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Volume 05, No.4 Pages 256 - 261

2. 共用ビームライン/PUBLIC BEAMLINE

軟X線光化学ビームライン(BL27SU)の現状
Current Status of Soft X-ray Photochemistry BL27SU

大橋 治彦 OHASHI Haruhiko、為則 雄祐 TAMENORI Yusuke

(財)高輝度光科学研究センター 放射光研究所 利用促進部門 JASRI Experimental Facilities Division

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1.はじめに
 BL27SUビームラインについて本誌で報告[1]して早いもので2年が経つ。当時はFigure-8型アンジュレータからのハート型のパワー分布[2]が初めて観測された感動覚めやらぬ時期で、一部ブランチでユーザー利用が開始されたばかりであった。その後、この新型アンジュレータの詳細な評価実験[3]を経て、当初から計画[4]に盛り込まれていた高分解能回折格子型分光器や反応性気体試料の供給処理装置の設置が進められた。一時は毎月のように変貌していた現場だが2000年3月末にようやく大型機器の設置が一段落するに至り、建設期を脱したと考えている。
 本稿では、BL27SUの概要を簡単に紹介した後、建設期に注力した分光器について述べ、次いで拡充期に転換しつつある実験ステーションの近況を報告する。

2.BL27SUの概要
(1)建設期の共同利用研究テーマ
 BL27SUは、多様な内殻励起光化学反応研究を推進するビームラインとして計画された。これまでに実施された共同利用の研究テーマを大別すると、①物理化学的観点・手法に基づく反応動力学的研究:例えば高分解能軟X線を用いて、振動モード準位を規定した内殻励起分子の解離ダイナミクスの研究(CO2, H2O)(於ステーションc)、②工学的観点に基づく探索的研究:軟X線励起の光CVD(chemical vapor deposition)法やアブレーション法による薄膜形成やエッチングなど新しい機能性材料の作製や反応の探索(Si系化合物、有機物)(於ステーションb)、③ビームライン技術開発的研究:強度を損なわず空間的に軟X線を絞り込むための高集光光学系の開発(於ステーションa)や、新型アンジュレータ光の評価(於ステーションt)などがあげられる。建設期特有の不自由をものともせずユーザーは顕著な成果をあげつつある。これらについては別途ユーザー自らが紹介する機会を頂戴することにしたい。

(2)実験ステーションの構成
 BL27SUは複数サブグループの相乗りビームラインという歴史的背景から、大きく分けて4つの実験ステーション(a,b,c及びt)に、十近くの実験装置がひしめき合っている。アンジュレータ光の評価を主たる目的として光学素子を通さないステーションtと、強度を優先するため分光素子を介さずミラーだけで構成された照射用のステーションa及びb、そして軟X線領域の超高分解能を用いるステーションcから構成される。これらは排他利用である。このうち実験ステーションa,b及びcはブランチであるので、ビームを使わない保守・調整は独立に可能である。なお、実験ステーションb及びcは、b1,b2及びb3と、c1,c2及びc3のそれぞれ3連タンデム化が計画され、すでに一部運用を開始している。

3.建設期のビームライン整備
(1)建設期のビームライン整備状況

 BL27SU建設期の最重点課題として、①気体試料を窓なしで扱えるビームラインと複数の実験ステーションの整備、②新開発の直線偏光アンジュレータの評価、③高分解能軟X線分光器の建設及び④大強度マイクロビーム形成光学系の試作、を4本の柱として、SPring-8内外の関係者の協力を得て、装置開発及び建設に注力した。以下に分光器の整備状況を紹介する。

(2)分光器の仕様
 BL27SUでは、0.1keVから2keVを超える広い範囲をカバーできる高分解能の軟X線分光器が求められた。特に光化学反応の対象として重要な軽元素(C,O,Nなど)のK殻励起が可能なエネルギー範囲から1keV前後でもエネルギー分解能104を実用的に提供する分光器が計画[5]された。
 図1にBL27SUのcブランチの光学系の概要を示す。2枚の球面鏡(M21,M22)で偏角を離散的に選ぶが、エネルギー走査は収差補正型不等間隔刻線の平面回折格子の回転のみによって行う。回折格子はホログラフィック露光イオンビームエッチング法により製作された3面(G1,G2及びG3)をエネルギー範囲に応じて球面鏡との組合せで選択する。球面鏡と回折格子の一覧を表1に示す。レイトレースの検討からは、分解能がスロープエラーによって律速されていたため、当時製品として入手可能な最も高精度のスロープエラーを調査した上で、所望の分解能に必要不可欠とされた0.1秒以下に製造管理された光学素子を手配した。 
 
 
 
図1 BL27SU(cブランチ)の光学系概要

表1 分光器の回折格子と球面鏡の一覧

Energy 0.8-2.7keV 0.3-1.2keV 0.1-0.6keV
Grating G1 G2 G3
Groove 1200/mm 1400/mm 600/mm
Mirror M21 M22 M22
Angle 88.0deg 86.7deg 86.7deg
Material Au / Si

(3)全イオン収量スペクトルの例
 BL27SUの分光器は、SPring-8における他の軟X線ビームラインと同様に極めて高分解能を達成している。図2にNeの1s励起全イオン収量の計測結果を示す。これは吸収スペクトルに相当するものである。Neの1sから3pへの吸収は鋭いピークを示すことから装置分解能の評価に好んで用いられてきたが、今や超高分解能の分光器を前にして役不足の感が否めない。これまでは自然幅による広がりをローレンツ関数成分として除き、残りをガウス関数成分として分離し1次分光器の分解能を評価することが試みられてきた[6]。こうしたフィッティングによって見積もられた自然幅は新しい分光器が開発されるたびに更新されているが、最近では1sから3pへの吸収で比較的狭い自然幅として0.25(±0.020)eV程度[6]が報告されている。図2の吸収スペクトルでは半値全幅を取ったとしてもすでにこの自然幅と同等である。これでは信頼性よく波形分離することは困難であり、もはや自然幅の影響を含むこのような方法では評価不能であるくらい超高分解能に達している。これはSPring-8の軟X線ビームライン共通の贅沢な悩みであろう。  
 
  
 
図2 Neの全イオン収量スペクトル 
 
 同様にN2の1sからπ*への全イオン収量スペクトルを図3に示す。これも400eV付近で分光器分解能を評価するためによく用いられてきた。104以上のエネルギー分解能の達成は、3番目のピークと1番目の谷の比が0.7以下が目安[7]とされるが、BL27SUで得られたこのスペクトルの場合、0.61程度である。この簡便な方法も評価の域を越えてしまっている。 
 
 
 
図3 N2の全イオン収量スペクトル 
 

(4)高エネルギー軟X線領域の結果
 上述の超高分解能とは一線を画するが、BL27SUの分光器をSPring-8の軟X線ビームラインの中で特徴付けているのが高エネルギー軟X線領域を積極的にカバーしている点である。2枚の前置鏡の入射角をともに89.4度と斜入射にすることにより、当初計画では見送られた軟X線結晶分光器が本来得意とするであろう2keV〜3keVの領域を敢えて回折格子分光器によりカバーすることを試みた。高エネルギー領域まで分光器に取り込むことは、高次光の影響や熱負荷の点でデメリットとなる。しかし、同一の実験装置で広範な元素の内殻準位を励起可能とする利便性を考慮したもので、BL27SUの特徴のひとつとなろう。すでに1.7keV付近でKrの吸収スペクトルや光電子スペクトルの計測が進められており気相試料でも十分に信号が得られている。フォトダイオードの計測から試料点付近でのフラックスは水平偏光を1次光とした場合に1.7keVにておよそ1011 photons/sec/100mAを観測している。このときの分解能は4000程度である。固体ならばNaC単結晶のC吸収端近傍(2.7keV)での全電子収量の計測が試験的に行われ、入射出射スリットとも20µm程度で、吸収ピーク付近で1k・counts/sec(ビーム電流100mA換算、検出器はMSP、74µrad×5.5 µrad取り込み)が得られている。

(5)分光器の今後の課題
 BL27SUで手にした超高分解能分光器の「出来」を知るために、高分解能の電子エネルギー分析器を用いた外殻軌道励起により生成した光電子の運動エネルギー計測などの手法を試みている。次項で紹介する気体用高分解能光電子分光装置は昨年度末に納品され、早速JASRIポスドクの清水雄一郎氏を中心に活躍し始めたところである。
 一方でビームライン機器としての分光器の真価は、ワールドレコードもさることながら定常的に使える条件で「ユーザーがつこうてなんぼのもん」である。分解能が高くなったためにこれまでは見えなかった冷却水からの振動が問題となり、熱負荷による前置鏡や回折格子光学系の安定性が一層求められている。BL27SUには気相実験ユーザーが多く、分光器に対する要求は明るさも安定性も兼ね備えた上で、1keVで104は当然とされ、さらに高分解能を欲する声は止まるところを知らないかのようである。ユーザーからの厳しい技術的要請に答えるために今夏計画している改造を前に、ビームライン担当者は緊張を未だ解けない。
 放射光分光器を操作どころか走査すらしたことのなかった当時のビームライン担当者らによって1年程度の調整で簡便な方法では評価困難といえるくらいの超高分解能を達成できた。その理由は、SPring-8の安定で高性能な光源を背景に、琉球大学石黒英治先生をはじめとする関係者の強力な支援があったからに他ならない。さらに、有形無形のうちに引き継がれているPF、INS−SORとその取引先製造各社や、分光器を所内で積極的に自作してきたUVSORなどの多くの方々によって長年にわたって地道に蓄積された機器製造や設置に関するノウハウの賜物であり、この場を借りて先達に深く感謝したい。同時に、BL27SUで新たに試みているいくつかの技術課題について、その成否を広く知っていただくことは今後のより高性能な分光器建設に繋がるものと考え、何らかの機会に失敗談を含め報告できればと考えている。

4.拡充期のビームライン高度化整備計画
(1)ビームライン高度化整備計画
 建設期に先送りになっていた以下の4つの重要課題については最重点項目として2000年度内をめどに共用開始や技術開発を推進する計画である。
①反応性気体試料の供給処理装置
②気体試料用高分解能光電子分光装置
③ユーザー持ち込み大型機器の受け入れ体制の強化
④軟X線マイクロビーム技術の高度化
 以下では上述の①〜③の現状を報告する。

2)反応性気体試料の供給処理設備
 多様な光化学反応を対象とするには、反応性の高い気体試料は不可避である。いずれのブランチにおいても反応性気体の使用はビームライン計画段階から強く望まれていた。法令上、量の多少によらず届け出など特別な取り扱いを求められるSiH4(シラン)などの特殊高圧ガスを除き、ハロゲン、水素化物などの腐食性、可燃性の気体試料の供給・処理装置の設置を昨年度末に終えた(写真1)。 
 
 
 
写真 1 BL27SUの反応性ガス供給処理装置 
 
 光化学実験で求められる気体試料は多種多様であるため全てについて対応することは困難である。むしろ入手可能な除害剤や漏洩検知器を検討し、反応性気体を4種類に大別し処理系を設計した。シリンダーキャビネットのボンベサイズを10以下とした上で、充填圧管理とあわせ持ち込み総量を規制する。さらに実験装置側でも使用量を限定する。
 除害処理には火気を使っていない。除害後の排気系統は専用のダクトを敷設し、その先にさらに緊急用の大型除害塔(約1トン)を設けている。漏洩検知器や地震センサー等からの信号を専用のインターロックシステムで管理し、万一漏洩等を感知した場合には、各種バルブの閉止はもとより、ボンベ元栓の自動閉止と同時に、周辺ビームラインに音声と警告灯による自動告知を行う。現在、SPring-8内外の専門家による安全委員会で管理・運用方法が厳しく審議されている。
 運用上の留意点として、多くのユーザーが利用する共同利用機器に反応性ガスを導入した場合、機器への不純物残留が危惧される。現状復帰を原則とするので、予め履歴の残りにくい実験条件の設定、ベーキング処理や洗浄などを各ユーザーにお願いすることになろう。また放射光施設ではすぐ隣には全く異なる分野の方が実験しているのが通例である。こうした点を踏まえた上で、特に慎重な取り扱いが求められる。安全が確保されてはじめて、多様な内殻励起光化学反応実験を遂行できるこの設備は、BL27SUの世界的競争力を増すことになろう。

(3)気体用超高分解能光電子分光装置
 ステーションcに装備されている円筒鏡型光電子アナライザ(CMA)は、小型で比較的明るい点で角度分解コインシデンス測定装置としては有利である。しかし、分解能は高々数百meVであり、BL27SUの超高分解能分光器の分解能を下回っており、自然幅よりもはるかに狭いエネルギー幅の光を用いた高分解能光電子測定には不十分である。
 そこで、2次分光器として軌道半径200mmの半球型光電子アナライザ(GAMMADATA SCIENTA社製のSES2002)及び専用ガスセルを導入した(写真2)。同機は、1keV近くの高エネルギー電子に対しても電子エネルギー分解能13meV以下が達成可能である。 
 
 
 
写真2 気体用高分解能光電子分光装置 
 
 専用の差圧排気型のガスセルは窓なしでありながら希薄な気体試料の濃度を実効的に高め信号強度を稼ぐことができるように工夫されている。セルは800/s及び400/s、アナライザ本体は300/sの大流量型ケミカル対応ターボ分子ポンプでそれぞれ排気されている。セル入口には1mmφのアパーチャが取り付けられている。このためこの装置よりも下流に機器を設置する際にはビームラインから退避させなければならない。頻繁なアライメント調整の労力を軽減するために、精密調整架台ごとレールに載せチャンバの真空を破ることなくビームラインへの接続と退避、アライメントが簡便に行える。
 Figure-8型アンジュレータはギャップを変えるだけで水平・垂直の偏光面を選択できるため、この大型の半球型アナライザを回転させることなく偏光依存情報を取得できる。現在のところ、アンジュレータの1次光として260eV(ギャップ37mm)以上が利用可能になっているのでこの範囲ならば分光器を所望のエネルギーにセットした後は、ギャップを設定するだけで、半整数次の0.5次光あるいは1.5次光で垂直偏光、1次光或いは2次光で水平偏光の放射光を利用可能である。例えば、NeのK殻励起ならば、水平偏光を用いるならギャップを60.9mm(1次光866eV)とし、垂直偏光を用いるなら分光器はそのままでギャップを77.5mm(1次光1.73keV)もしくは52.4mm(1次光577eV)に設定すればよい。大型の装置を回転させることなく偏光面が切り替わるFigure-8アンジュレータの特徴を生かした実験が可能である。高分解能分光器と整合性の高い機器として活躍が期待される。

(4)ユーザー持ち込み機器受け入れ体制の強化
BL27SUでは貴重なビームタイムを活用するために、実験中のブランチ以外で平行して保守が可能となっている。さらにブランチcには既設機器にタンデムに接続できるユーザー持ち込み機器設置空間を用意している。ユーザー機器の持ち込み要請が具体化したことに伴い、以下の整備を進めている。
①後置鏡集光点の多重化(1点から3点へ)
②耐荷重1トンの大型ステージの設置
 大型の持ち込み機器をビームタイム前にオフライン調整を行い、そのまま集光点に設置可能なように耐荷重1トンのレール付き大型ステージを設置している。これにより下流に設置された機器のビームタイム中でも、ビームライン近くでオフライン調整が可能となり、かつビームライン上に設置する際のアライメント調整の時間と労力が軽減される。今後さらに混雑が予想されるビームタイムの有効活用に効果を発揮するものと期待される。

5.むすび
 BL27SUは軟X線光化学及び軟X線CVDサブグループワーキングメンバーそして多くのSPring-8関係者の協力を得てこのように充実したビームラインとなった。ユーザーの方々にも職位年齢を問わず現場作業に汗を流していただいた。また、分光器やステーションcにおける多くの実験機器の制御ソフトウエアを開発した姫路工業大学修士課程の奥村裕紀氏のように、放射光実験はもとよりパソコンに馴染みのなかった彼がほとんど独力で実用的ソフトを作るなど、筆者らを含めここで経験を積みつつ活躍の場を見出してきた若手も多い。所属や年齢は言うに及ばず経験の有無も問わず、BL27SUに集う多くの人々が、がむしゃらに立ち上げてきた感が強く、先達の経験を必ずしも生かしきれず幾多の試行錯誤があった面も否めない。それでも、今や他の先行軟X線ビームラインと同様に一定の評価を得て共同利用に提供されていることを、貴重な経験を共有できた関係者一同誇りに感じていると信じている。
 これからのBL27SUは十に及ぶ実験装置の運用に加え、反応性ガスの利用やユーザーによる大型実験装置の持ち込みなど、ユーザー相互の干渉やビームタイムの慢性的な不足が深刻となる事態が予見される。さらにユーザー層の拡大も予想される。貴重なビームタイムを有効に活用いただくため、建設期を終えたとはいえ、やむをえず技術的観点から利用上の細則や制限を設けることもあることをご了解願いたい。ビームライン担当者として今春から新たに為則雄祐(JASRI利用促進部門)が当たるので相談を持ちかけていただきたい。

参考文献
[1]大橋治彦:本誌Vol.3,No.5(1998)12.
[2]田中隆次、北村英男:本誌Vol.3,No.6(1998)19.
[3]T.Tanaka,T.Hara,M.Oura,H.Ohashi,H.Kimura,S.Goto,Y.Suzuki and H.Kitamura:Rev.Sci.Inst.70(1999)4153.
[4]小谷野猪之助、奥山雅則:本誌 Vol.1,No.5(1996)14.
[5]E.Ishiguro,H.Ohashi,Li-jun Lu,W.Watari,M.Kamizato and T.Ishikawa:J.Electro.Spectro.Relat.Phenom.101-103(1999)979.
[6]例えば、M.Coreno,L.Avaldi,R.Camilloni,K.C.Prince,M.de Simone,J.Karvonen,R.Colle and S.Simonucci:Phys.Rev.A59(1999)2494.
[7]例えば、O.Schwarzkopf,F.Eggenstein,U.Flechsig,C.Kalus,H.Lammert,U.Menthel,G.Reichardt,P.Rotter,F.Senf,T.Zeschke,and W.B.Peatman :Rev.Sci.Inst.69(1998)3789.
 
 
大橋 治彦 OHASHI  Haruhiko
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為則 雄祐 TAMENORI  Yusuke
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