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Volume 03, No.2 Pages 57 - 58

7. ユーザー便り/A LETTER FROM SPring-8 USERS

放射光・学会・SPring-8
The 9~11th of January1998 at SPring-8 and CAST

竹村 モモ子 TAKEMURA Momoko

㈱東芝 先端半導体デバイス研究所 TOSHIBA Advanced Semiconductor Devices Research Laboratories

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 1月9~11日に播磨科学公園都市の兵庫県立先端科学技術支援センター(CAST)で開催された第11回日本放射光学会年会・放射光科学合同シンポジウムに参加し、運転開始後初めてSPring-8を見学した。
 東京が大雪の日の翌日に電車の遅れを心配しながら新幹線に乗ったが何事もなく播磨科学公園都市に着きほっとした。東京からは少々遠いが着いてしまえば設備の良いCASTと隣の姫工大での学会は快適であった。私はCASTに宿泊できたが公園都市外に宿泊すると少々不便だったかも知れない。9日夕方はSPring-8で開催された分析サブグループのミーティングに参加しBL39XU生体分析ビームラインを見学した。ビームライン立ち上げの様子はサブグループのメールで知らされていたが現場で直接聞く説明は印象が強い。蓄積リング棟とその周辺は設備が新しく明るい印象だが、まだ実験ホールも準備室もガランとしていて立ち上げ途上であることを感じた。見学後夜中過ぎまで懇親会に参加し、タクシーを呼ぼうとしたが通じない。メンバーの車で送ってもらえたが、あとで問い合わせたらタクシー会社の事務所は朝6時半~夜10時までとのことであった。
 翌10、11日が学会であった。今回はSPring-8立ち上げ中のためもあり発表件数は若干減少したということであったが、SPring-8での実験成果の発表があり、東京地区から遠いにもかかわらず参加者は多かったと思う。私が参加したポスターセッションは昨年に劣らぬ盛況で充実したものであった。企業展示が増加したという話もあったが、我社でもこれからの事業のひとつとして放射光設備建設が以前より重要視されている。また運営の面でSPring-8が企業利用に開かれているのは大きな特徴であり、今後は建設と利用の両面で放射光と企業との協力関係が強くなることを今回あらためて感じさせられた。
 放射光学会には昨年に続き2度目の参加である。1度目の印象は、ポスターセッションの盛況と、木目細かい運営と、そして「土、日」に開催されること、であった。今回は私もポスターセッションでPFで実験したXAFSの発表を行ったが、面識のなかった方からも貴重なコメントをいただきありがたく思った。他のポスターも良く見たかったが時間が足りなくて見たいものの3割も見られず残念であった。ところでポスター発表には、次のようなメリットがある。①色々な発表を並行して見ることができる。 ②見たい発表だけピックアップできる。③質問し易い。超先端的議論もできるし、極初歩的質問もできる。④興味のあるデータをゆっくり見ることができる。⑤ごく自然に色々な人に会える。しかし実際には上記のメリットの故、「1 見たいポスターの前には必ず人が居て長々と話し込んでいて発表内容を見ることができない」「2 知人と会い話し込むうちにポスター展示の時間が過ぎてしまう」という状態で見たいポスターのごく一部しか見ることができなかった。「2」は自分で解決すべき問題だが「1」についてはポスター展示法を少し変えれば解決されるのではないかと思う。今の縦長のポスターでは人が2人立つとほとんど隠れてしまうので、ポスター掲示板を横長にすると良いと思う。幅180cmあれば 2、3人が議論していても内容の一部を読むことができる。横長ポスターにすると展示面積が2倍以上必要になり、予算的、場所的制約が深刻になるかも知れないが、できれば検討してほしい。
 今回の学会ではSPring-8での色々な実験成果が多く発表された。順調にデータが得られている一方で何らかの問題点がはっきりしたという話もあった。それらの全体からSPring-8の完成に向かって多くの方の努力があり着実に進んでいることが感じられた。私自身は現在、企業共同体専用ビームラインの準備に参加すると共に上記の分析サブグループに参加し、これから実験に参加する予定である。今回の学会でSPring-8を訪れて、「我々はSPring-8という大きな放射光施設の立ち上げという希有な機会に参加している」ということをあらためて感じた。



Print ISSN 1341-9668
[ - Vol.15 No.4(2010)]
Online ISSN 2187-4794