Volume 24, No.2 Pages 98 - 103
1. 最近の研究から/FROM LATEST RESEARCH
2014年度指定パートナーユーザー活動報告
スピントロニクスデバイスを基盤としたナノ磁気計測技術の開発と物質・材料研究への展開
Development of Nano-Magnetic Characterization Based on Spintronics and toward Material Science
(1)
指定時PU課題番号/ビームライン | 2014A0079/BL25SU | ||||||||
PU氏名(所属) | 白土 優(大阪大学) | ||||||||
研究テーマ | スピントロニクスデバイスを基盤としたナノ計測技術の開発と物質・材料研究への展開 | ||||||||
高度化 | 軟X線ナノビームラインの整備と先導的活用 | ||||||||
利用研究支援 | 当該装置を用いた利用実験の支援 | ||||||||
利用期 | 14A | 14B | 15A | 15B | 16A | 16B | 17A | 17B | 合計 |
PU課題実施シフト数 | 6 | 56.625 | 50.5 | 32.875 | 29.875 | 29.75 | 24 | 20.25 | 249.875 |
支援課題数 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 2 |
(2)PU活動概要
本パートナーユーザー(以下、PU)課題は、共用ビームラインの一つであるBL25SU(軟X線固体分光)において、軟X線ナノビームを用いたナノ磁気計測技術の開発ならびに、開発する計測技術を先端的な成果の創出が可能なレベルにまで高度化することを目的として2014年度に発足した。BL25SUにおける軟X線ナノビームを用いたナノ磁気解析は、主として永久磁石材料の元素戦略プロジェクト推進の柱である磁石材料の組織別磁気解析を実施するために整備されたものであるが、軟X線ナノビームを用いたナノ磁気計測技術は本PUグループが研究対象としているスピンエレクトロニクス分野においても、期待の大きい放射光計測技術である。本稿では、本PU課題で実施した内容の一部として、特に下記の点について述べる。
A)フレネルゾーンプレート(Fresnel Zone Plate: FZP)を用いた軟X線ナノビームの生成
B)軟X線ナノビームを用いた磁気円二色性(X-ray Magnetic Circular Dichroism: XMCD)計測に基づく元素選択磁区構造観察・局所XMCDスペクトル・局所磁化曲線測定
C)微細加工素子に対する電圧駆動反強磁性磁壁移動
A)フレネルゾーンプレート(Fresnel Zone Plate: FZP)を用いた軟X線ナノビームの生成
PU課題発足時は、BL25SUの高度化計画として100 nm径ナノビームの開発を進め、2016年度以降は新規FZPを用いた更なる微小化を目指して50 nm系ナノビーム生成にトライした。FZPを用いた集光光学系の模式図を、図1に示す。センタービームストッパー(CBS)を通った放射光はFZPで回折された後、オーダーソーティングアパーチャー(OSA)によって最も小さいサイズに集光される1次回折光のみを取り出し試料上に集光させる。FZPによる集光サイズδmは理論的に次式で表される。
・・・ (1) | |
Δr:FZPの最外リング径、m:回折次数、σ:光源サイズ q:ZPの焦点距離、p:光源–ZP間距離、r:ZP半径 E/ΔE:エネルギー分解能 |
図1 FZPを用いた集光光学系の模式図(JASRI 中村哲也主席研究員、小谷佳範博士ご提供)
2014A期のPU課題開始当初は、ビームラインの立ち上げ・フィージビリティスタディから開始したため、開始当初は光学系の振動の問題などからFZPの仕様から期待される最高性能を達成することは困難であったが、光学系を設置するステージの改良などにより、2014年度中には約80 nm@E/ΔE = 9000の軟X線ナノビームの生成を達成し、現在でもエネルギー分解能に応じて、100 nm径軟X線ナノビームの定常的な利用が可能になっている。また、2016年度にJASRIによって導入された新型のFZPを用いることにより、現在では、約60 nmにまで集光することも可能である。
集光サイズは、海外放射光施設を始めとする他のビームラインで達成されている集光サイズ(~20 nm)と比較すると大きい。一方、他のビームラインでは上記の微小サイズに起因して放射光のフラックスが著しく低下することから、計測方法が透過法に限られること、焦点深度が極めて浅いことからラフネスの大きい試料には適用が難しいことなどの課題がある。BL25SUでは、冒頭に述べたように永久磁石に対する磁区構造観察が一つの主眼となっており、本試料においては比較的ラフネスの大きい試料に対して広範囲に磁区構造を観察する必要がある。さらに、PUグループで主眼としているスピントロニクス材料においては、微細加工された実素子に対する計測が一つのターゲットになっている。BL25SUにおける軟X線ナノビーム径の制限は、これらの要請をもとに、FZPを焦点深度が深く、また、試料構造に制限の少ない計測法である全電子収量(TEY)法による計測が可能なフラックス密度を確保できる設計にしたことによっている。
B)軟X線ナノビームを用いたXMCD計測に基づく元素選択磁区構造観察・局所XMCDスペクトル・局所磁化曲線測定
BL25SUは、元来、ツインヘリカルアンジュレータを用いて左右円偏光を独立に生成・試料照射することが可能なビームラインであり、この特性を生かして、磁性材料に対するXMCD測定に関する多数の実績を有している。前節で示した軟X線ナノビームにおいても、入射する軟X線を円偏光とすることで、局所領域(集光領域)でのXMCD計測が可能である。試料表面に円偏光された軟X線を集光し、試料をx-y平面内で2次元に走査(スキャン)することで、軟X線吸収強度の面内分布を得ることができる。この2次元イメージングを左右円偏光に対して独立に実施し、その差分像からXMCD像(磁区構造に対応)、平均像から吸収分布(組成分布)を得ることができる。また、放射光の特性を生かした計測として、入射する軟X線を特定の元素の吸収端とすることで、上記のイメージを元素選択的に得ることが可能である。さらに、外部磁場と組み合わせることで、磁性材料の磁化過程、局所XMCDスペクトル、局所磁化曲線測定などに展開することも可能とした。以下に、PUグループで得られた主な成果の一つである強磁性(Co)/反強磁性(Cr2O3)垂直交換バイアス膜に対して、上記の計測を実施した結果の概要を述べる。
図2に、Pt/Co/Cr2O3/Pt積層膜に対して、左右円偏光(µ+, µ-)に対して測定した軟X線吸収強度の2次元分布像(図2(a)、2(b))および、その加算(µ+ + µ-、図2(c))および、吸収強度で規格化された差分((µ+ − µ-)/(µ+ + µ-)、図2(d))を示す[Y. Shiratsuchi et al.: AIMS Mater. Sci. 2 (2015) 484-496.:成果リスト[3]]。左右円偏光を固定した場合に観察される像は、同様のパターンを示すがコントラストが反転している。これらの像を加算して得られる吸収像(図2(c))には、若干のコントラスト(試料表面でのコンタミネーションの付着による吸収強度の低下による)が観察されるが、概ね均一な像となる。一方、両者の差分から得られるXMCD像には明確なコントラストが観察される。図2(d)に示したXMCD像は同一試料に対するKerr顕微鏡像と概ね一致しており、磁区構造に対応している。
図2 (a),(b) 左右の円偏光を固定して測定した軟X線吸収強度の2次元分布像。(c) (a),(b)の加算による軟X線吸収強度の2次元分布像。(d) (a),(b)の差分によるXMCD強度の2次元分布像。測定試料はPt/Co/Cr2O3/Pt積層膜であり、入射X線のフォトンエネルギーは、Co LIII吸収端とした。測定温度は室温である[Y. Shiratsuchi et al.: AIMS Mater. Sci. 2 (2015) 484-496.:成果リスト[3]]。
なお、上記のXMCD像の取得時間は、開発当初は2時間程度を要していたが、現在はスキャン方式の変更などによって1画像(60 µm × 60 µm)当たり15分以下での取得が可能になっている。
以上の結果は、入射X線のエネルギーを固定して空間的に走査した結果であるが、軟X線ナノビームを試料上の定点に固定しフォトンエネルギーを変化させることで、局所領域での軟X線吸収/XMCDスペクトル(XAS/XMCDスペクトル)を得ることができる。FZPを用いたX線の集光においては、フォーカス位置がフォトンエネルギーに依存するため、局所XAS/XMCDスペクトルの測定にはフォトンエネルギーにFZP、OSA、試料位置を同期させる技術が必要になる。図3に、本開発技術により測定した局所領域でのXAS/XMCDスペクトルを示す。測定位置は、図2(d)のA、B点とした。図から分かるように、XMCD像において逆符号のコントラストを生成する領域においては、XMCDスペクトルの符号が反転しており、この結果からも図2(d)に示した結果はXMCDの空間分布に対応していることが分かる。
図3 試料表面に軟X線を集光させ、フォトンエネルギーを変化させて測定した局所XAS/XMCDスペクトル。測定位置は、図2(d)のA、Bとした[Y. Shiratsuchi et al.: AIMS Mater. Sci. 2 (2015) 484-496.:成果リスト[3]]。
図2に示した結果は、入射X線のエネルギーをCo LIII吸収端(778 eV)として観察した結果であり、つまり、図2(d)に示した結果は、Coスピンの向きの空間分布に対応する。一方、放射光の特長の一つは入射X線のエネルギーの選択による元素選択性にあり、例えば、我々が用いた強磁性/反強磁性積層膜においては、強磁性磁区と反強磁性磁区の独立観察が可能であることを意味する。特に、交換バイアス膜においては、強磁性磁区と反強磁性磁区の空間的な対応は、現在においても第一線の研究トピックスである。
図4に、Pt/Co/Au/Cr2O3/Pt垂直交換バイアス膜に対して、フォトンエネルギーをCo LIII吸収端(図4(a))あるいはCr LIII吸収端(図4(b))として観察したXMCD像を示す。反強磁性Cr2O3からのXMCDシグナルは、主として界面非補償Crスピンによる[Y. Shiratsuchi et al.: Phys. Rev. Lett. 109 (2012) 077902.]。両XMCD像は空間的に類似しており、強磁性Coの磁区構造と界面非補償Crスピンの空間分布が一致している。両XMCD像において、XMCDシグナルの符号が反転していることが分かる。これは、Coと界面Crスピンが反強磁性的に交換結合しているためである。Cr2O3のスピン配列は、c軸方向に平行にcollinearであるため、界面Crスピンの向きは薄膜内部(界面から内部に向かった部分)の反強磁性磁区と対応していると考えられ、このことから、図4に示した結果は強磁性磁区と反強磁性磁区の空間的なマッチングを表しているものと考えられる。さらに、図4(c-1)の図中にX、Yで示した点に集光軟X線を固定し、磁場を掃引することで測定した局所元素選択磁化曲線を図4(c-2)に示す。XMCDの符号が反転した磁区上での局所磁化曲線においては、同程度の保磁力を示すが交換バイアスの極性が反転している。上述した強磁性磁区と反強磁性磁区のマッチングと合わせると、この結果は、垂直交換バイアスの極性は反強磁性ドメインの向き(反強磁性オーダーパラメータの符号)によって決定されていることを意味している。なお、図4に示した結果は、285 Kにおける観察結果であり、交換バイアス発現温度でのXMCD像観察のために、観察ステージの低温化技術(最低温度205 K)も同時に開発したことを付記する。
図4 (a) Co LIII吸収端、(b) Cr LIII吸収端で測定したXMCDシグナルの2次元分布像。それぞれは、強磁性磁区、界面非補償反強磁性スピンの分布に対応する。(c-1),(c-2) 強磁性ドメイン上で測定したCoの局所領域での元素選択磁化曲線[Y. Shiratsuchi et al.: Appl. Phys. Lett. 113 (2018) 242404.:成果リスト[11]]。
C)微細加工素子に対する電圧駆動反強磁性磁壁移動
前節で示したように、Pt/Co/(Au/)Cr2O3/Pt系薄膜における交換バイアスの極性は、界面反強磁性スピン(反強磁性オーダーパラメータの符号)によって決定されている。Cr2O3は電気磁気効果を示す典型的な物質であり、その反強磁性オーダーパラメータは電場と磁場によって制御することができる。すなわち、この系における垂直交換バイアスの極性は、Cr2O3層の電気磁気効果を利用することで等温可逆的に制御することができる[例えば、T. V. A. Nguyen, Y. Shiratsuchi et al.: J. Appl. Phys. 122 (2017) 073905.]。本PU課題では、前節までに示した成果(計測技術)と、上述のPU代表者の垂直交換バイアス極性制御技術を組み合わせることで、電気磁気効果を駆動力とする反強磁性磁区の反転プロセスを可視化することを試みた[Y. Shiratsuchi et al.: APL Mater. 6 (2018) 121104., Appl. Phys. Lett. 113 (2018) 242404.:成果リスト[10],[11]]。本計測のために、作製した薄膜を図5に示す形状に微細加工し、走査型XMCD顕微鏡に設置した。反強磁性磁壁の駆動方法、外場(電場、磁場)印加方法、XMCD像取得方法などの詳細は、成果リスト[10],[11]を参照されたい。
図5 XMCDイメージング用ホール素子と電界印加回路の等価回路。
図6に、磁場(+4 Tで固定)と電場(-753 kV/cmから+1,200 kV/cmで可変)印加の反転過程における磁区構造のうち、代表的な磁区構造を示す。本測定において印加した磁場履歴は+4 T – 0 Tの正磁場のみであり、負方向への磁場印加を行っていない。すなわち、+4 Tから0 Tへの磁場の除去過程での磁化反転は正の交換バイアスによってのみ生じるため、観察された磁区構造の変化は、反強磁性磁区の反転による交換バイアスの極性変化に対応する。図には、電気磁気効果に起因する明確な磁区構造の変化が観察されており、また、磁化反転が通常の強磁性体と同様にデバイスのエッジ部分から進展していることが分かる。図6に示した結果は、DC電場とDC磁場印加後の磁区構造変化であるが、印加する電場をパルス電場とすることで、反強磁性磁壁の動的な移動速度の検討も可能になる。図7に、印加したパルス電圧(電場)の強度に対する磁壁移動速度の変化を示す。磁壁移動速度は、電圧の上昇とともに指数関数的に上昇することから、磁壁移動はクリープ領域にあることが示唆される。また、直線領域における傾きから算出したダンピング定数は、Cr2O3層上の強磁性層であるPt/Co層のダンピング定数と類似しており、このことから、反強磁性磁壁の移動速度が、強磁性層との交換結合によって律速されている可能性が示唆される。
図6 磁場(+4 T)とDC電場(図中に表記の値)を印加した後、残留状態(磁場、電場共にゼロ)でのXMCD像。フォトンエネルギーは、Co LIII吸収端とした。測定温度は285 Kである[Y. Shiratsuchi et al.: Appl. Phys. Lett. 113 (2018) 242404.:成果リスト[11]より一部抜粋]。
図7 磁場(+4 T)とパルス電場印可後のXMCD像から算出した反強磁性磁壁の移動速度の電界強度依存性。図中の点線は、直線領域のフィッティング結果を表し、Vdep(Edep)は磁壁のデピニング電圧(電場)を表す[Y. Shiratsuchi et al.: APL Mater. 6 (2018) 121104.:成果リスト[10]より一部抜粋]。
ここに示した成果の他、2017B期までに、8 Tまでの強磁場下での元素選択XMCDイメージングなど、永久磁石・スピントロニクス材料に対するナノ磁気計測技術の基盤部分の開発が完了している。本技術は、広義には円偏光軟X線ナノビームによる計測であるため、磁性分野のみならず広いユーザーへの展開が期待される。時分割測定や磁場の任意方向への印加など残された課題もあるが、これらに関しては、ビームライン担当者との共同のもと、今後も引き続き先導的成果の創出を目指したい。
謝辞
本稿で示したPU実施内容と成果(装置開発も含む)は、JASRI 中村哲也主席研究員、小谷佳範博士、豊木研太郎博士との共同研究の結果である。本稿に示した結果以外にも、本PUグループメンバー(名古屋大学 加藤剛志准教授、大阪大学 鈴木義茂教授、三輪真嗣准教授(現東京大学)、産業技術総合研究所 野崎隆行博士、島根大学 荒河一渡准教授)には、多数のご議論を頂き、また、成果の創出・発信頂いた。ここに深く謝意を示す。
(3)成果リスト(査読付き論文)
SPring-8利用研究成果登録データベースに登録済みで、PU課題番号が関連づけられた査読付き論文のみを掲載します。(その他、PUとして支援した一般課題の発表論文やポスター発表、受賞歴など多数の成果がありますが、掲載スペースの都合上割愛しています。)
[1] SPring-8 Publication ID = 28878
K. Toyoki et al.: "Magnetoelectric Switching of Perpendicular Exchange Bias in Pt/Co/a-Cr2O3/Pt Stacked Films" Applied Physics Letters 106 (2015) 162404.
[2] SPring-8 Publication ID = 29948
S. Miwa et al.: "Voltage-Controlled Magnetic Anisotropy in Fe|MgO Tunnel Junctions Studied by X-ray Absorption Spectroscopy" Applied Physics Letters 107 (2015) 162402.
[3] SPring-8 Publication ID = 30031
Y. Shiratsuchi et al.: "Direct Observations of Ferromagnetic and Antiferromagnetic Domains in Pt/Co/Cr2O3/Pt Perpendicular Exchange Biased Film" AIMS Materials Science 2 (2015) 484-496.
[4] SPring-8 Publication ID = 32015
Y. Shiratsuchi et al.: "Perpendicular Exchange Bias and Magneto-Electric Control Using Cr2O3(0001) Thin Film" Materials Transactions 57 (2016) 781-788.
[5] SPring-8 Publication ID = 33198
Y. Shiratsuchi et al.: "Simultaneous Achievement of High Perpendicular Exchange Bias and Low Coercivity by Controlling Ferromagnetic/Antiferromagnetic Interfacial Magnetic Anisotropy" Journal of Applied Physics 121 (2017) 073902.
[6] SPring-8 Publication ID = 33670
T. Tsukahara et al.: "Characterization of the Magnetic Moments of Ultrathin Fe Film in an External Electric Field via High-Precision X-ray Magnetic Circular Dichroism Spectroscopy" Japanese Journal of Applied Physics 56 (2017) 060304.
[7] SPring-8 Publication ID = 33962
S. Miwa et al.: "Voltage Controlled Interfacial Magnetism through Platinum Orbits" Nature Communications 8 (2017) 15848.
[8] SPring-8 Publication ID = 36725
Y. Kotani et al.: "Realization of Scanning Soft X-ray Microscope for Magnetic Imaging under High Magnetic Fields" Journal of Synchrotron Radiation 25 (2018) 1444-1449.
[9] SPring-8 Publication ID = 37008
T. Kawabe et al.: "Electric-Field-Induced Changes of Magnetic Moments and Magnetocrystalline Anisotropy in Ultrathin Cobalt Films" Physical Review B 96 (2017) 220412(R).
[10] SPring-8 Publication ID = 37641
Y. Shiratsuchi et al.: "Antiferromagnetic Domain Wall Creep Driven by Magnetoelectric Effect" APL Materials 6 (2018) 121104.
[11] SPring-8 Publication ID = 37642
Y. Shiratsuchi et al.: "Observation of the Magnetoelectric Reversal Process of the Antiferromagnetic Domain" Applied Physics Letter 113 (2018) 242404.
[12] SPring-8 Publication ID = 37643
Y. Shiratsuchi et al.: "Magnetoelectric control of antiferromagnetic domain state of Cr2O3 thin film toward spintronic application" Journal of Magnetics Society of Japan 42 (2018) 119.
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