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Volume 02, No.3 Pages 7 - 10

2. SPring-8の現状/PRESENT STATUS OF SPring-8

RI実験棟の建設について
Outline of the RI Laboratory

桜井 研一 SAKURAI Kenichi

日本原子力研究所・理化学研究所 大型放射光施設計画推進共同チーム 建設グループ JAERI-RIKEN SPring-8 Project Team Facility Construction Group

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 SPring-8リング棟の南側に、放射性同位元素(RI)試料を取り扱う実験施設としてRI実験棟が建設されました。以下に建物の概要を紹介します。

 RI実験棟は延べ床面積1723 m2、鉄筋コンクリート造2階建ての建物です。全体の形はリング棟の形に合わせた扇型をしています。リング棟からは独立した建物ですが、リング棟のCブロックから廊下で繋がっています。この他、外周道路からの出入口を設けています。

 1階は主に実験関係の部屋、2階は機械室です。1階は実験ホール等の放射線管理区域(以下管理区域と呼ぶ)と非管理区域に区画されています。非管理区域から管理区画へは更衣室を通り出入りする計画です。実験ホールは、リング棟側に配置され、約12 m × 50 mの大きさで、天井高7.5 m、走行クレーン(2 t)が天井に設けられています。壁面から約1.5 mの位置に床のエキスパンションジョイントがあり、10 cmの嵩上げコンクリートがあります。また、壁からエキスパンションの間の床に配線ピットが設けられています。防塵を考慮し、床の仕上げは塗り床、壁の仕上げは防塵クロス重ね張りとしています。

 実験ホールは3本のビームラインが入る計画です。ビームラインはリング棟の実験ホール外壁から1度外部へ出て、リング棟2階廊下の下を通り、RI実験棟の実験ホールへ入る計画です。そのため実験ホールのリング棟側の壁にビームライン用の開口が準備されています。計画されているビームラインはBL22IN、BL22B2、BL23SUであり、ビームライン毎に実験用の電源、圧縮空気、給水(純水)が準備されています。BL23SUについては、原研のビームラインが計画されており、SPring-8利用者情報Vol.2No.1で紹介されています。

 管理区域にはその他に試料調整室等の部屋が、実験ホールに直接出入りするように配置されています。試料調整室等には電源、給水(上水、工水)、圧縮空気の設備があります。また、非管理区域の計測室のガラス窓から実験ホール全体が見えるようになっています。

 非管理区域では、南側の外部に面した試料準備室、男女便所、空調機械室等の部屋が配置されています。試料準備室には電源、給水(上水、工水)、圧縮空気の設備があります。その他、SPring-8施設全体の廃液処理装置を設置するDPタンク室等も配置されています。

 電気設備について、電源はリング棟Cブロックの変電設備より低電圧(420 V、210 V、105 V)で受け、各部屋に供給しています。その他、動力設備、電灯・コンセント設備、電話設備、放送設備、防災設備等の電気設備が設けられています。

 機械設備について、実験ホールの空調は天井内に空気調和機を置き、天井の吹出口から空気を吹出し、壁に設けた排気口から返す方式です。熱源はリング棟より冷水、温水が供給されます。その他の部屋は、天井内に吊した室内機により、冷暖房を行い、RI実験棟の屋上に室外機を置くヒートポンプパッケージ方式であり、部屋毎に冷暖房が出来ます。排気について、管理区域は負圧管理を行い、性能の高いPEPAフィルターを設置しています。給水はリング棟より分岐して上水、工水を供給しています。排水は実験排水と生活排水に分けて排水します。設備(電源、空調、衛生、防災)はリング棟の中央監視で監視・制御するシステムです。

 外壁はコンクリートの上に吹付け仕上げ、色はリング棟外壁と同色の白に近いグレーです。リング棟に合わせて、青色のストライプ(タイル製)を窓の上の位置に入れています。

 なお、RI実験棟の工事は平成7年10月から始め、リング棟と平行して工事を行い、平成8年12月に建物は完成しました。

 

   

 

RI実験棟の外観

 

RI実験棟内実験ホール

 

 

Print ISSN 1341-9668
[ - Vol.15 No.4(2010)]
Online ISSN 2187-4794