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Volume 02, No.1 Pages 9 - 12

2. SPring-8の現状/PRESENT STATUS OF SPring-8

実験ホール内輸送チャンネルの建設状況(その2)
Present Construction Status of Transport Channels(NO.2)

石川 哲也 ISHIKAWA Tetsuya

日本原子力研究所・理化学研究所 大型放射光施設計画推進共同チーム 利用系グループ JAERI-RIKEN SPring-8 Project Team Experimental Group

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1.はじめに

 前号で、10月末での輸送チャンネルの建設状況と、今後の輸送チャンネル建設計画の概要を述べた。また、光学素子開発や制御系・インターロック系の進行状況を報告した[1][1]石川哲也、SPring-8利用者情報 Vol1, No5, 4-7(1996).。その時点では、放射線シールドハッチ以外の建設作業は未着手であり、輸送チャンネルのハードウェアに関しては予定の話が主であったが、11月初旬以来、輸送チャンネルコンポーネント類の納入、共同チームスタッフによる性能・動作試験を経て、一部のビームラインでは輸送チャンネルの据付調整が開始されている。

 輸送チャンネルの実際の据付作業の進行と、加速器の準備作業の進行に伴って、スケジュールの再調整が必要な箇所も頻出し、週単位でのスケジュール調整では間に合わない場合も出ている。本号では11月から12月初旬までの建設進行状況を報告するとともに、各種コンポーネントや12月初旬時点での実験ホール内写真を紹介したい。前号で紹介した10月末時点での写真と比較していただくと、よりヴィジュアルに進行状況が把握できよう。

 

 

2.放射線シールドハッチ工事

 8月末から始まった放射線シールドハッチ建設は、前号で紹介した7ビームライン(BL41XU、45XU、47XU、01B1、02B1、08XW、09XU )分に加えて、新たにBL04B1での建設に着手し、これで第1・第2グループ分については、全て建設が開始された(図1)。蓄積リングと同時に放射線使用申請を行う第1グループの47XU、02B1では、輸送チャンネルコン ポーネントが設置される光学ハッチの工事はほぼ終了し、全体としても完成に近づいている。また、第3グループの大部分(BL25SU、39XU、10XU)のハッチ建設作業が12月から1月にかけて開始される。

 

  

 

  

 

  

 

  

図1 放射線シールドハッチ建設現場(96年12月現在)

 

 

3.輸送チャンネルコンポーネント

 11月初旬から、輸送チャンネルコンポーネントが順次納入されている。まず、第1・第2グループ用の架台、ベローズ類、ガンマ線ストッパー、真空ダクト類等が納入され、BL05付近の実験ホール内に設けられた集積所に仮置きされた。輸送チャンネル排気ユニット(図2)の第1グループ分が納入され、排気試験が行われた。同じく、第1グループ用の下流シャッター、ビューポート(図3、4)が納入されそれぞれ動作試験が行われた。一方で、リング棟内周部で動作試験が進められていた二結晶分光器(図5)が実験ホールに搬入された。また、偏向電磁石ビームライン用標準第一ミラー調整機構および第二ミラー調整機構(図6)が納入された。

 

図2 標準真空排気ユニット

 

図3 アンジュレータX線ビームライン用標準下流シャッター

 

図4 アンジュレータX線ビームライン用標準ビューポート

 

図5 アンジュレータX線ビームライン用標準二結晶分光器

 

図6 偏向電磁石X線ビームライン用標準全反射ミラー調整装置

 

 

4.組立調整

 輸送チャンネルの組立ては、標準X線アンジュレータビームラインであるBL47XUで開始された。この作業はインハウススタッフによって行われ、手順・工法の検討を行いながら、引き続き外注によって行われる組立て作業の要領書の準備が進められた。組立て作業途中での光学ハッチ内の写真を図7に示す。一方で傾斜架台が設置された偏向電磁石ビームラインBL02B1での輸送チャンネル組立て作業も、傾斜架台納入業者によって進められ、12月初旬にはほぼ完成している(図8)。これらが、前号でお知らせした放射線使用申請上の第1グループに属するビームラインであり、第2グループ5本に関しても 97年1月末完成予定で作業が進められている。

 

図7 アンジュレータX線ビームラインBL47XUの組立て風景

 

図8 偏向電磁石X線ビームラインBL02B1の組立て風景

 

 

 

参考文献

[1]石川哲也、SPring-8利用者情報 Vol1, No5, 4-7(1996).

 

 

 

石川 哲也 ISHIKAWA Tetsuya

昭和29年1月12日生

理化学研究所 マイクロ波物理研究室

〒351-01 埼玉県和光市広沢2-1

TEL.(048)467-9327

FAX.(048)462-4652

略歴:昭和57年東京大学大学院工学研究科博士課程(物理工学専攻)修了、同年日本学術振興会奨励研究員、58年文部省高エネルギー物理学研究所放射光実験施設測定器研究系助手、64年東京大学工学部物理工学科助教授、平成5年理化学研究所客員主任研究員、6年東京大学工学部付属総合試験所助教授、7年理化学研究所マイクロ波物理研究室主任研究員、工学博士。日本物理学会、日本結晶学会、日本放射光学会会員。最近の研究、放射光のための高性能X線光学系の開発。趣味はSPring-8のビームライン設計を趣味とせざるを得ない。

 

 

Print ISSN 1341-9668
[ - Vol.15 No.4(2010)]
Online ISSN 2187-4794