Volume 04, No.4 Pages 49 - 59
6. 研究会等報告/WORKSHOP AND COMMITTEE REPORT
SPring-8の利用者へのアンケート調査結果について −供用開始1年−
On the Guestionnaire Survey to the SPring-8 Users
(財)高輝度光科学研究センタ− 技術支援方策検討委員会 委員長 姫路工業大学 理学部 Faculty of Science, Himeji Institute of Technology
1.はじめに
(財)高輝度光科学研究センターに設置されている技術支援方策検討委員会では、ユーザーの実験が円滑に運ぶよう施設としてどのような支援が必要か検討し、検討結果を財団理事長に報告しています。(財)高輝度光科学研究センターは「特定放射光施設の共用の促進に関する法律」に基づき平成6年10月に「放射光利用研究促進機構」に指定されました。これを受けて、翌年1月に当委員会は設置されました。委員会では、SPring-8の供用開始前に3度アンケート調査を行い、ユーザーがどのようにSPring-8を利用されようとしているか、どのような要望があるかを調査し、施設に提言してきました。一昨年の秋にSPring-8の供用が始まり、これまでに1000人以上のユーザーがSPring-8を利用されました。そこで今期の委員会は、主として既にSPring-8を利用されたユーザーに対して、化学試料準備室や研究交流施設等のSPring-8にある付帯施設について、利用状況、要望についてアンケート調査を実施しました。その結果が集計され委員会で検討を始めましたので、集計の結果などを以下に紹介します。なお、このアンケートを実施した委員会委員は本誌前号(Vol.4 No.3)の73ページに掲載されています。
2.アンケート設問
アンケートの設問は次のA,B,C,DおよびEで構成されています。Aは記入者についての設問、Bは実験に直接関係する付帯施設すなわち試料準備室、測定準備室、化学試料準備室および生物試料準備室と、ストックルーム、寒剤、工作室についての設問、Cは滞在をサポートする付帯施設すなわち自転車、台車、図書室、食堂、ユーザー談話室および研究交流施設についての設問、Dは平成12年に竣工予定の利用実験施設および実験動物維持施設についての設問、最後のEは計算機とネットワーク、ATM、売店についての設問です。
3.アンケート方法
アンケートの対象者は供用開始以来SPring-8を利用されたユーザーおよび1999年6月までに実行される課題の利用研究課題実行者名簿に登録されているユーザーで、学生を除く735人です。SPring-8の現状を示した資料を参照の上アンケートに答えていただきました。アンケート調査は1999年2月15日から2月26日まで実施し、回答は指定されたWWWのホームページに入力されました。回答件数は290通、回収率は39.3%でした。
4.アンケートの回答集計
以下にアンケート回答の集計結果を、設問と共に示します。回答を選択するものはグラフにし、意見や要望の書き込みについては、具体的に示しました。なお、書かれている具体的な要望のうち、このアンケートを実施する前に既に施設で対処されていたものは省略し、アンケート結果を受けて対処されたものについては文中にコメントを付記しています。 (編集部から:このアンケート結果、実験責任者がビームタイム終了時に提出される「ビームタイム利用報告書」に記入されている要望、およびアンケートの結果を受けて利用業務部受付に設置しました「目安箱」と名付けた投書箱に投書されている要望等についての検討状況は、今後発行される利用者情報に順次掲載していく予定です。)
A.アンケート調査の記入者について
A-1 現在の所属機関と所在地をお答え下さい。
所属機関
所在地
A-2 研究分野をお答えください。
A-3 放射光を利用した経験の有無について伺います。
A-4 SPring-8を利用したことがある方に伺います。
SPring-8への交通機関
滞在中の移動手段
B.実験に直接関係する付帯施設について
B-1 測定準備室(放射線管理区域内)と試料準備室(放射線管理区域外)
B-1-1 それぞれの部屋を利用したことがありますか。
B-1-2 それぞれの部屋をどのように利用しておられますか?または利用される予定ですか? 作業内容など具体的にお書き下さい。
件数が多かった順にまとめると以下の通りです。
〈測定準備室〉
休憩、試料準備・調整、打ち合わせ、蛋白質結晶の急速凍結、試料の保管、仮眠、サンプルの保存、データの整理・処理、実験の打ち合わせ、データ解析
〈試料準備室〉
試料の準備・調整、測定の準備、物置、装置調整・組み立て、データ処理・データ解析IPの読みとり、休憩、打ち合わせ、ビームラインで使用する予定の器具や装置の保管場所、装置の設計図やマニュアルの保管場所、フィルムの現像、測定機器の仮置き、結晶の保存、機器の調整
B-1-3 各準備室に対する要望がありましたらお書き下さい。
「特になし」が多い。記入されているもので主要なものは以下のとおりです。
〈測定準備室〉
X線発生器、回折計、ラウエカメラの設置、ドラフトの設置、局所排気装置、顕微鏡、ネットワーク接続用ハブ、洗面台に手洗用石鹸を常時補充していただきたい。安全性に問題が無いと考えられる範囲内での化学物質の取り扱い。
〈試料準備室〉
ネットワーク経由でデータ転送できないことが不便。試料準備室とは名前ばかりで、実際に試料が扱えないのは問題あり。居室的機能(机、椅子、棚、等)も充実してほしい。
B-2 化学試料準備室
B-2-1 化学試料準備室が平成10年11月にオープンしましたがご存じですか?
化学試料準備室の利用申込方法をご存じですか?
B-2-2 化学試料準備室を利用する可能性はありますか?
B-2-3 利用される場合はどのような作業内容が想定されるか具体的にお書き下さい。
・洗浄(試料、試料容器、器具)、試料のエッチング、電解研磨、
・試料の調合、調整
・重原子試薬溶液の調製、ソーキング
・試薬の秤量、混合、乾燥
B-2-4 備えておくとよい装置
省略(すでに備え付けてあるものが多く記入されている)SPring-8のWWWのホームページに設置設備リストを掲載しています。
(http://haruya.spring8.or.jp/CAD/chemlab/chemlab.html)
B-2-5 必要と思われる消耗品
省略
B-2-6 その他利用を想定して、要望をお書き下さい。
複数の要望があったのは以下の通りです。
・利用時間をもっと長くしてほしい。土日も使用できるようにしてほしい。
・緊急に必要になったときに対応するため、時間外の使用ができるようにしてほしい。
・廃液を持ち帰らずにすむようにしてほしい。
B-3 生物試料準備室
B-3-1 利用したことがありますか?
B-3-2 備えておくと良い装置があれば具体的にお書き下さい。
省略(すでに備え付けてあるものが多く記入されている)SPring-8のWWWのホームページに設置設備リストを掲載しています。
(http://www.spring8.or.jp/JAPANESE/user_info/instruction/D24_manual.html)
B-3-3 必要と思われる消耗品があればお書き下さい。
省略
B-3-4 上記B-3-1で「1;ある」と答えた方に伺います。
現状で充分機能していますか?
B-3-5 上記B-3-1で「2;ない」と答えた方に伺います。
利用されない理由は何ですか?
「その他」の理由
・今までは必要がなかった。
・使用する機会がなかった。
・場所、備品、消耗品を知らないため。
・試料の調整が出来ないと思っていたから。
・持ち込み制限が厳しいため。
・専用施設ユーザーなので、使ってもよいか分からなかった。
・実験ハッチから遠いため。
B-3-6 上記B-3-4で「2;機能していない」と答えた方は 要望をお書き下さい。
・どこまでの「準備」をサポートするのかが明確ではない。
・管理者がどこにいるか判らない。
・実験台と棚に空きスペースが無いので新たな作業がやり難い。
・自分の使用している器具を他人に使われても分からない。
・共通器具か個人の持ち込みかが分からないから個人のものを拝借されてしまう。
・施錠されていない。
・生体の状態をよくするために、ビームの近くに当施設があるとよい。
・遠心機やFPLCの不足。
B-4 寒剤
B-4-1 液体窒素の利用申込方法を知っていますか?
B-4-2 液体窒素を利用しましたか
B-4-3 上記B-4-2で「1;利用した」と答えた方に伺います。
現状の利用方法、供給体制で十分ですか?
B-4-4 上記B-4-3で「2;充分ではない」と答えた方は要望をお書き下さい。
・いつでも使えるようにしてほしい。
・休日に液体窒素が残っていないことがあるので、休日前の汲み置き量の増加を希望。
・供給場所を増やしてほしい
(利用業務部註:平成11年7月から、供用を開始する窒素置き場が増え、実験ホールの全窒素置き場が利用できる予定です。)
B-4-5 現在SPring-8では液体ヘリウムの供給をしていませんが、今後液体ヘリウムの供給を希望しますか?
B-4-6 上記B-4-5で「1;希望する」と答えた方に伺います。
数量はどれくらいですか? リットル/シフト
数量の書き込みがあったのは23件であり、以下のとおりです。
B-4-7 液体ヘリウムを自分で調達しSPring-8で既に利用したことがある方はその調達方法を具体的にお書き下さい。
・事前にビームライン担当者に相談して外部業者に発注して実験当日に配達を受けた。
B-5 ストックルーム/コーナー
B-5-1 ストックルームの利用
B-5-2 B-5-1で「1;ある」と答えた方に伺います。
どのようなときに利用されましたか?
・ケーブルが不足したとき。
・臨時に実験装置を改修したとき。
・ねじを失ったとき。
・実験中に道具が足りなかったとき。
B-5-3 緊急にどのような物品が必要になりますか?
省略(すでに備えてあるものが多く記入されている。)
B-5-4 ストックルームには一時的に必要となる測定器類も備えてありますが、あれば重宝と考えられる測定器類がありましたらお書き下さい。
省略(すでに備えてあるものが多く記入されている)
B-6 マシンショップ(機械工作室)
B-6-1 マシンショップは蓄積リング棟と組立調整棟にそれぞれ一ヶ所ずつありますが、そのことをご存じですか?
B-6-2 マシンショップを利用する可能性はありますか?
B-6-3 利用する場合どのような作業内容が想定されますか?
具体的にお書き下さい。
多く記入されていた上位10項目は次のとおりです。
・穴あけ ・試料ホルダーの加工
・旋盤加工 ・切断加工
・簡単な加工 ・ボール盤
・金属加工 ・試料ホルダーなどの加工
・フライス加工 ・実験機具の作成
B-6-4 どのような装置を備えておくと良いと思いますか?
具体的にお書き下さい。
多く記入されていた上位10項目は次のとおりです。
・ボール盤 ・コンターマシン
・旋盤 ・タップ
・フライス盤 ・バンドソー
・ドリル ・金ノコギリ
・グラインダー ・NC加工機
B-6-5 必要と思われる工作材料をお書き下さい。具体的にお書き下さい。
多く記入されていた上位の項目は次のとおりです。
・アルミ(板・棒・アングル等)
・ステンレス(板・棒) ・鉛板
・アクリル(板・棒等) ・鉄
・真鍮(板、丸棒、ロッド)
・銅の板・棒 ・ジュラルミン(板、ロッド)
B-6-6 その他利用を想定して、要望をお書き下さい。
・利用の制限を緩和して頂きたい(随時利用できてこそ価値が有る)
・工作作業の相談や助言を与えてくれる専門家の駐在。
・旋盤、フライス盤等の使用方法の掲示。
・講習会の日を増やすか予約制にしてほしい。
(利用業務部註:現在は、3人以上集まれば、相談により予約して講習が受けられます。)
C.滞在をサポートする付帯施設について
C-1 自転車、台車
C-1-1 台数その他要望があればお書き下さい。
・自転車の台数を増やして欲しい。
・各ビームラインに自転車を数台ずつほしい。
・台車がもう少し欲しい。
・屋外用自転車を増やして欲しい。
・空気入れが欲しい。(利用業務部註:以前から実験ホールの各大扉付近に設置しています)
・実験ホール内用は現在の1.5倍くらい、屋外用は3倍くらいの台数にしてほしい。
・もう少し、時間的に占有可能な台車があればよいです。
C-2 図書室
C-2-1 利用したことがありますか?
C-2-2 上記C-2-1で「2;ない」と答えた方に伺います。
利用しない理由は何ですか?
C-2-3 希望される雑誌や図書がありましたら具体的にお書き下さい。
雑 誌:所蔵していなかった中で多く希望があったもの
・Journal of Magnetism and Magnetic Materials
・Applied Optics
(尚これらは99/5から所蔵開始)
次に希望が多かったもの
・Protein Science
・Cell
・Structure
図 書:
・International Tables for Crystallography
・データ集、・ASTMカード、・ハンドブック類、
その他:
・総合図書館的な要求は困難と考えますので(雑誌は大量にある)、むしろ放射光専門図書館としての充実を目標とすべきと考えます。
・タイトルに「X-Ray」が付く本を所蔵する。
C-2-4 その他要望がありましたらお書き下さい。
・蔵書(雑誌も)一覧をホームページに載せてほしい。
・放射光関係の学会のプロシーディングをそろえてほしい。
・保管していない蔵書の早期入手。
・コピーがしやすいようにする。
・中央管理棟に近い所で、閲覧し易い広いスペースがあると気軽に利用できる。
・気軽に使える検索システムが公開されているとよい。
・以前JASRIから発行されていた「SR科学技術情報」にでていたJICSTからの抄録サービスは、是非復活してほしい。
・古い年の雑誌も重要なタイトルはそろえてほしい。
・他の研究機関で重なって購入し無駄になっているものを譲り受けられないか。
・JCPDS, ICDなどのデータベース及びアクセス可能なソフト及びハード。
・まだ十分な図書がない。
・ゆっくり閲覧できる環境ではない。
・書庫スペースが狭いのでは?
C-3 食堂(大食堂、喫茶室)
C-3-1 大食堂の利用
C-3-2 喫茶室の利用
C-3-3 現在夜9時まで喫茶室で軽食を摂ることが出来ますが、夜間の問題を含め、その他要望がありましたらお書き下さい。
多くの要望の記入があり、内容別に示すと以下の図のようになります。
「その他」の要望
・券売機の調子が悪いことが多いので、対応策を考えてほしい。
・両替機を設置してほしい。
・現金も使用できるようにしてほしい。
・食器をきれいに洗って欲しい。
・外部者との料金格差がある。
・レジミスの改善。
・喫茶室の料金が少し高い。
・ビールをメニューに加える。
(利用業務部註:喫茶部[パブ]のメニューにはビール、ワイン、冷酒が入っています。)
・つまみを増やしてほしい。
・屋台を設置してほしい。
・外国人への料理の配慮(宗教上の理由)。
(利用業務部註:チキン、ポークが入っているメニューはショーウインドウの該当する場所にそれぞれニワトリと子ぶたのマスコット人形をおいて示してあります。)
・喫茶室でも軽食だけでなく食事もできるように。
・麺類だけでも現在の営業時間の合間にとれるように。
・カップラーメンを食べる場所と給湯設備の確保。
C-4 ユーザー談話室
C-4-1 利用したことがありますか?
C-4-2 上記C-4-1で「1;ある」と答えた方に伺います。
どのような利用をされましたか?[複数回答可]
C-4-3 上記C-4-1で「1;ある」と答えた方に伺います。
利用した備品は何ですか?[複数回答可]
C-4-4 上記C-4-1で「2;ない」と答えた方に伺います。
利用しない理由は何ですか?
「その他」の理由
・利用する暇がなかった。
・利用の必要がない。
・存在を知らなかった。
C-5 研究交流施設(滞在施設)
C-5-1 利用したことがありますか?
C-5-2 上記C-5-1で「ある」と答えた方に伺います。
利用された感想その他お気づきになったことをお書き下さい。
多くの記入があり、内容別に分類すると以下のようになります。
「その他」の感想等
・クレジットカードの使用許可。
・新聞数を増やす。
・居室内の電話台に緊急連絡先を明記。
・自転車の増設。
・実験施設と交流施設の距離が長い。
・シャワーだけ使える施設がほしい。
・大浴場を設置してほしい。
・建物の棟により待遇が違うらしい。
・A棟の便座カバーを保温式にしてほしい。
・枕が高い。
・ベッドの幅が小さい。
・目覚まし時計の音が小さい。
・風呂・シャワーの使用方法がわからない。
・一人一室は贅沢である。
・冷蔵庫は不要である。
・シャンプー、ハブラシ、お茶、タオルは希望者のみ別料金で提供してはどうか。
・清掃、シーツの交換をを3日に一度にする。
・洗濯用の洗剤がほしい。
・乾燥するので加湿器がほしい。
・外国人向けの電気説明書をおくべきである。
・掃除人の私語がないのには感心した。
D.今後SPring-8で長期滞在型研究を行う場合のサポートについて
D-1 調理室(研究交流施設管理棟に既存)
D-1-1 利用したことがありますか?
D-2 利用実験施設
D-2-1 長期滞在を念頭において必要と思われる設備がありましたら具体的にお書き下さい。またなにか要望がありましたらお書き下さい。
[実験、研究に必要なもの]
ワークステーション、ネットワーク、実験装置(内容省略)、保管庫、図書の充実
[生活に必要なもの]
レンタカー、レンタサイクル、公衆電話、公衆ファックス、キャッシュディスペンサー、クリーニングサービス、売店 (本、コンビニ、食料品、雑貨、宅配便、新幹線や飛行機の予約)
D-3 実験動物維持施設
D-3-1 実験動物を一時的に飼育する施設を建設しますが、なにか要望があればお書き下さい。
・海水槽をぜひ作って下さい。海の生き物も対象にしていただけるとうれしいです。
・飼育係の配置。
・病原菌の伝染等無いようにしていただきたい。
・放射光施設から出来るだけ離す。
・有害物質投与動物の処理の徹底、死体ストッカーの完備。
E.今後SPring-8で長期滞在型研究を行う場合のサポートについて
E-1 計算機とネットワークについて
E-1-1 施設への要望があればお書き下さい。
・データ通信
・臨時電子メールアドレス
・各種メディア(MO,DAT,DVD-RAM)が扱える外部記憶装置のついた端末
E-2 ATM(現金自動預払機)について
E-2-1 サイト内にATMを設置する場合の参考のために伺います。
現在他所ではどのようなATMを利用されていますか?
E-3 売店について
E-3-1 サイト内に売店を設置した場合にどのような物品を購入されますか?
E-4 その他
上記以外で要望、提言などありましたら、お書き下さい。
[研究者の交流]
・ユーザー間、ユーザーとスタッフ間の交流の場を設ける。(コーヒースタンドの様なオープンな場所。)
[交通について]
・バス時刻の見直し(新幹線への乗り継ぎが楽にできるようにして下さい。)
・科学公園都市止めのバスをなくして、休日の便を良くするように要望して欲しい。
・サイトで新幹線や飛行機の予約。
[ユーザー窓口の休日対応]
・ビームタイムの割り当ては平日と休日の区別なく行われるのに、JASRI 本体の事務は(休日出勤を除き)通常の日曜・祝日をとって行われている。そのため、休日にかかるビームタイムが割り当てられるといろいろな面でかなり不便を強いられるし、職員のかたにも無理をかける。
[ビームライン担当者]
・担当者が一人で、オーバーワークのためサポートの質が落ちているように感じる。サポート人員を増やすことが急務であると考える。
[環境]
・全館禁煙(喫煙場所を定める)
・ごみの捨て場所、分別方法もしくはリサイクル法その他を明示してほしい。
[試料、化学薬品の扱い等]
・化学薬品の持ち込みに必要な書類が多すぎる。特に自分で合成した試料に関しての安全性を証明することは不可能に近いので、毒物・劇物以外は安全性カードの提出は免除してほしい。
・試料の扱いについてとにかくきびしすぎる。測定準備室である程度のことが出来ないと、むしろ危険である。
[その他]
・SPring-8グッズ(Tシャツ、キーホルダー、お菓子etc.)や相生など周辺の地図も置いてくれたら買うと思います。
・外国人利用者の便を図る
5.アンケート結果からみるユーザーの要望
アンケート集計結果から特に多かった要望を以下にまとめます。
(1)測定準備室について
共通のX線発生装置の設置
(2)化学試料準備室について
24時間利用
廃液のSPring-8サイトでの処分
(3)液体窒素について
時間外汲み出し
(4)工作室について
熟練者に対しての工作室の利用許可を簡略化
(5)図書室について
データブックと放射光専門書を整備
(6)食堂について
食事をとるユーザーの数を把握し、早い時間に主菜メニューの売り切れがないようにする。食堂を補うものとして、自販機(冷凍食品、レトルト食品等保存しやすい物)の設置
(7)交流施設について
居室の暖房装置のパワーアップ
居室のテレビでNHKを視聴
(8)その他
公衆電話等の外線電話の増設
禁煙の徹底
要望を常時受け付ける窓口の設置(たとえば意見箱)
6.おわりに
当委員会ではこのアンケート結果について検討し、委員会としての提言を(財)高輝度光科学研究センターに報告しています。多くのユーザーのかたにアンケートにご協力いただき感謝いたします。