Volume 03, No.6 Page 60
8. 談話室/OPEN HOUSE
高校生のためのサイエンス・サマーキャンプ
Science Summer Camp for High School Students
放射光を中心とする科学技術分野への理解と啓発を支援する目的で、SPring-8では、兵庫県企業庁との共催、兵庫県教育委員会の後援、西播磨コンピュータ・カレッジ及び県立西はりま天文台の協力を得て、8月5日~8月7日に2泊3日の「高校生のためのサイエンス・サマーキャンプ」を開催した。
同キャンプは、次代を担う理科系志望の高校生に対して、夏休みを利用して、世界最大規模、最高性能の大型放射光施設内で、キャンプを実施し、研究者と体験実習等を通じて交流等を図る為の初めての企画。
参加したのは、地元の姫路工大付属高校の男子7名と姫路西高校の男子1名、女子2名合計10名で初日は、(財)高輝度光科学研究センター上坪放射光研究所所長、植木利用促進部門長の講演を聞いた後、4班に分かれて体験実習を行った。
体験実習では、放射光を各実験施設に運ぶビームラインの取り付け作業の他、地球内部と同じ高温・高圧状態で物質が変化する様子を観察する実験等を第一線の若手研究者の指導のもとに行った。
そして、夕方には参加高校生と指導した研究者及び同キャンプ関係者による“バーベキュー大会”がSPring-8食堂の中庭で開催された。初日でもあり、緊張気味の高校生も、徐々に打ち解けてバーベキューコンロを囲んで、最近の高校生活や将来の進路などの話で盛り上がり楽しい時間を過ごした。
2日目は、午前中、㈱東芝姫路工場及び太子工場、姫路工業大学理学部等を見学し、午後より2回目の体験実習にチャレンジした。2回目ともなると高校生も緊張がほぐれ、積極的に研究者に質問し、真剣に取り組む姿勢が印象的であった。その夜は、県立西はりま天文台へ移動して、天体観測も体験した。
最終日は、播磨科学公園都市内の光都プラザ、先端科学技術支援センター、住友電気工業㈱播磨研究所を見学した後、SPring-8講堂で参加高校生全員の感想発表会を行い、最後に同キャンプの総括責任者である(財)高輝度光科学研究センター飯泉常務理事の挨拶で、全日程を終了した。
なお、本キャンプは、初めての試みにもかかわらず、キャンプ終了後の高校生の感想及びアンケートからも「世界一の研究施設で体験実習出来た事が嬉しかった。」、「内容は少し難しかったが、とても充実した体験だった。」、「もっと体験実習をしたかった。」等の声が多かった。
BL46XU光学ハッチにて装置の位置確認を実習
バーベキューもありました…
関係者と記念撮影