Volume 15, No.2 Pages 103 - 105
4. SPring-8 通信/SPring-8 COMMUNICATIONS
2010B SPring-8共用ビームライン利用研究課題(一般課題)の募集について
Call for 2010B General Proposals
2010B期(平成22年10月〜23年2月)における一般課題について、以下の要領でご応募ください。
1.一般課題について
一般課題は、赤外線から硬X線までの広い波長範囲の高輝度放射光ビームおよび先端的な測定装置を備えたSPring-8を利用する利用研究課題です。一般課題の他には、JASRIが重点領域に指定したナノテクノロジー支援課題および産業利用課題があり別途募集を行っております。詳しくは、「重点ナノテクノロジー支援課題およびナノネット支援課題の募集について」および「重点産業利用課題の募集について」を参照してください。
なお、申請を検討されているビームラインのご利用経験がない方は、申請前にビームライン担当者へご相談ください。
2.成果非専有課題と成果専有課題について
一般課題は成果非専有課題と成果専有課題に大別されます。成果非専有課題とは、論文等により研究成果を公表していただくもので、ビーム使用料が無料となる課題です。成果専有課題は、成果公開の義務がなく、審査が簡略化されますが、利用時間に応じたビーム使用料が課せられる利用となります。成果専有課題の申請内容については、審査に関わる人数を限定し、厳格な情報管理とともに、秘密保持に尽くしており、実験内容あるいは試料等に機密事項が含まれる場合に多く利用されております。
3.利用時期、対象ビームライン
利用時期、募集の対象となるビームライン、シフト数(シフト割合・1シフト=8時間)を以下に示します。2010Aのセベラルバンチ運転モードについては、本誌93ページの「2010B SPring-8利用研究課題募集の概要」をご参照ください。
(1)利用時期
利用時期は2010B期(平成22年10月〜23年2月)です。ただし、BL14B2(産業利用II)、BL19B2 (産業利用I)およびBL46XU(産業利用III)の成果専有課題に関しては2010Bの第1期(平成22年10 月〜同年12月中旬)と第2期(平成23年1月〜同年2月)に分けて募集を行います。
(2)対象ビームライン
募集の対象となるビームラインおよび1本あたりのビームタイム(237シフト)から供出する割合は以下のとおりです。なお、このシフト数割合は、一般課題の他、新規の長期利用課題、成果公開優先利用課題への配分も含めた最大値を示しています。また、ビームライン情報は本誌97ページの「2010B SPring-8利用研究課題募集の概要」をご参照ください。
ビームライン | ビームタイム割合 (全237シフト) |
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BL01B1 | XAFS | 80%程度 |
BL02B1 | 単結晶構造解析 | 45%程度 |
BL02B2 | 粉末結晶構造解析 | 35%程度 |
BL04B1 | 高温高圧 | 60%程度 |
BL04B2 | 高エネルギーX線回折 | 80%程度 |
BL08W | 高エネルギー非弾性散乱 | 80%程度 |
BL09XU | 核共鳴散乱 | 60%程度 |
BL10XU | 高圧構造物性 | 45%程度 |
BL13XU | 表面界面構造解析 | 60%程度 |
BL14B2 | 産業利用 II(平成22年10月~12月中旬の全150シフト) (一般課題としては成果専有課題のみ募集) |
80%程度 ・産業利用課題 ・成果専有課題 |
BL19B2 | 産業利用 I(平成22年10月~12月中旬の全150シフト) (一般課題としては成果専有課題のみ募集) |
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BL20B2 | 医学・イメージング I | 25%程度 |
BL20XU | 医学・イメージング II | 60%程度 |
BL25SU | 軟X線固体分光 | 55%程度 |
BL27SU | 軟X線光化学 | 55%程度 |
BL28B2 | 白色X線回折 | 75%程度 |
BL35XU | 高分解能非弾性散乱 | 80%程度 |
BL37XU | 分光分析 | 55%程度 |
BL38B1 | 構造生物学 III | 65%程度 |
BL39XU | 磁性材料 | 45%程度 |
BL40B2 | 構造生物学 II | 60%程度 |
BL40XU | 高フラックス | 50%程度 |
BL41XU | 構造生物学 I | 50%程度 |
BL43IR | 赤外物性 | 55%程度 |
BL46XU | 産業利用 III(平成22年10月~12月中旬の全150シフト) (一般課題としては成果専有課題のみ募集) |
80%程度 ・産業利用課題 ・成果専有課題 |
BL47XU | 光電子分光・マイクロCT | 30%程度 |
●理研ビームライン(応募の前に理研の担当者にお問い合わせください)
ビームライン | ビームタイム割合 (全237シフト) |
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BL17SU | 理研 物理科学 III | 10%程度 |
BL26B1 | 理研 構造ゲノム I | 20%程度 |
BL26B2 | 理研 構造ゲノム II | 20%程度 |
BL32XU | 理研 ターゲットタンパク | 20%程度 |
BL45XU | 理研 構造生物学 I | 20%程度 |
ビームライン・ステーションの整備状況は SPring-8ホームページの「ビームライン一覧」(トップページ>クイックリンク>ビームライン情報>ビームライン一覧)でも提供しています。不明な点はそれぞれのビームライン担当者にお問い合わせください。ビームラインを選ぶ際には「SPring-8利用事例データベース」(トップページ>利用事例&研究成果)もご活用ください。
4.申請方法
Webサイトを利用した電子申請となります。本誌94ページの「2010B SPring-8利用研究課題募集の概要」をご一読いただき、以下のUser Information ウェブサイトから申請してください。
User Information : https://user.spring8.or.jp
トップページ>ログイン>課題申請/利用計画書>課題申請/利用計画書作成
成果専有で申請する場合は、課題申請の後に、成果専有利用同意書(2006Bより変更)を提出していただく必要があります。当該のフォームをUser Informationウェブサイト(トップページ>提出書類)よりダウンロード後、料金支払いの責任者が記名・捺印のうえ、別途郵送してください(成果専有利用同意書の郵送期限:平成22年7月8日必着)。
一般課題申請書作成上のお願い
申請にあたっては、本誌94ページの「2010B SPring-8利用研究課題募集の概要」をご確認いただくと共に、下記にご留意ください。
[1]1.5シフト単位で申請する課題
BL41XU(構造生物学I)、BL38B1(構造生物学III)の利用を希望される場合は、1.5シフトや 4.5シフトの申請も受け付けます。この運用は、成果非専有一般課題のみを対象としており、成果専有課題や他のビームラインでは行いません。なお、0.5シフトの配分はありませんのでご注意ください。
[2]予備実験ビームタイムを設けて申請する課題
XAFS分野において長時間のビームタイムを要望される課題においては、まず予備実験が配分され、その後再評価を受け残りのビームタイムが配分されます。
[3]1年課題
分野の特徴として2回に分けて実験を行うことに重要な意味がある課題が多い散乱回折および分光分野では、B期から始まりA期にもシフト配分を行う1年課題の運用を以下のビームラインで行っています。
・BL02B1 (単結晶構造解析)
・BL04B1 (高温高圧)
・BL10XU(高圧構造物性)
・BL27SU (軟X線光化学)
1年課題を希望する場合は申請形式選択ページで“1年課題”を選んでください。
5.応募締切
平成22年7月1日(木)
午前10時JST(提出完了時刻)
電子申請システムの動作確認はしておりますが、予期せぬ動作不良等の発生も考えられます。申請書の作成(入力)は時間的余裕をもって行っていただきますようお願いいたします。
Web入力に問題がある場合は「11.問い合わせ先」へ連絡してください。応募締切時刻までに連絡を受けた場合のみ別途送信方法の相談を受けます。
6.申請受理通知
申請が完了し、データが正常に送信されれば、受理通知と申請者控え用の誓約事項のPDFファイルがメールで送られますので、必ず確認してください。メールが届かない場合は申請が受理されていない状態になっており、申請ページでエラーがでている、または「提出」操作を行っていない可能性がありますので、必ず確認してください。
7.審査について
(1)成果非専有課題
科学技術的妥当性、研究手段としてのSPring-8の必要性、実験の実施可能性、実験の安全性について総合的かつ専門的に審査します。なお、産業利用分野に応募される場合、「科学技術的妥当性」については、期待される研究成果の産業基盤技術としての重要性および発展性、並びに研究課題の社会的意義および社会経済への寄与度を特に重点的に審査します。また、過去に利用実績のある申請者に対し、成果の公表状況を評価し、課題選定に取り入れます。
(2)成果専有課題
実験の実施可能性、安全性、公共性および倫理性について審査します。
8.審査結果の通知
審査結果は、申請者に対して、平成22年8月下旬に文書にて通知します。
9.成果の公開について
課題終了後60日以内に所定の利用報告書をJASRI に提出していただきます(成果専有課題を除く)。
JASRIでは、2010B期終了後60日目から2週間後に利用報告書をWeb公開します。また、論文発表等で成果を公表した場合は、公表後すみやかに JASRIに登録していただきます。
10.その他
(1)利用に当たっての料金等について
ビーム使用料および消耗品の実費負担については、本誌95ページの「2010B SPring-8利用研究課題募集の概要」をご参照ください。
(2)次回(2011A期)の応募締切
次回利用期間(2011A期)分の募集の締め切りは平成22年12月上旬頃の予定です。
11.問い合わせ先
〒679-5198 兵庫県佐用郡佐用町光都1-1-1
財団法人 高輝度光科学研究センター 利用業務部
TEL:0791-58-0961 FAX:0791-58-0965
e-mail:sp8jasri@spring8.or.jp