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Volume 27, No.1 Page 20 - 29

3. 研究会等報告/WORKSHOP AND COMMITTEE REPORT

Materials Research Meeting(MRM)2021報告
Report on Materials Research Meeting (MRM) 2021

木下 豊彦 KINOSHITA Toyohiko[1]、坂田 修身 SAKATA Osami[1]、櫻井 吉晴 SAKURAI Yoshiharu[1]、今井 康彦 IMAI Yasuhiko[2]、内山 裕士 UCHIYAMA Hiroshi[3]、水牧 仁一朗 MIZUMAKI Masaichiro[1]、髙木 康多 TAKAGI Yasumasa[4]

[1](公財)高輝度光科学研究センター 放射光利用研究基盤センター Center for Synchrotron Radiation Research, JASRI、[2](公財)高輝度光科学研究センター 放射光利用研究基盤センター 回折・散乱推進室 Diffraction and Scattering Division, Center for Synchrotron Radiation Research, JASRI、[3](公財)高輝度光科学研究センター 放射光利用研究基盤センター 精密分光推進室 Precision Spectroscopy Division, Center for Synchrotron Radiation Research, JASRI、[4](公財)高輝度光科学研究センター 放射光利用研究基盤センター 分光推進室 Spectroscopy Division, Center for Synchrotron Radiation Research, JASRI

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SPring-8

 

1. 会議の概要
 2021年12月12~16日に、横浜市のパシフィコ横浜ノース(図1)を会場とし、Zoomを利用したオンライン会議とのハイブリッド形式の開催で、標記の国際会議が実施された[1][1] http://mrm2021.jmru.org

 

図1 会場となったパシフィコ横浜ノース

 

 

 前回の第1回の開催は2019年の12月であり、その詳細は、本誌で紹介しているので参照していただきたい[2][2] SPring-8/SACLA利用者情報 25 (2020) 33-37.。本来であれば、2020年の12月に同会議場で開催予定であったが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、国際会議としての開催は断念され、1年延期された。したがって今回は2回目の開催となる。昨年は、同会議の中止に伴い、日本語によるMRM Forum 2020が開催され、その様子も本誌で紹介されている[3][3] SPring-8/SACLA利用者情報 26 (2021) 42-43.
 今回のMRMも、前回同様東京工業大学の細野秀雄栄誉教授が、組織委員長を務められ、実務は横浜国立大学の鈴木淳史教授が責任者として活躍された。我が国の材料科学系の学会、成果創出が縮小傾向にある中、分野横断的に関連学会の協力を仰ぎ、この会議を起爆剤に日本の材料科学の発展を促したいという目的は前回同様である。オミクロン株の感染拡大防止のため、原則として海外からの入国が制限されていたため、現地での参加者はほとんど国内からで限られていたものの、約1,600名の参加登録があった。6名のPlenary講演者が招待されたが、その中でも印象に残ったものはJilin大学のY. Ma博士の講演で、計算によって様々な材料設計を行っている様子が紹介された。特に最近話題の水素化物による室温超伝導の予測に関する結果は興味を引かれた。
 会場内では18部屋ほどが貸切られており、A~Hまでの8クラスター、各クラスターの中には4~5個のシンポジウムが企画された。MRMでは、少し異なる分野間での連携を促進することもその目的とされており、同一クラスターでは、Keynote speakerを推薦して合同セッションを行う形式である。また、各シンポジウムは、それぞれ独立に口頭発表、およびポスター発表を設けた。
 今回、(公財)高輝度光科学研究センター(JASRI)が中心となり、D4(Synchrotron Radiation Based Materials Research: Present and the Future)とE3(Advanced Analysis for Fuel Cell Materials and Technologies)の2つのシンポジウムを企画した。それぞれ、D(Frontiers of Advanced Electronic Materials)とE(Energy Science and Technologies)クラスターに含まれるシンポジウムである。DクラスターのKeynote speakerは5名いたが、そのうち、放射光関係の招待者としてDiamond Light SourceのT.-L. Lee博士が、"X-ray spectroscopies of transition metal oxides"と題し、Si基板上の遷移金属酸化物薄膜との界面の間のエネルギー状態について、HAXPESやXASを用いた詳細な解析結果、また遷移金属化合物のMott転移、さらにはLi電池電極の話題を紹介した。Eクラスターでは3名がKeynote talkを行ったが、E3からはLondon大学のP. Shearing博士が、"Understanding the interplay of electrode microstructure, crystallography and performance using advanced X-ray and correlative imaging methods"と題し、様々なimaging手法で電池電極の様子を観察し、実際の開発に役立てている様子が紹介された。
 また、今回のMRM2021では本会議と並行して、日本のMRS-J学術講演会、また昨年に引き続き、MRM Forum 2021も開催された。MRM Forumでは、会議初日の12日に全部で8コマのチュートリアルが開催され、初学者向けに、本会議の講演を理解する助けとなるような講義が日本語で実施された。JASRIからは木下が講師として演壇に立ち、放射光利用の実例、SPring-8への利用申請の実際、またMRM本会議で開催されている関連シンポジウムのD4とE3(図2)で取り扱われる話題について紹介した。また、MRM最終日の午前中にはForumのプログラムとして総合討論が実施された。テーマは、「日本の材料系学協会の現状と課題・その連携強化の糸口を探る」というものであった。日本学術会議連携会員若手アカデミーの川口慎介氏(海洋研究開発機構: JAMSTEC)が統計データに基づいて、材料系の各学会の現状分析を行うとともに、コロナ禍、その後のあり方に向けての私見を述べられた。以降、金属学会(熊本大学 河村能人教授)および、軽金属学会(日本大学 久保田正弘教授)から国際交流についての紹介があり、また材料系の国内雑誌であるMaterials Transactions(九州大学 堀田善治名誉教授)および、Science and Technology of Advanced Materials(物質・材料研究機構: NIMS 内藤昌信博士)の現状と課題が報告された。欧米、また最近では中国に比べるとどうしても外からのvisibilityが小さい国内雑誌の問題点が議論された。最後に文科省NISTEP(National Institute of Science and Technology Policy)の林和弘氏からも分析についてオープンサイエンスの流れの状況とともに示された。パネル討論では上記の講演内容をもとに、学会同士、雑誌同士の合同プロモーションの必要性、人材交流を通しての育成の重要性が議論された。現地での参加者は少なかったが、その中でも学部4年生が研究者のキャリア形成に関する質問をしていたのが印象的であった。

 

図2 E3セッション会場の様子

 

 

 現地での参加者はやはり少なく、懇親会なども実施はされたものの、感染拡大防止に配慮するためお弁当形式であり、寂しいものとなってしまった。しかし、講演内容は非常に充実していたように思う。また、ポスター発表(図3)も現地開催と、オンライン開催の2本立てで行われた。オンラインによるポスターは、ZoomのBreakout room機能を利用して行われたが、どうしても参加者など寂しい印象はぬぐえなかった。一方で、現地開催のポスターは数こそまばらであったが、新型コロナウイルス感染症拡大前と同様の雰囲気で活発な議論が展開されていた。

 

図3 ポスター会場

 

 

 新型コロナウイルス感染症の影響で、当初の意図のようにMRMを国際的にもステータスの高いものにしていきたい、という目標にはまだ達していないように思われるが、次回の開催の時にはさらに活発な会議となることを期待したい。2023年の12月11日から京都国際会館で開催される予定である。
 次章以下ではJASRIが主体となって企画した、D4およびE3シンポジウムの内容を紹介する。

 

 

2. D4シンポジウム(Synchrotron Radiation Based Materials Research: Present and the Future)
 D4では、放射光による散乱・回折、インフォマティクスの放射光解析への応用、硬X線光電子分光(HAXPES)、その他のトピックスで、計4個のオーラルセッションおよびポスターセッションを開催した。

 

[D4-O2]
 12月13日午後には、「The current progress in materials research using synchrotron radiation. ---Local strain, phonon and related phenomena---」というタイトルで、オーラルセッションD4-O2が開催された。このセッションは、放射光X線の「回折・散乱」に焦点を当てたプログラム編成となっている。具体的には、放射光利用技術の進展で得られた、(1)100 nmオーダーに集光したX線を使った回折実験、(2)neV−meVエネルギー分解能を持つ散乱実験(非弾性X線散乱分光や放射光メスバウアー分光)を中心として、最新の研究成果が発表された。これらの研究で得られた物質の局所的な情報は、高性能な次世代材料やデバイス開発の効率化に大きく貢献すると考えられる。参加人数はオンラインが20名強、オンサイトが10名強、合計で30名強であった。
 講演に先立って、木下と内山(JASRI)が、D4シンポジウム全体の紹介、および、本セッションの紹介を行った。続いて、最初の講演としてC.-Y. Chiang氏(National Synchrotron Radiation Research Center: NSRRC、台湾)らが、台湾放射光施設(TPS)のNanodiffractionビームライン21Aでの取り組みについて報告を行った。様々な試料に対して多くの測定がなされているが、多結晶系の微小領域に多く関心があるように見受けられた。発表後、コロナ禍におけるTPSでのビームライン運営について質問があり、同氏からリモートでの取り組みなどが案内された。次にY. Hayashi氏(大阪大学)らによって、ナノスケールでパターン形成されたサファイア基板上に成長させたAlN薄膜の評価について報告が行われた。XRDでPt線を用いた深さ解析が可能となっており、パターン付きサファイア基板−AlN薄膜界面付近での薄膜の結晶歪み、ナノボイドによる結晶性の改善の様子が報告された。続いてA. Sakai氏(大阪大学)らが、AlGaN/GaN MOS HEMTデバイスを対象としてポンプ−プローブ法を用いてAlGaNの逆圧電効果の時分割測定について発表を行った。この研究では高繰り返しX線チョッパーで切り出したシングルバンチからのX線をプローブとして電圧印加後の結晶歪みの時間変化を追っている。続いてR. Yokogawa氏(明治大学)らは、IV族半導体の歪みとフォノンについて報告された。Ge基板上のGe1-xSnx薄膜が作るGeの結晶歪みが回折実験から明らかになり、非弾性X線散乱測定からSi1-xGexのフォノン分散に通常の化合物では見られないフォノン分枝があることが報告された。休憩を挟んで、B. Saha氏(Jawaharlal Nehru Centre、インド)らが、非弾性X線散乱分光を用いて明らかにした、MgO基板上のHfN-ScN(金属−半導体)超格子のフォノン構造について講演された。面内方向のフォノン分散は、HfNとScNの重ね合わせで説明できることが報告された。T. Mitsui氏(量子科学技術研究開発機構: QST)らからは、放射光メスバウアー分光法を用いて鉄表面のスピン構造を明らかにした研究成果が報告された。メスバウアー分光法で検知できる安定同位体57Feを異なる層に挿入することにより、最表面から各層毎のスピン状態の観測を実現し、それが振動しているということが示された。最後にT. Tohyama氏(東京理科大学)らから、Mott絶縁体において時間分解共鳴非弾性X線散乱を行うと、スピン構造に振動が見られるとの理論的予測が発表された。
 報告者にとって、オンライン+オンサイトのハイブリッド会議の座長を行うのは初めての経験であった。ハイブリッド会議では、オンラインのみの会議やオンサイトのみの会議に比べて気を配る点が多く、時間配分など座長1名で対応しきれなかった部分があった。タイムキーパーなどを受け持つスタッフがもう1名いるともう少し運営が楽だったかもしれない。

[D4-O3]
 12月14日午前には、「Frontier of Informatics Applications to Advanced Measurement Technique using Synchrotron Radiation」というタイトルで、オーラルセッションD4-O3が開催された。本セッションは近年発展が目覚ましい情報科学の技術を用いた解析法やデータを解釈するための新しい概念を用いた研究成果に焦点を絞った編成を行った。参加人数は20名程度であった。
 最初は、M. Okada氏(東京大学)らで、ベイズ計測という計測対象を考慮に入れた解析方法について講演された。ベイズの定理に基づくスペクトル分解について紹介され、間接物理量の推定値の精度が評価できること、ベイズ自由エネルギーを用いることでモデル選択が可能であることを示された。次のK. Nagata氏(NIMS)らも、ベイズ計測に関する講演であったが、ノイズのモデルを測定原理に基づき設定することが非常に重要であることを明らかにされた。またSr化合物の混合物のX線光電子分光スペクトルから、混合物に含まれる複数の化合物の存在比率をベイズ推定により推定可能であることを示された。続いて、H. Kumazoe氏(熊本大学)らは、スパースモデリングを用いたEXAFS解析をYOxHy薄膜に関して講演を行った。通常のLASSOに加えてスパース度を表すハイパーパラメータの最適化をベイズ推定を用いて行う新しい手法を開発し、侵入する酸素が四面体サイトを占めることを明らかにした。続いてT. Aonishi氏(東京工業大学)らは、リチウムイオン電池の充放電過程をCo-K吸収端でその場観察した2次元透過XAFS画像データに対して、非負値行列因子分解を行い、充放電過程の不均一性を抽出することに成功した研究について紹介された。不均一性をセグメンテーションし、それぞれの領域でのスペクトルを抽出し、さらにベイズ推定を用いて、そのスペクトルの差異がCo-3dの電子状態の違いであることを導き出した。続いてR. Murakami氏(電気通信大学)らは、Portilla-Simoncelli texture statistics(PSS)を用いた磁区パターンの解析により、PSS特徴量を算出し、その特徴量による主成分分析を行うことで、迷路状磁区と島状磁区の尺度を作り上げた。これまでの定性的分析を超えて定量的分析を可能とした。続いてT. Nakamura氏(産業技術総合研究所: AIST)らは、高分子鎖のもつれたリング構造の詳細な幾何的性質をパーシステントホモロジーを用いた解析により明らかにした研究を紹介された。このリング構造は高分子の性質に強く相関していると考えられており、この幾何構造を明らかにすることは重要である。これまでの解析では分子鎖の微小な動きがパーシステントホモロジー解析を困難にしていたが、これを解決する方法を開発し、高分子鎖のもつれたリング構造に適用し、もつれの複雑さを明らかにした。最後の講演はY. Mototake氏(統計数理研究所)により行われ、深層学習を用いたハミルトン系の対称性の抽出に関する研究を紹介された。この深層学習器は、将来的にはハミルトン系にとどまらず、その他の力学系や量子力学系への適用が可能となっていくであろうと、深層学習の奥深さを提示された。

[D4-O4/D4-O5]
 12月14日の午後に、「State of the art technology development of hard X-ray photoelectron spectroscopy」というタイトルで、2つのセッションD4-O4、D4-O5が開催され、HAXPESに関連した成果についての講演が行われた。HAXPESは主に4 keV以上の励起光を用いたX線光電子分光(XPS)を指し、通常の低エネルギーのXPSと比べ検出深度が深く、バルクの状態を検出できる点に強みがある。また、放出される光電子のエネルギーも高いため周囲の環境の影響も受けにくく、通常のXPSに比べて、様々な状態での測定を行うことができ、応用範囲が広い手法である。SPring-8ではビームライン再編の一環としてBL47XUとBL09XUで行われていたHAXPESのアクティビティをBL09XUに集約し、2021年秋よりHAXPES専用ビームラインとしてHAXPES実験のユーザー利用を再開した。SPring-8に限らず、HAXPESが利用可能なビームラインは世界中にあり、広く利用されている測定手法である。
 セッションD4-O4では、3件の一般講演と1件の招待講演が行われ、休憩を30分挟んだ後のセッションD4-O5では4件の招待講演が行われた。各講演で出入りはあったが、参加人数は両セッションともオンラインで10名強、会場でも同じく10名強で合計25名前後であった。
 D4-O4では、最初の講演でMDPA Shakya氏(Kelaniya大学、スリランカ)らから電着した酸化銅表面の濡れ性についてXRDやHAXPESを用いて解析した結果について報告があり、次に同じくKelaniya大学のM. M. Udawatta氏らからBambusa vulgaris(泰山竹)から作製したバイオ炭のココナッツ酢による活性化についてIRやHAXPESを用いて解析した結果について報告があった。ともにSPring-8のNIMSのビームラインBL15XUのHAXPES装置を用いての結果である。特に後者の研究は自然由来の材料を対象としており、昨今の環境問題とも関連し非常に興味深いものであった。続いて、オンサイトでの講演でS. Ueda氏(NIMS)らがモット型スピン検出器を組み込んだ小型の試料ホルダーを用いた鉄薄膜のスピン分解測定について報告された。ホルダーにスピン検出器を組み込むことで従来の分光器に手を加えることなく、高効率でスピン分解されたスペクトルを得ることができ、非常に応用範囲の広い手法であるとともに今後の展開が期待される結果であり大変興味深かった。前半のセッション最後は、招待講演のT. Yokoyama氏(分子科学研究所)から、SPring-8のBL36XUにある大気圧HAXPES装置を用いた燃料電池電極のオペランド計測について報告があった。ガス雰囲気や溶液下でもHAXPES測定が可能であり、電池電極の劣化における硫黄の影響についての解析や、電極への電圧印加の繰り返しによる電極反応の時間分解測定について解説された。
 後半のセッションD4-O5では、4件の招待講演が行われ、国内外の全ての登壇者がオンラインでの講演であった。最初にS. Watanabe氏(九州工業大学)が、共鳴HAXPESの理論について報告された。共鳴HAXPESを用いると希土類化合物における非従来型超伝導や非フェルミ液体を理解する上で重要なパラメータである5d-4f電子間のクーロン相互作用Udfを直接実験的に評価することができ、現在SPring-8のBL09XUで測定が進められている試料に加え、準結晶試料の測定の重要性を解説された。続いてA. Yasui氏(JASRI)らにより、2021年秋からユーザー利用を開始したSPring-8のHAXPES専用ビームラインBL09XUについての報告があった。光学系がアップグレードされ高性能なビームが利用でき、さらに異なる仕様の2台のHAXPES装置がタンデムに設置されていて必要に応じて装置を使い分ける形になっている。またSPring-8における2つ目となるHAXPES専用ビームラインBL46XUの計画も紹介され、この2本のビームラインでSPring-8におけるHAXPES測定の需要の多くを満たすようにするとのことであった。次にK. Mimura氏(大阪府立大学)らが、SPring-8のBL09XUで進めてきた共鳴HAXPES測定技術の開発について報告された。また共鳴HAXPESによって実際にCe122系(CeCu2Ge2、CeCu2Si2、CeRu2Si2)についてUdfを実験的に求めた結果について報告された。そしてセッションの最後にC. Schlueter氏(Deutsches Elektronen-Synchrotron: DESY、ドイツ)らから、ドイツのハンブルグにある放射光施設PETRA-IIIのHAXPES専用ビームラインP22についての報告があった。P22には通常のHAXPES装置、飛行時間(TOF)型モーメンタム顕微鏡、大気圧HAXPES、硬X線光電子顕微鏡の4つの装置があり、それぞれの装置から得られた成果を紹介された。さらに、現在では装置を入れ替えて実験を行っているが、今後のビームラインのアップグレードとして後方にハッチを増設し各装置を常設する計画について報告があった。P22はHAXPES専用ビームラインとしてアクティビティも高く非常に興味深い発表であった。
 本セッションでは海外からオンラインで3名の方が講演されたが、音声や映像もクリアであり、講演や質疑応答に関しても滞りなく進められ、特に大きな不満はなかったと思う。一方で、やはり海外の参加者に対しては時差の問題が出てくる。今回はスリランカとドイツからの参加であったので、前者はセッションの前半で14:00からの講演に振り分け、後者はセッションの最後の17:30からの講演であった。講演自体の時間は問題なかったが、後日、時差の関係で他の講演を全て聴くのは難しく残念だったと伺った。オンラインで国際会議を行う場合にはどうしようもないところでもあるが、全ての参加者に満足いただけるためには工夫が必要なのかもしれない。

[D4-O6]
 12月15日午前に行われたD4-O6は、最後のセッションとして5名が発表し、3名が現地会場で登壇した。
 Y. J. Li氏(岡山大学)らは、Sn添加したLa(O,F)BiS2超伝導体をX線光電子ホログラフィを用いて調べ、SnはBiサイトにあることを発表した。N. Hasegawa氏(東北大学)らは、α-Al2O3(0001)上にエピタキシャル成長させたTi2O3を分光の線形2色性で調べ、金属−絶縁体転移機構は、バルクと薄膜で同じであるが、それぞれの格子パラメータには違いがあることを報告した。O. Seo氏(JASRI)らは、3元触媒反応下のCeO2-ZrO2に担持されたPdRu固溶体ナノ粒子の酸化、還元をDXAFSで調べ、反応温度と原子配列構造の関係を議論した。L. S. R. Kumara氏(JASRI)らは、水素含有量の異なる3種類のa-IGZO膜をHEXRD、XANES、EXAFSで調べ、その原子配列構造の特徴の違いを発表した。S. Hiroi氏(JASRI)らは、リチウムイオン電池のLi2VO2F正極をX線全散乱で調べ、充電過程で生じる非晶相の構造情報を抽出し、Vイオン間の距離の増加と4配位サイト占有率の増加を報告した。

 

 

3. E3シンポジウム(Advanced Analysis for Fuel Cell Materials and Technologies)
 カーボンニュートラルに向けた取り組みの一つとして、水素の利活用や燃料電池の開発が世界的な規模で進められている。燃料電池の開発を推進する上で、その材料・部材の評価や燃料電池内部の物質挙動の解析に用いる先進計測手法が必要不可欠になっている。このような背景のもと、E3シンポジウムは、燃料電池と計測手法の研究分野間の相互理解を促進するために開催された。本シンポジウムでカバーする計測手法は、放射光X線、中性子、電子顕微鏡である。
 E3シンポジウムは、JASRI、SPring-8利用推進協議会、日本放射光学会、SPring-8ユーザー協同体、中性子科学会、中性子産業利用推進協議会、燃料電池実用化推進協議会、燃料電池開発情報センターの支援・後援を受けての開催であった。クラスターEの合同シンポジウムを含めて、12月13日午前から12月15日午前に至る2日半の開催であり、シンポジウムKeynote2件、招待講演5件、口頭発表15件、ポスター発表10件、合計で32件の講演・発表があった。現地参加とオンラインの双方によるハイブリッド形式で開催された本シンポジウムは、会期中を通して、常時、約15名の現地参加者と約15名のオンライン参加者があった。燃料電池と量子ビームの新しい融合分野であることもあり、各講演においては、若手参加者からの質問に対する応答の場面が多く見られた。
 シンポジウムのプログラムは、国内発表者の講演で多くを占められていたが、欧米を中心に海外から4名の招待講演者をお招きしていたこともあり、海外との情報交換ができたという印象を強く持った。カーボンニュートラルは世界規模の取り組みであることから、燃料電池開発に関する国際連携の枠組みの構築が進められている。E3シンポジウム・オーガナイザーのR. Mukundan氏(Los Alamos National Laboratory: LANL)は、国際連携を進める米国の立役者であるが、後日談として、同氏は「材料分析・解析の切り口で国際相互理解(特に日米間)が進んだシンポジウムであった」と感想を述べていた。また、放射光X線関係では、Swiss Light Source、European Synchrotron Radiation Facility(ESRF)、SACLAから招待講演者を招き、最新の施設情報や研究成果を紹介していただいた。
 以下に、各セッションの概要を示す。

[E3-O1]
 12月13日午前のE3シンポジウムは、K. Amemiya氏(FC-Cubic)らのシンポジウムKeynote講演("NEDO's FC-Platform - A Novel frameworks specialized in Analysis and Evaluation for PEFCs")(PEFC: 固体高分子型燃料電池)で始まった。カーボンニュートラルの目標達成に向けて、水素・燃料電池戦略技術開発戦略が策定され、各種課題共有フォーラムなどで顕在化した産業界の共通課題を産学官の連携体制で解決する国家事業が2020年度に始まった。この事業の柱の一つとして、NEDO事業のもと、標準化した手法で燃料電池を評価・解析するプラットフォーム(NEDO's FC-Platform)が技術研究組合FC-Cubicを中心に新設された。本プラットフォームは、マネジメントGr、マテリアルズ・インフォマティクスGr、材料分析・解析Gr、シミュレーションGr、電気化学的特性測定Grで構成され、材料開発グループおよび産業界と強い連携のもと活動を行っている。本講演では、評価解析プラットフォームの概要とワークパッケージの内容、燃料電池車MIRAIの材料解析、さらに欧米との国際連携の取り組みなどについて紹介があった。
 引き続き3件の一般講演があった。N. Ozawa氏(東北大学)らは、PEFC触媒層の構造シミュレーションの成果について報告した。ナフィオン/水/Ptナノ粒子/カーボン担体で構成される触媒層の構造は電池性能を決める重要なファクターである。本講演では、細孔を持つカーボン担体上のPtナノ粒子、ナフィオン、液水の配置構造に関する分子動力学シミュレーションの結果を報告した。J. Suzuki氏(総合科学研究機構: CROSS)らは、小角および広角中性子散乱を用いた触媒層の構造研究について報告した。カーボンとアイオノマーの分散構造は電子・プロトン伝導に影響を与え、細孔は酸素拡散などの影響を与えることが知られている。各種カーボン担体について、アイオノマー・炭素重量比を変えた試料の測定結果と解析について報告をした。T. Hirai氏(大阪工業大学)らは、X線小角散乱を用いた電解質膜の構造研究について報告した。劣化ナフィオンと劣化前ナフィオンについて、引張り試験を行いながら測定し、劣化メカニズムについて議論した。

[E3-PV21]
 12月13日午後に、E3シンポジウムのポスターセッション(オンライン)が開催された。10件の発表があり、口頭発表とは異なり納得がいくまで議論できる場であった。発表は以下の通りである。
"Synchrotron Radiation X-ray Diffraction Studies on Liquid and Glassy CS2" Y. Mizuno (JASRI) et al.
"Cross-sectional image of liquid water in gas diffusion layer by Compton scattering imaging" N. Tsuji (JASRI) et al.
"High Resolved Visualization of Liquid Water in Gas Diffusion Layer using X-ray Nano Computed Tomography" T. Watanabe (Kyoto Univ.) et al.
"Visualization of spatio-temporal oscillation of electrode reaction in a large electrochemical cell using operando Compton scattering imaging" K. Suzuki (Gunma Univ.) et al.
"Monitoring the Development of ORR Active Sites for Fe-N-C Catalysts Using High Temperature In-Situ Techniques" A. Mufundirwa (JASRI) et al.
"Thermal effect on Oxygen Reduction Reaction Kinetics for Pd Core - Pt Shell Catalyst with different core size" H. Tsuji (JASRI) et al.
"Effect of alcohol/water ratio in dispersion on proton transport and morphology of cast perfluorinated sulfonic acid ionomers thin films" K. Yamamoto (Kyoto Univ.) et al.
"Isolation and polyphasic characterization of 'Desulfuromonas versatilis' sp. nov., an electrogenic bacteria capable of versatile metabolism isolated from a graphene oxide reducing enrichment culture" L. Xie (Nagoya Institute of Technology) et al.
"In-situ HERFD-XANES and RIXS measurements of oxygen and sulfur species adsorbed on Pt cathode catalysts in polymer electrolyte fuel cells" T. Uruga (Univ. Electro-Communications) et al.
"Synchrotron radiation analysis platform for characterization of polymer electrolyte fuel cells at SPring8 in NEDO project" T. Uruga (JASRI) et al.
 また、現地でのポスターセッションは12月14日の午後に開催された。

[E3-O3]
 12月14日午前のセッションは、D. A. Cullen氏(Oak Ridge National Laboratory: ORNL)らのシンポジウム招待講演("Automating Electron Microscopy Characterization of Fuel Cell Catalysts and electrodes")で始まった。燃料電池のPtあるいはPt合金触媒はカーボン粒子に担持され、酸化還元反応の主役を演じる。近年、長距離輸送用トラックなどへの燃料電池の利用が検討されるようになり、触媒粒子の劣化メカニズムや劣化速度の理解が重要になってきている。触媒粒子の劣化を検討するには、触媒粒子径や組成の変化を計測することが重要である。Cullen氏は、走査型電子顕微鏡観察と粒径分布解析のオートメーション化について講演し、耐久試験後の燃料電池触媒層において、触媒粒子サイズ分布が触媒層の厚さ方向の場所に依存していることを示した。データ解析のオートメーション化の重要性を気付かせてくれる講演であった。
 引き続き4件の一般講演があった。A. Kuwabara氏(ファインセラミックスセンター: JFCC)らは、高角散乱環状暗視野走査透過顕微鏡による触媒単粒子の研究について報告した。Pt合金粒子の表面構造は触媒活性を理解する上で重要な情報を与える。本講演において、表面におけるPt原子の変位を可視化した研究例を示した。M. Matsumoto氏(日産アーク)らは、カーボン担体上の官能基の研究について報告した。カーボン担持触媒上の官能基は燃料電池性能に影響を与えることが知られている。本講演において、HAXPESとXPSの測定例と官能基の寄与を識別する取り組みが報告された。S. Lyth氏(九州大学)らは、PtフリーのFe-N-C触媒の研究について報告した。FeをCoやSnに置換した触媒材料の開発も行っている。これらの試料について、その場XAFS測定の研究例を示した。T. Matsumoto氏(JASRI)らは、BENTENシステムによる実験データ・インフラについて報告した。本システムは、前述のNEDO's FC-Platformの放射光データ管理に採用されている。これは、XAFS、XRD、PDF、SAXS、HAXPESの測定・解析データを共通フォーマットで管理する基盤システムであり、マテリアルインフォマティクス向けのデータ転送インターフェイス機能も担っている。

[E3-O4]
 12月14日午後Iのセッションは、S. Kato氏(豊田中央研究所)らのシンポジウムKeynote講演("Synchrotron X-ray and pulsed neutron imaging of liquid water formation and transport in polymer electrolyte fuel cells")で始まった。触媒層で発生した水をマイクロポーラス層、ガス拡散層を通して燃料電池セル外に効率的に放出する液水マネジメントは、燃料電池の高出力化にとって重要な課題である。本講演では、階層性の視点から、放射光X線とパルス中性子を使い分けた研究例が紹介された。X線CTによるマイクロポーラス層の液水可視化、時分割X線CTによるマイクロポーラス層の液水移動の可視化と効率的な液水流路の決定、さらにエネルギー分解中性子イメージングによるフルサイズ燃料電池セル中の液水/氷の識別可視化の研究例が示された。
 引き続き4件の一般講演があった。H. Nishiyama氏(山梨大学)らは、オペランド・時分割CARS(Coherent Anti-Stokes Raman Scattering)分光の報告を行った。本分光手法では、空間分解能:5 μm、時間分解能:0.5秒の観察が可能である。電流がジャンプする過程でのカソード側電解質膜中の液水量の時間変化を示した。K. Ito氏(日本原子力研究開発機構: JAEA)らは、準弾性中性子散乱の結果を報告した。カソード触媒層内の液水を測定し、水分子について3つの運動形態(不動、低速拡散、高速拡散)があることを明らかにし、それぞれの存在比の温度変化を示した。T. Kawamoto氏(山梨大学)らは、中性子反射率測定の報告を行った。電解質膜や触媒層におけるアイオノマーと水分子の形態の理解は、効率的で高耐久のアイオノマーを設計する上で重要である。測定温度と湿度を制御した条件下で電解質膜の測定を行い、液水分布を評価した研究例を紹介した。Y. Kakizawa氏(山梨大学)らは、ガス拡散層内における酸素分圧のオペランド測定を報告した。燃料電池において、安定した発電は重要である。本実験により、マイクロポーラス層のないガス拡散層において、セル電圧と連動した酸素分圧の振動を観測し、液水挙動との関連性を議論した。

[E3-O5]
 12月14日午後IIのセッションでは、3件のシンポジウム招待講演と1件の一般講演があった。
 最初は、F. N. Buechi氏(Paul Scherrer Institut: PSI)らによるシンポジウム招待講演("Tomographic analysis of water management in PEFC porous materials")であった。燃料電池のガス拡散層内の液水マネジメントは、エネルギー密度をさらに向上させる上で重要である。X線断層撮影顕微鏡は、動作している燃料電池のガス拡散層の構造と液水挙動を観察する手法として確立されている。近年、0.5−5 μmの空間分解能、0.1秒の時間分解能で、ガス拡散層内の液水挙動の可視化が可能になっている。本講演では、空間分解能より小さいサイズの液水も含めた液水量の評価方法を開発し、マイクロポーラス層内に適用した研究例を示した。
 次は、J. Drnec氏(ESRF)によるシンポジウム招待講演("Towards Holistic Understanding of Electrochemical Energy Conversion and Storage Systems Using High Energy X-rays")であった。100 keVの高エネルギーX線は、その場・オペランドの電気化学計測に適したプローブであり、近年は、測定の高速化も進んでいる。透過モードでの表面敏感な高分解能測定も行われている。本講演では、リートベルト解析とPDF解析を併用する高エネルギーX線回折実験、X線回折と小角散乱を組み合わせて行う実デバイスの断層構造観察などの研究例とマルチスケール観察の将来展望を報告した。
 3番目は、I. Inoue氏(理化学研究所)らによるシンポジウム招待講演("Materials Science with X-ray free-electron laser SACLA")であった。SACLAは10フェムト秒の超短パルス、ほぼ完全な横コヒーレンス、1020 W/cm2のエネルギー密度のX線を発生し、研究フロンティアを開拓している。材料科学分野はSACLAで最も盛んな研究分野の一つである。本講演では、ダメージフリーな構造決定、ポンプ−プローブ実験による物質の高速光学応答、コヒーレントX線散乱による分子の動的挙動、などの研究例が紹介された。SPring-8などでの集光した放射光X線では、燃料電池の電解質膜の照射損傷が顕著になるケースがあり、SACLAのX線レーザーを活用したダメージフリー測定の研究も進んでいる。
 引き続き1件の一般講演があった。Y. Nishino氏(北海道大学)らは、SACLAを活用したコヒーレントX線散乱の研究例を報告した。アイオノマーの被覆状態の観察において、電子顕微鏡観察では電子線照射ダメージの影響があることが知られている。本講演では、ダメージフリーのコヒーレントX線回折測定から得られたカーボン担持Pt触媒の再構成像が示された。

[E3-O6]
 12月15日午前のセッションは、D. J. Myers氏(Argonne National Laboratory: ANL)らのシンポジウム招待講演("Synchrotron X-ray Spectroscopy, Scattering, and Tomography of Proton Exchange Membrane Fuel Cell Catalysts and Electrodes")で始まった。燃料電池の実環境と同じ条件で、触媒反応を原子レベルで分析評価する手法として、X線吸収分光と小角X線散乱(異常小角X線散乱も含む)が広く用いられている。これらの手法ほどではないが、より大きなスケールの構造観察にはX線断層像観察法が用いられている。本講演では、これらの放射光X線手法を用いて、PtあるいはPt合金触媒の劣化機構を解明する研究例が示された。触媒層の作成時の劣化、発電による劣化、触媒・アイオノマー・インクの組成がカソード触媒層の構造に与える影響に関する議論があり、Fe-N-C触媒の活性サイトに関する報告があった。
 引き続き3件の一般講演があった。Y. Orikasa氏(立命館大学)らは、顕微蛍光X線分析の最新成果を報告した。セリウムは、電解質膜の劣化を抑えるために、ラジカルクエンチャーとして燃料電池内に導入される。本講演では、200 nmの集光X線を用いた蛍光X線分析により、発電セル中のセリウム移動をマッピングした研究例を示した。H. Matsui氏(名古屋大学)らは、オペランドXAFSの報告をした。硫黄被毒とその回復は、燃料電池の高耐久化において重要な課題である。本発表では、硫黄被毒前後の試料についてXAFS測定を行い、硫黄が活性サイトに吸着し触媒性能を低下させることを示した。T. Uchiyama氏(京都大学)らは、アイオノマーが触媒活性に与える影響を報告した。アイオノマー・カーボン担体比が異なるPt触媒について、Pt 5d軌道の空孔数の電圧依存性をXAFS計測により評価し、その結果を示した。

 以上が、各セッションの概要である。

 最後に、E3シンポジウムは、今井英人(日産アーク)、内本喜晴(京都大学)、大友季哉(高エネルギー加速器研究機構: KEK)、V. Honkimaki(ESRF)、R. Mukundan(LANL)、櫻井吉晴(JASRI)のオーガナイザー(敬称略)で開催された。また、開催準備にあたっては、辻庸一郎氏(FC-Cubic)から多大な助言をいただいた。

 

 

 

参考文献
[1] http://mrm2021.jmru.org
[2] SPring-8/SACLA利用者情報 25 (2020) 33-37.
[3] SPring-8/SACLA利用者情報 26 (2021) 42-43.

 

 

 

木下 豊彦 KINOSHITA Toyohiko
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坂田 修身 SAKATA Osami
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櫻井 吉晴 SAKURAI Yoshiharu
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今井 康彦 IMAI Yasuhiko
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内山 裕士 UCHIYAMA Hiroshi
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水牧 仁一朗 MIZUMAKI Masaichiro
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髙木 康多 TAKAGI Yasumasa
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[ - Vol.15 No.4(2010)]
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