Volume 29, No.2 Pages 160 - 161
3. SPring-8/SACLA通信/SPring-8/SACLA COMMUNICATIONS
2023B期におけるSPring-8/SACLAユーザー要望等について
SPring-8/SACLA User Requests in 2023B
SPring-8およびSACLAでは、各ビームタイム終了後に実験グループごとに「ビームタイム終了届」を提出いただいております。ビームタイム終了届には、次回の利用者へのアドバイスや施設に対する要望、提案等を記入いただいております。
2023B期における要望等の状況は下記のとおりです。これら要望等と、それに対する施設側の回答(内容により、必ずしも全てではありません)につきましては、User Informationで公開されています。
1. 2023B期 要望等全体概要
2023B期 | 実施 課題数 |
利用実験数 (報告書数) |
うち、要望等コメントがある*1報告書数 | ||
技術的要望等 | 施設他要望等 | その他(お礼) | |||
SPring-8共用BL | 993 | 1,438 | 38 | 62 | 138 |
SACLA共用BL | 48 | 52 | 9 |
*1「なし」「None」等のコメントを除く。
<SPring-8共用BL技術的要望等(計38件)の研究分野/手法*2別内訳>
手法\分野 | 生命科学 医学応用 |
物質科学 材料科学 |
化学 | 地球・ 惑星科学 |
産業利用 | その他 |
小角・広角散乱 | 5 | 1 | ||||
X線回折(単結晶) | 5 | |||||
X線回折(粉末) | 1 | |||||
X線回折(汎用・構造評価) | 1 | 1 | ||||
X線回折(高圧) | 1 | 1 | ||||
汎用XAFS・汎用MCD | 1 | 2 | 1 | |||
光電子分光 | 1 | 1 | 1 | |||
赤外分光 | 1 | |||||
イメージング | 1 | |||||
非弾性散乱 | 1 | |||||
構造生物学 | 3 | |||||
その他(持込装置利用) | 1 | |||||
成果専有等 | 2 | 2 | 1 | 3 |
*2課題申請時の利用者申告ベース。
2. 2023B期 要望等の内容(一部抜粋)
(1)技術的要望等
○今回の実験で、覚醒剤粉末中の元素のマッピング測定を実施し、メタンフェタミン塩酸塩の塩素の分布と比較して、各元素のヘテロな分布が確認できた。XANES測定において、良好なスペクトルが得られなかったので、解決の検討を希望する。
【その他/汎用XAFS・汎用MCD】
○動的粘弾性測定、TGAなどの機器が同時に行えるようになると、材料物性と構造の関係解明にとって、より強力なツールになると思っております。
【物質科学・材料科学/小角・広角散乱】
○BL20B2での実験では大量の実験データが生じるため、データの転送や保管、解析等にかなりの時間と労力を費やします。スタッフの方のご協力もあって何とか実験を遂行できましたが、施設全体としてサポートが充実しているとよいと思いました。
【地球・惑星科学/イメージング】
(2)施設その他要望等
○食堂のアクリル製つい立ては殆どにひびが入っており、不安定で倒れやすく危険です。感染症防止に効果がないことも分かっていますので、この際全面的に撤去していただけたらと思います。
○宿舎の部屋にカメムシが大量発生しており、同行したメンバーの全部屋で確認されました。10匹を超えるケースもありました。掃除時にドアや窓を解放する際など、入り込まないように工夫をして頂けるとありがたいです。
○快適に実験できました。ありがとうございました。難しいかと思いますが、もう少し食堂を充実して頂けると大変助かります。
3. 要望等及び施設側回答の公開場所
SPring-8/SACLA User Informationのいずれからも検索・閲覧ができます。
[検索・閲覧手順]
① 「ビームタイム終了届(ビームタイム利用報告書)(要望・回答)検索」
② 利用期、ビームライン番号等を入力
③ 「検索」