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Volume 01, No.4 Page 31

2. SPring-8の現状/PRESENT STATUS OF SPring-8

「液体窒素」供給開始に向けて
Supplying with Liquid Nitrogen in the Experimental Hall

鈴木 昌世 SUZUKI Masayo

日本原子力研究所・理化学研究所 大型放射光施設計画推進共同チーム 利用系グループ JAERI-RIKEN SPring-8 Project Team Experimental Group

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 蓄積リング棟に於ける液体窒素設備の整備は、昨年度末に液体窒素設備ワーキング・グループの提示した基本方針を受けて組織された液体窒素設備運営小委員会(以下、小委員会)が、本年度から具体的な作業を担当することになった。発足以後、小委員会は、上半期の間に液体窒素容器置き場(以下、容器置き場)を実験ホール内に設置する準備を終えるなど、液体窒素の供給開始に向けて実務的な作業を急いでいる。

 

 さて、容器置き場は、実験ホール内に於いて液体窒素の供給拠点となる場所であり、実験ホール最外壁に沿って5箇所、ほぼ等間隔に設置される。利用者は200 mも歩けば、何れかの容器置き場に至る。各容器置き場には120 ℓ液体窒素容器4台が配置され、デュワー瓶(5 ℓ、10 ℓ、30 ℓ)など基本的な液体窒素採取用品も整備される。また、各容器置き場には酸素濃度計が取り付けられており、万一、酸素欠乏状態が発生した場合には、警報(警告灯、放送)を発する措置が講じられる。容器置き場は今年度末に完成し、来年度以降、運用を開始する予定である。1日当たりの液体窒素使用料が50 ℓ未満の利用者には、この容器置き場をご利用頂くことになろう。

 

 今後、実験ホール内に於ける液体窒素の供給を本格化するには、こうした機器(ハード・ウエアー)の整備と並行して、利用者にとって安全、安定、便利な体制(ソフト・ウエアー)を成熟させる必要がある。また、備わっていて当然の液体窒素設備ではあるが、第3世代の大型放射光施設に於ける液体窒素設備は、研究上、新たな機能を求められることはないだろうか?今後とも、関係各位のご意見を拝聴したい。

 

 

 

鈴木 昌世 SUZUKI Masayo

昭和30年1月19日生

日本原子力研究所・理化学研究所 大型放射光施設計画推進共同チーム

〒678-12 兵庫県赤穂郡上郡町SPring-8

TEL:07915-8-1842

FAX:07915-8-0830

略歴:昭和58年立教大学理学部理学研究科博士課程後期課程修了、昭和58年日本学術振興会奨励研究員、昭和59年仁科記念財団海外派遣研究員、昭和61年CERN, Scientific Associate、昭和62年Columbia University, ResearchAssociate、平成2年Columbia University, Associate ResearchScientist、平成3年理化学研究所、基礎科学特別研究員、平成6年高輝度光科学研究センター放射光研究所、副主幹研究員理化学研究所大型放射光施設計画推進本部へ出向中。

 

 

Print ISSN 1341-9668
[ - Vol.15 No.4(2010)]
Online ISSN 2187-4794