Volume 23, No.2 Pages 197 - 198
4. 談話室・ユーザー便り/USER LOUNGE・LETTERS FROM USERS
SPring-8ユーザー協同体(SPRUC)会長に就任して
Inauguration Address from the President of SPRUC
SPring-8ユーザー協同体(SPRUC)会長/関西学院大学 理工学部 School of Science and Technology, Kwansei Gakuin University
2018年1月9日に開催されたSPring-8ユーザー協同体(SPRUC)平成29年度第3回評議員会で、評議員の互選により、第4期のSPRUC会長に選出されました。これまで雨宮慶幸第1期会長、高原淳第2期会長、そして中川敦史前会長の発展してきた基盤を継承し、さらなるSPring-8の発展を通して人材育成や社会の発展に貢献できるように活動していきたいと考えていますのでご支援よろしくお願いいたします。
今年度の各幹事は、下記の方々にお願いすることにいたしました。
庶務幹事 藤原明比古(関西学院大学)
広報・渉外幹事 横谷 尚睦(岡山大学)
利用幹事 西堀 英治(筑波大学)
利用幹事 大和田謙二(量子科学技術研究開発機構)
会計幹事 西堀麻衣子(九州大学)
行事幹事 木村 昭夫(広島大学)
行事幹事 田中 義人(兵庫県立大学)
編集幹事 吾郷日出夫(理化学研究所)
企画幹事 若林 裕助(大阪大学)
上記各幹事の他に、会長を補佐していただくために学術界から坂田修身氏(物質・材料研究機構)と産業界から本間穂高氏(新日鉄住金)に副会長をお引き受けいただきました。また、各研究会の全体を取りまとめる利用委員会の委員長は、前期に引き続き有馬孝尚氏(東京大学)、企画委員会の委員長は、高尾正敏氏(元大阪大学、元パナソニック)にお引き受けいただきました。SPRUCの運営は継続性があることが必要と考えています。そのために、これまで会長を歴任されました雨宮慶幸氏(東京大学)、高原淳氏(九州大学)、中川敦史氏(大阪大学)に監事をお引き受けいただき、運営に対して様々な観点からの助言をいただきたいと考えています。
SPRUCは、学術界や産業界のSPring-8利用者全員で組織されるものとして2012年4月に創設されました。会員の研究分野や利用形態は極めて広範で、現在の会員数は12,000人を超えています。このため、同じテーブルについて共通の課題を見つけて議論を行うことは困難ですが、SPring-8と連携し施設や計測技術の先端性、利用システムの利便性の向上に寄与するとともに、科学技術の発展、学際研究を通して新学術、新産業の創成、さらには将来の日本の科学技術を牽引する人材育成にも寄与するという目的は会員共通の目指すところです。新たな試みの一つとして高原会長の時に始められた分野融合型研究グループの活動は、新分野、新学術、新産業創成の観点からその成果が期待されています。焦らずに応援していきたいと考えています。
さて今期は、これまでの活動を継承・発展させることは勿論ですが、特にSPring-8の将来計画(次期計画)についてさらに議論を進めていきたいと思っています。これは、前期にSPRUCの下に、「ビームライン高性能化検討作業部会」(責任者:藤原明比古(関西学院大学))が設置され、報告書として纏められています。これを受けた次の活動として、SPRUCと施設者側とが具体的な課題を議論する場を設けてSPring-8の将来計画に反映させていきたいと考えています。これには、利用が本格化してきているSACLAのユーザー協同体(SACLA-UC)とテーマを設定した議論も必要と考えています。近い将来、この2つのユーザー協同体が統合することも視野に入れる必要があるかもしれません。
SPRUCの活動の一つに、SPring-8の成果の「情報発信」、「見える化」に努力することがあります。SPRUCは、研究分野が広いスペクトルに分布している研究者集団から成り立っています。すなわち、SPRUCは、「多学会集団」とも言えるでしょう。この点を利用した情報発信の方法を模索したいと思いますので、会員の皆様のご協力をお願いいたします。
皆さんもご存知のように、SPRUCの中心的な活動の一つはSPring-8シンポジウムです。第7回目となる今年度は、8月25日(土)、26日(日)に、SPRUC代表機関の一つである兵庫県立大学が中心となって姫路で開催する予定です。プログラムなどの詳細は、組織委員会、プログラム委員会、実行委員会で議論して決めていきますが、産官学の様々な分野にわたるユーザーの科学技術的交流の場として、学協会、SPRUCを構成する代表機関、SPring-8施設者とともに共同開催するものとして準備を進めています。今年のシンポジウムでは、現状の課題を解決して将来に向けた取り組みを加速するための具体的な動きを示していくことをテーマとしています。学術界および産業界の研究者や技術者に参加いただき、SPring-8の進むべき将来について掘り下げた議論ができるように計画していますので、多くの皆様のご参加を期待しています。
関西学院大学 理工学部
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