Volume 03, No.5 Page 11
2. SPring-8の現状/PRESENT STATUS OF SPring-8
SPring-8運転・利用状況
SPring-8 Operational News
平成10年6月~7月の運転・利用実績
SPring-8は5月27日から第7サイクル、6月17日から第8サイクルの運転を、それぞれ3週間連続運転モードで実施した。機器の稼働は極めて順調で、放射光利用運転時間(ビームタイム)内での故障等による停止時間は2%以下である。
SPring-8は7月4日から夏期停止期間として、ビームラインの増設と挿入装置の据え付け、各機器の点検・改修作業等を開始した。運転再開は9月上旬の予定である。
第7、第8サイクルでの放射光利用実績は、実験された研究課題は合計112件、利用研究者数は452名にのぼった。
1.装置運転関係
(1)運転期間
第7サイクル (5/27(水)~6/12(金))
第8サイクル (6/17(水)~7/ 3(金))
(2)運転時間の内訳
運転時間総計 約775時間
装置の調整、およびマシンスタディー 約189時間
放射光利用運転(ビームタイム)時間 約574時間
ビームタイム内での故障等によるdown time 約12時間
(総利用運転時間に対するdown timeの割合 約2%)
(3)運転スペック等
21バンチ運転(全期間に亘り)
蓄積電流 17~19mA
(マシンスタディ時は一部~99mA)
ビーム寿命(挿入光源のギャップを閉じた状態で) 約20時間
(4)トピックス
・前サイクルの終わりに蓄積リングビーム電流を100mAまで蓄積させたが、ユーザー利用はこれまでの予定どおり20mA、21バンチモードで運転を実施した。
・線型加速器の電子銃の改良を行い、これまで約30分必要であった21バンチモードでの入射時間が、約3分に大幅に短縮された。
2.利用関係
(1)放射光利用実験期間(第7、第8サイクル合計)
第7サイクル (5/29(金)~6/10(水))
第8サイクル (6/19(金)~7/ 1(水))
(2)ビームライン利用状況
稼働ビームライン 共用ビームライン 9本
R&Dビームライン 1本
理研ビームライン 2本(1本は最終調整中)
原研ビームライン 2本(1本は最終調整中)
利用研究課題 112件
利用研究者数 452名
(3)トピックス
・海外研究機関所属の実験責任者による実験が、第7サイクルで米国、第8サイクルでインドおよび英国のチームによってそれぞれ実施された。
今後の予定
(1)機器・装置は7月3日で運転を停止し、4日から夏期長期停止期間に入った。この間にビームラインの増設工事、挿入装置の据え付けを実施する。また各種機器の点検作業や、線型加速器と兵庫県放射光施設ニュースバルとの接続工事も行う。
(2)運転再開は9月上旬の予定。ただし、9月7日から予定されている第9サイクルは、夏期停止期間に設置したビームラインや挿入装置のコミッショニングと、機器の立ち上げ調整期間とし、ユーザーへの放射光提供は行わない。
(3)9月下旬(30日予定)の第10サイクルからユーザー利用を開始する。12月中旬まで、3週間連続運転モードで4サイクル(第10から第13サイクルまで)を行う予定である。