、ビーム診断・応用 19、その他 4、招待講演 2、である。ここ数年は研究会参加者人数と発表件数に大きな変動はなかった。
 最後にこの研究会を開催するにあたり、ご協力頂いた高輝度光科学研究センターの研究業務課及び加速器部門事務室の方々に、この紙面をお借りして、厚くお礼申し上げます。 
 
 
 
懇親会会場

小林 利明 KOBAYASHI  Toshiaki
(財)高輝度光科学研究センター 放射光研究所 加速器部門
〒679-5198 兵庫県佐用郡三日月町光都1-1-1
TEL:0791-58-0843 FAX:0791-58-0850
e-mail:tkoba@spring8.or.jp



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[ - Vol.15 No.4(2010)]
Online ISSN 2187-4794